【レポート】 DesignMattersTokyo | DAY2 | 23/06/03
こんにちは、ROXXでデザイナー兼PdMをやっている青野です。
6月2・3日に行われた、DesignMatterのイベントのレポートです。
前回に続き、2日目も各セッションのメモを抜粋して公開していきます。
1日目はこちらから。
プロダクトデザインにおけるメンタルモデルの活用
Leveraging Mental Models in Product Design
デザインのアプローチ
デザインのやることリストといえば、チェックリストを思い浮かべる
☑︎ABテストしたか、☑︎インタビューしたか‥本当は写真家のように、フォーカスを調整したり、別の角度で撮ったりと、アプローチしていくのがいいと考えている
5つのメンタルモデル
1)アスリートのメンタルモデル
デザインのメンタリティと似てる
バスケをやってたときドリブルの練習をたくさんしていたけど、有酸素運動は苦手だったり、食事はジャンクフードばかりだった。
デザイナーにおいても睡眠はちゃんととってるのか、など十分な基盤をもっておこう
デザインは上流工程に位置する。だけど、そのあなたがフラフラしてたらだめだよね
2)その問題は椅子か都市か
椅子の問題(プロダクトの問題)
コスト、素材、どのように解決するか
都市の問題(社会の問題)
複雑な問題で、インフラの整備など無限に出てくるもの
どんなデザイン問題も2つに分解してすすめることができる
1. 目的はなにか、モデルはなにか、すすめるべきかどうか?
2. より戦略的な詳細を決める(インタラクションなど)
3)インプットと直感をわける
インプットとしてデザイナーはあらゆる経験しておくべき。
経験したことないならリサーチに頼ろう。また、どういった課題なのかマッピングできるようにしている
4)当事者意識を持つこと
最後のアウトプット(Figmaではなくユーザーが目にするもの)がすべてだよね
全体的なオーナーシップを持って取りくもう
5)壁にぶち当たったら建築物に触れる
一歩さがって、頭を白紙にすることも大事。俯瞰につながるよ。
awesome (畏敬の意をもつ、おそろしく感動する という意味)の体験をしよう。自分の場合はすばらしい建築物にふれる体験がそれ。
よかった建築物の紹介
ドイツのブラザークラウスチャペル
兵庫県立びじゅつかん:安藤忠雄 ,神戸
豊島美術館
ルイビトン財団美術館、フランス
一度に1つのプロジェクト、どのように取り組むか
How to do good – one project at a time.
5年前の転機
病気をして「明日どうなるかわからない」という生活があった
そこから、もっとインパクトを持った仕事をしたいと考えるようになった。今までは自社プロダクトしか作ってなかった。
もともと、若い女性をIT業界で働けるように手助けしていたこともあり、それにもっと取り組もうと考えた
IT業界で働ける人を増やすために
女性のサポート
2018年、IT業界プロフェッショナルでは女性が16%しかいなかった
女性をメンタリングするサービスを作って募集をかけたところ、2週間900の応募が来た
対象地域も広げる
ポーランドの首都の中の話に閉じていたため、郊外にも展開。インターネット活用して、都心と同じ体験ができるようにした
コロナが後押しになり、大成功した
ダイバーシティではない問題
女性だけが対象でノンバイナリーは対象じゃないんだと言われたことをきっかけに言葉遣いを変えた
言語に女性名詞、男性名詞があるため、アンスコで表現してみた
例:Student_ka(女性名詞:studentka 男性名詞:student)ミススペルでは?と指摘された。意識的なのに…。
また、視覚障害を持ってる人にはむずかしかった(Screen Readerで伝わらない)
そこから「人」というふうに使う名詞を変えた。これで指摘されることもなくなった
ウクライナ戦争による変化
2022年2月24日、戦争によって私たちの生活が破壊された。
ポーランドはウクライナのとなりにある国で、1週間で100万人が難民が押し寄せてきた。全てのデザインプロジェクトはSTOPし、ヘルプセンターとして支援することが仕事になった
ウクライナ人とポーランド人を助けるために、多くの人に仕事先を支援する活動を行なったオンラインサービスにしたいけど、端末を持ってない人も多いだろうし、どの言語(ウクラナイ語 or ポーランド語 or ロシア語)で案内したら良いんだ?と悩んだりしたが、ウクライナのNPOと連携とって少しずつ解決していっている
今日の問いかけは「あなたは、どんな問題を解決しようとしてますか?」ということです。
時間をどうデザインするか?
How to design your time?
