見出し画像

映画感想「エンド・オブ・トンネル」 サスペンスと予測不能な心理戦😎

「冷酷な復讐と孤独が交錯する、サスペンススリラー」


1. あらすじ

映画「エンド・オブ・トンネル」は、車椅子生活を送るホアキン(レオナルド・スバラグリア)が、自宅の地下にトンネルを掘る犯罪者グループに立ち向かう物語です。ある日、彼は壁越しに聞こえる会話から銀行強盗の計画を知り、監視カメラを使って彼らの動きを追跡し始めます。家の中で展開される緊張感あふれる心理戦と、彼の過去の悲劇が複雑に絡み合いながら、観客を息もつかせない展開へと導きます。サスペンスとアクションが織り成す、壮絶な復讐劇です。

2. 感想

「エンド・オブ・トンネル」は、物語の緻密な構成とキャラクターの深い心理描写が際立つ作品です。特に、ホアキンが抱える過去のトラウマと、彼の冷静沈着な計画が見事に描かれており、何度見ても新たな発見があります。ただし、キャラクターの行動には時々「それはちょっと都合よすぎるんじゃない?」と思う部分もあり、特にホアキンがひとりで犯罪者グループに立ち向かうのは非現実的に感じられるところも。彼の頭脳戦が主な魅力ですが、物理的な障害をどう克服したのか、詳細が省かれているのは少し残念です。

映像面でも、地下室の薄暗い照明や、トンネルの狭さが視覚的に圧迫感を与え、観客に不安感を抱かせます。私は特に、ホアキンが監視カメラを通して犯罪者たちを監視するシーンに強く惹かれました。彼の鋭い観察力と、冷静さの中に秘められた怒りがスクリーン越しに伝わってきて、その緊張感に圧倒されました。

音楽の使い方も巧妙で、静けさが緊張を高め、突如として流れる音楽が物語の急展開を予感させます。しかし、一部のシーンで音楽が過剰にドラマチックすぎると感じたところもあり、逆に感情移入が薄れてしまう瞬間も。台詞や演技にもっと静かな緊張感を持たせる選択肢があれば、さらにリアルな没入感が得られたかもしれません。

全体的に、復讐をテーマにしながらも、単なるアクションにとどまらない深みのある物語がこの作品の魅力です。複雑でありながらも緻密に計算された展開と、緊張感溢れるビジュアルと音楽が融合し、観客に忘れられない体験を提供してくれますが、一部のご都合主義的な要素は少し評価を下げるかもしれません。

3. 見どころ

ポイント1: ホアキンの冷静かつ緻密な計画
車椅子生活を送りながらも、ホアキンが計画を立てて犯罪者たちに挑む姿は圧巻です。彼の冷徹な行動や観察力が、ストーリー全体を支えています。ただし、彼がすべての状況を乗り越えられるのは少し非現実的に感じることも。

ポイント2: 狭い空間での視覚的な緊張感
地下室やトンネルのシーンは、狭い空間が観客に圧迫感を与え、視覚的にも恐怖感を煽ります。この空間演出が、物語の緊張感をさらに高めています。ただし、時にはその演出が過剰であると感じる場面も。

ポイント3: 犯罪者グループとの緻密な心理戦
ホアキンと犯罪者たちの間で繰り広げられる心理戦は、この映画の大きな見どころです。それぞれのキャラクターが複雑な動機を持ち、最後までどちらが勝つのか予測できません。しかし、終盤にかけて急展開しすぎるため、一部の視聴者には展開が唐突に感じられるかもしれません。

4. こんな人におすすめ

サスペンスと予測不能な心理戦が好きな人へ
この映画は、終始緊張感に満ちた展開が続き、ホアキンと犯罪者たちの心理戦に引き込まれること間違いなし。彼の冷静な計算がどのように成功するか、一瞬たりとも目を離せません!ただし、リアリティに厳しい人には若干のご都合主義的展開が気になるかもしれません。

作品データ

  • 作品タイトル(原題または英題): エンド・オブ・トンネル

  • 監督: ロドリゴ・グランデ

  • 脚本: ロドリゴ・グランデ

  • 出演: レオナルド・スバラグリア、クララ・ラゴ、パブロ・エチャリ、フェデリコ・ルッピ、 ウーゴ・アルバレス

  • ジャンル: サスペンス、スリラー

  • 公開年: 2016年

  • 上映時間: 120分

  • 製作国: アルゼンチン、スペイン

  • サブスク配信: DMMプレミアム 

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?