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1日2万歩ロンドン:4日目

旅日記4日目、最終日の話を書くのに行ってから2ヶ月も経ってしまって苦笑い。ずっと前の記憶のようで、すぐ昨日のような気持ちもある。
〜3日目のロンドン旅行話と現地のたべもののはなしもよろしければぜひお立ち寄りください!

4日目の朝も例によってモリモリ朝ごはんを食べてスタート。

朝食たべてたレストラン、本当に可愛かった

最初はロンドン・オラトリーに赴いた。
この場所はブロンプトン礼拝堂とも呼ばれる建物で、中には重厚かつ荘厳な建築とうっとりするほど豪華な彫刻が並ぶ。その美しさたるや・・・どれほどの時間と手が作り上げたのか全く想像がつかないな、と思うほどであった。真ん中の大祭壇に左右にいくつかの礼拝堂がある作りで、訪れた日もそのうち一箇所で生まれたばかりであろうお子さんを連れたご家族がお祈りを捧げていた。

観光地という雰囲気はなく、あくまでも地元の信者の方のための教会という静けさだった。当たり前のことだが、私が束の間旅先でお邪魔して拝見する教会や大聖堂はどれも、その地で暮らす方々にとっての日常である。場所の性質は滞在者によって大きく異なるので、なるべくマナーは守るよう心がけていたいと思う。

なぜこのロンドンオラトリーに行ったかというと、実はメイン目的はすぐ隣にあるヴィクトリアアンドアルバート博物館、通称V&A博物館に行こうとしており、地図を見ていると近くに素敵な教会がありそうだということで寄らせてもらったのだった。結果ものすごく静謐で心整う時間をすごくことができた。

V&Aには必ず行きたかった。工芸品や古美術、デザインなど「人の創った美しいもの」がたくさんある場所であり、アーツアンドクラフツ運動を主導したウィリアム・モリスも深く関わっていると知ってからいつの日かと願っていた美術館だったので、実はこの旅で一番楽しみにしていたかもしれない。

いざ到着すると早速受付の上に巨大なガラスのオブジェが天井から吊り下がっており度肝を抜かれる。生きていたかのような有機的な形状、みずみずしい色合い。その奥には教会建築さながらの彫刻も見え、どうしよう!早く行きたい!と最高の気持ちでスタートした。

ああ、めくるめく美の家。中世ヨーロッパの職人技、主にキリスト教の宗教美術(実際に使われていたであろう石柱から礼拝で司祭が使う小道具などまで網羅されてた)、世界各地の芸術的建造物の石膏レプリカ、煌びやかで艶やかなたくさんのドレス、豪奢な巨大カーペット、細密な彫刻、あまりにも眩い宝飾品、繊細なデザインの食器、斬新なテキスタイル、歴史的にも価値の高い家具などなど、、、



「美しいもの」と聞いて誰かが思いつくもののバリエーションが大体すべて、広い建物に整然と、しかしぎっしりと存在していたものだから情報量と興奮で頭がおかしくなりそうだった。ロンドン旅で一番良かったの誇張なしにこの博物館だった。その証拠に短い旅の間でこのあと2回行った。

そしてあまりの広さと密度で全然回り切ることができなかった!ロンドンの美術館や博物館は旅行者を含め入場料が無料なので、それに甘えて一度退出し午後の予定を果たしに向かった。

その予定というのはポートベローという街へのお出かけであった。映画『ノッティングヒルの恋人』の舞台のひとつというとピンとくる方も多くいらっしゃるかもしれない。ポートベローは普段からアンティークのお店が立ち並ぶ場所なのだが、この日は蚤の市を開催しているとのことだったのでアンティーク好きの我々はワクワクしながら向かっていった。


カラフルな家々が本当に可愛い。
しばらく歩くとメインの通りに出て、曇り空の下、多くの方々が楽しんでいらっしゃる様子に遭遇した。通り沿いにあるお店だけでなく、露店もずらりと立ち並ぶので目が忙しい。

そして本当に本当にたくさんの種類のお店がある。写真は控えたので思い出せる範囲だが、それでもアクセサリーや食器、照明器具、カトラリー、オブジェ、革製品、古着(スウェットからドレスまで!)、貝殻、人形、木箱、超高級ティーセット、古本や博物図譜、古い写真、電話機、レース、武器のレプリカ(であってくれ)、楽器など多様な品々が目白押しですごく楽しい!眠るアヒルの置物やチェーンが特徴的なネックレス、ガラスのアクセサリーボックス、古いラッパなどを購入した。体感だが露店の方が色んな意味で手に取りやすかった。

一通り蚤の市を満喫した後、再度V&Aに戻ってまたひたすら館内を散策する。本当に不思議なもので、一度来た場所にも関わらず、同じ入り口から入っているにも関わらず、見学場所がまだ無限にあるような気がしてくる。美は押し寄せてくることはなく、しかし無数にその場所で静かに存在している。探しに行かねば出会えることはないのだが、必ず何かしらのうつくしさが待っていてくれる。そんな不思議さがいつもあった。

そして前日に訪れた大英博物館の感想とはある意味真逆の気持ちを持った。大英博物館では、クリエイティブはいい意味で特別ではなく人間という生命体が普く行動を起こすものである、と思わされた。もちろんそれは間違いではない。しかしV&Aのあの、精緻な職人たちの技や、ブランドの矜持、木材や石材をはじめとするかつては存在した豊かな素材たちを思うと、「特別」「本物」「奇跡」という言葉たちに思いを馳せざるを得なかった。



ここにあるものたちは、あらゆるクリエイターたちに影響を与え、目指させ、越えさせようとするだろう。こんな豊かさを、この密度で目の当たりにしたことなんてなかった。人間は素晴らしい。美は素晴らしい。

すっかりクタクタになったので近くのお店でフィッシュ&チップスとでっかいケーキを食べてパワーチャージし、その後歩いてハロッズに向かった。


この時の記事は、リスト内『フィッシュ&チップス、レボリューション』です。よろしければ!

お買い物がしたかったわけではないのだが、ロンドン来たし見たいっしょ〜というノリで行ってみたものの、思った100倍広くて豪華絢爛で笑ってしまった。

魔王城かのような光
エジプトっぽい装飾、ものすごく素敵だった


広すぎてトイレまで辿り着けないくらいだったし、売ってるものがやはり高い。うーんさすがはハロッズ、ここで買えるものは、なにも、ない!!と夫と爆笑しながら、地下の書店で『Free London』というロンドン近郊の無料で楽しめる場所の写真集だけ買って帰宅した。テディベア柄のトートバックとか母へのお土産にどうかなと思ったが、円安パワーにぶちのめされてしまったためあえなく断念。大資本主義神社という感じで最高だった。ハロッズずっとあって欲しい。

この日も歩きまくった。ほうほうのていで帰ホテルし、爆睡。
明日は最終日。

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