凪良ゆう/『流浪の月』を読んで ━ 凪良ゆうという人は小説を書いていて楽しいのだろうか。
タイトルからいきなり、余計なお世話だよという感じだけれど、先週あたりに友人とも知り合いとも言えない微妙な関係の年上の大学生に、「凪良ゆうの『流浪の月』っていう小説がいいよ」と言われて、おお、そうなのですかという感じで近所の図書館で借りて読んだ。読んだのだけれど、なんというか、煮え切らないというか、微妙な後味だった。
この凪良ゆうという人は、5年ぐらい前から文壇に出てきて、直木賞とか吉川英治新人賞の候補になったり本屋大賞も取ってる人らしく、プロフィールだけ見るとゴリゴリの大衆