6月歌会報告
6月22日にいつもの会場(あいれふ)で例会が行われました。
なんと15名の参加!
さすが、うちの世話役が「何もしなくても増えるバケモノみたいな」と形容した歌会です(笑)
早速今月の上位歌をご紹介します。
まずは1席歌を稲本さんの写真と共に。
圧倒的な高得点(2席との差は7点も!)での堂々たる1席。
最近の馬場さん、絶好調です。
まずは比喩の秀逸さに誰もが唸りました。
ラムネ瓶のビー玉を「溢れ出しそうな感情」を堰き止めるものとして使うというその発想、すごいです。
どんな感情かは読み手によって解釈が分かれると思いますが、いずれにしてもラムネの爽やかさが重くなりがちな雰囲気を和らげてもいます。
実はこれ、お父様が亡くなった時のことを思い出して作った歌だそうで、感情に蓋をして淡々と葬儀などを取り仕切り、泣かなかった自分のこと。
ラムネは、幼い頃にお父様と一緒に飲んだ想い出の飲み物だそうです。
哀しくないわけがない、でも理性が勝って泣かない人っています。私もそのタイプです。とても身に沁みました。「極上の五行歌」との評もありました。
馬場さん、おめでとうございま~す。
では、2席と3席のご紹介です。
まずは2席・松田歌。
「山」は目標・意志の象徴。「登る」は上昇。
「そこに山があるから登る」は登山家の有名な言葉ですが、後ろ3行で素晴らしく哲学的になっています。
ご友人に作者自身がかけた言葉がきっかけでできた歌とのこと。
妄想歌が得意な松田さんですが、こんなシリアスな歌もまた素晴らしいのです。
次に同点2席の朔月歌。
最低限の短い言葉で、しっかり伝わる佳い歌。
どんな言葉をかけられたのでしょう……「慈雨」だから、静かにじんわりと喜びが沁みていくのでしょう。
作者の種明かしによると、我が歌会の世話役さんから歌について褒めてもらったことを詠んだそうです。そりゃ嬉しいわな(笑)
九州歌会に参加するようになってから初の入席歌。
朔月さん、おめでとうございま~す!
3席稗田歌。
きっと、誰にでも「あの日」の「あの場所」はあるだろう、読み手それぞれが自分のことに重ね合わせることのできる共感性の高い歌ではないか、などとコメントがありました。
そしてまた「何て言おう」と、まだ気持ちの定まらない感じも良いとの評も。
作者は、はるか昔の思い出を今になって振り返ってあれこれ考えることが出来るようになりました、と。
今月は、九州歌会参加歴の比較的新しい方が沢山入席となりました。
これは古い人間からすると、とても嬉しいことです。
いつも言っていますが、歌会での点数はたまたまだとは思うし、別の歌会に出すと違った結果になることもあります。
それでもやはり沢山の人から褒めてもらえるってとても励みになること。
皆さん、本当におめでとうございました~♪