トゲを抜きに来たあの日の贈り物。
朝から散々なことが続いた日の夜。私はモヤモヤした気持ちを抱えたままベッドに入った。なんとなく寝付けずInstagramを開いたら、いつもお仕事をご一緒させて頂いている知人の投稿が目に飛び込んできた。
https://www.instagram.com/p/CVxQgsKBBVB/?utm_source=ig_web_copy_link
内容はこうだ。彼女が仕事の現場に忘れた荷物を私が自宅に送った。その際、いつか好きだと話していた「八雲もち」を一緒に贈った、それだけのこと。何なら自分の大好物でもあり、買いに行く口実にしたくらいのものである。口の中にパクッと一瞬で放り込んだ私からすれば、素敵な写真に収められた「八雲もち」に、いいところにもらわれていったなぁ、とまるで娘を嫁がせた父のような気持ちになった。
もちろん直接のお礼も頂いていたのだが、思った以上に喜んでくださっていたことを感じ、さっきまでトゲトゲしていた心がなめらかに。優しい気持ちで眠りにつくことができた。
「情けは人のためならず」という言葉がある。これは「親切にするのはその人のためにならない」という意味ではないのよ。「親切は、その相手のためになるだけでなく、巡りめぐって自分に返ってくる」ということなの。子供の頃、母がよく繰り返していたが、まさしくこれだ。誰かのためにしたこととは巡りめぐって自身を救ってくれることがある。そこに打算や無理のないことが大前提ではあるが、相手に喜んでほしいと想う気持ちはむしろ自身の日々を彩ってくれるのだ。
気持ちよく目覚めた朝、私は「お礼参り」と称して再び「八雲もち」を買いに行ったのであった(食べたいだけ)。
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