10月歌会報告
10月23日(日)に、九州歌会の例会がありました。
遅くなりましたが簡単に報告をいたします。
同点が頻繁に出る本誌レポーター泣かせの九州歌会ですが(本誌の歌会レポートは字数制限あり)、今月も1席と2席が2首ずつでした。
まずは1席2首を、一つの画像にまとめてもらったのでご紹介します。
はい、我が代表・梢さん(なぜか下の名前で呼んでみる)と、わたくしめでした!
梢さんの歌、「何か」が何なのか分からない。
でも最後に「多分一番大切なもの」とある。
読者はそれぞれの胸の内にあるそれについて考えてみる。
そしてそれが「見えなくなって来る」ということに不安や悲しみを覚える。
年齢を重ねていくことで見えてくることもあるが、逆にこのようなこともあるだろう。
中には「老眼による視力の衰え」みたいな意見も出ていたけれど、私には精神的な意味にとれた。
作者のコメントは多方面に及び、結局歌の本意までは分からず仕舞い(笑)
コメントなしで歌だけのほうが良かった、などと言われて笑いが起こった。
あ、親しい仲間だからこその愛情たっぷりのコメントですよ。^^
柚月歌。
まあ、このようなことはよく言われると思う。
大事なものは自分の中にあるとかね。
発想を褒めてくださった方もいましたが、推しのアーティストにこういう歌がありまして。むしろ、こういうことをずっと言い続けている人でして。
でも人は往々にして、幸せを外に求めてしまう。
本当は沢山の物で満たされているはずなのに。
そしてそれはまわりではなく、自分の心の中にあるはずなのに。
最近出た彼の新曲と、実際にライブに行って過ごした時間の中で、このことを実感したので記念に残しておきたくて作った歌でした。
奇しくもどちらの歌も「自分の大切なもの」についての歌だったかなと。
稲本さんの画像がドンピシャに二つの歌に合っているのがすごいです。
さて、2席2首と3席のご紹介です。
稲本歌。
これも詳しい状況は書かれていない。恋人同士・夫婦のことという解釈もできます。
作者によると、最近手術をされたお母様の手のことだったと。
「つよさ」から「あたたかさ」という温度へ変化しているのが巧みというコメントもありました。
松田歌。
映画のワンシーンのように目に浮かぶ歌。
映画好きの私も迷わず2点献上でした。
「遮断機」「線路」という緊張感を呼ぶツールと、「身じろぎもせず」という言葉のチョイスが絶妙。
「横人」は造語だそうですがとてもよく分かる経済効率のいい言葉。
実は妄想炸裂でできた歌とのこと。
下瀬歌。
これは歌を詠む者にとって、とても共感できる歌だったと思います。
「ココロ」「コトバ」をカタカナ表記にすることで軽みを出しつつも、「騒めく」を漢字にしてルビを打つことで違和感や落ち着かなさを表わしています。
日常も時には心がざわめくことがないとね……歌がね、できないのよ歌が。(などと独り言ちてみるww)
九州歌会では、基本的に月1回対面歌会を催しています。
コロナ禍にはネット歌会に切り替えたりもしましたが、どちらにせよ和気あいあいと活発なコメントが飛び出し、毎回楽しいし勉強になります。
ご興味ある方はどうぞ一度ご見学にお越しください。