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7月歌会報告

7月の例会は28日、久しぶりに日曜日開催となりました。
連日の猛暑で頭から湯気が立ち上る感じですが、そんな日でも12名の参加がありました。

まずは1席歌から。

英カラーの美しい夏空

「真夏の果汁」という言葉は果汁だけでなく太陽の煌めきまで表現している。テクニカルな作りながら流れるようなリズム。
参加した男性たちは皆エロティックさも感じてニヤニヤ(笑)。
とにもかくにも瑞々しく生命力溢れる歌に大絶賛。
真夏は滴ることを許す季節、そしてすいかは下品に立ったまま食べて良い…と、滴る感覚を描きたかった作者。
液状のものが身体の部位を伝う感覚を計算して表現したのは作戦だったそうで、みんなまんまと引っ掛かりました。

次は2席・3席をご紹介します。

2席・南野歌。
構成の妙。前3行に対し、これ以上ない後ろ2行に一同ノックアウトされました。2文字分のスペース空けも効いています。作者は、蝉時雨がふと止むとき、エアーポケットに落ちるような空白を感じ、後ろ2行に何をもってきたらいいかを考えての「技巧的」着地だと。

2席・稲本歌。
思わせぶりな歌いっぷりにみんな惹かれました。何かがあったと思わせる入り方が良い、視覚的・感覚的に優れドラマ性があるなどと大好評。
カラっと晴れた空を見て作った歌だそうですが、後ろ3行に展開することのできる発想力・想像力が素敵です。

3席・島歌。
「前かがみ」「よろめきながら」という言葉のチョイスに共感する人多数。
不器用で無駄も多い人生ではあるけれど、案外良い人生なのでは?などのコメントもありました。「追い風」の捉え方は普通はポジティブなことが多いけれど、この使い方は新鮮だったとの評も。
作者は、風の強い日に歩いた実体験をもとに4行目までを素直に詠みつつ、考えてみたら自分の人生もこんなものだったな、と内省しつつ作ったそうです。

来月も元気に開催予定です。(8/24)
お近くでご興味のある方、ご連絡くださいね。

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