管理職になると時間がない
制作時間がとれなくなった。何が犯人?カレンダーがおかしいのはだれのせい?
自分のキャリアがすすむにつれ、カレンダーも埋まっていく。
MTGの多さを解決するためにMTGやりだしたり…問題なのは私のマネージャーです。と言えるのは簡単だが、時間がないのはあなたがたのせいでもあると認識しよう。自分の時間を守る努力をしよう
自分の時間を守るための7つのTips
1)作業したい時間は自分のカレンダーをブロックしておく
2)会議を断るのを恐れない
Shopifyは水曜日はMTGいれないという決まりがあり、水曜だから、という理由で入れられた予定を断ることができる
3)効率のいい時間にできるか調整しよう
Googleカレンダーにある提案機能があるよ
4)週次の定例とかリズムおかしいので設定しない
MTGが足りないと思うなら、意見が合わないことはツールで解決できるかも。自身はFigmaで画面説明をしたものをビデオで撮ったて共有した
5)スクローリングから1日を始めるな
Slackの未読を確認したりすることは、短い空き時間にやろう。せっかくの作業中にやるのもったいない
重要な情報見逃すかも…と思うかもしれないが、意外とそんなことないので大丈夫!通知でいけるよ
6)自分の時間を大切にしよう
アイスブレイクもいいけど、そればっかりは勿体無いよね。さっさと要件に入れるように努力しよう
7)休憩もとりましょう
人間がほんとに集中できる時間は1時間以下。じぶんの電池残量もみておこう
自分のウェルビーイングにために
自分のプライベートのために仕事に費やしすぎないでね
もちろんたくさんの仕事が必要な時もあるかもしれないが、バランスとっていこうね。仕事のために生きてるのではなく、生きるために仕事してることを忘れないでね。
会話型AIのUXプロセスは、以前と変わったのか、変わっていないのか?
Has the UX Process of Conversational AI Changed from Before, or not?
対話型AIの領域でUXデザイナーとして仕事います。HAL9000と同じ誕生日だから、宿命な気がしてます。
AIのHistory
1960:ELIZA(Early Chatbots)共感ベース
1990:Chatbot(一連のルールがベースのChatbots)カスタマーサポートへの導入に近い
2010:alexa(MLU:自然言語理解)より自然な会話を理解してくれる
2015:Generative Chatbot、今のGPT
対話型のUXについて
人間とロボットの対話がより自然かどうか、設計が不可欠です。
会話がビジネスゴールを達成するための手段になっているか?
心理型の戦略も必要。
対話を個人の思考や文脈に合わせられたり、説得力のあるものになってるかも大事。それによって信頼感がうまれる
1)誰と話してるのかはっきり伝える
私はAIです、と相手がわかるようにする
2)明確な期待値の設定
このAIを使うことで何を達成することが目的なのか明確にする
3)正しいUIを適切なタイミングで使えるか
一度に多くの選択肢をAIに喋らせない、といった配慮をする
4)長期的なメモリーを持っておくべき
過去の会話のコンテキストを覚えておくこと、継続的に、過去の情報を活用することでスムーズな個人的に会話できるように
5)AIが会話に答えられないとき、人のエージェントにつなげられるようにすることも重要
6)ロボットの個性を合わせる
ラグジュアリーな空間でフランクに話しかけない、など世界観をあわせよう
新しいテクノロジーの登場はデザインプロセスを変えたか?
基本的なプロセスは変わらない。だけどサービスの体験は変わる。
楽天には70以上のサービスがあり、そのサービスから新しい対話の体験を提供できること楽しみにしています。
私たち、対話型AIの領域でUXデザイナーの重要性がきたー!みんなが必要なのは私たちの助けです!!
クリエイティブAIの登場
The Emergence of Creative AI
ジュリーというチンパンジーの話
ジュリーは耳に草を入れる行動を始めた
機能的なことは何もなく、おしゃれさやかっこよさを意味してた
ほかのチンパンジーも真似し始め、ジュリーはファッションインフルエンサーとなった。
ジュリーがなくなっても、このマネが続いた
クリエイティビティ
クリエイティビティとは、人間だけのものではないし、自然だけのものではない。最近ではマシーンでもみられるようになった
また、ストーリーを話していきます
自分は小さいとき、馬の絵を描いているとき「馬の素晴らしさが表現できない」と悩んでいた
そんなとき、おばあちゃんが「絵を完璧である必要はない、あなたのストーリーを伝えてくれたら良い」と教えてくれた。
そうして自分も書き方がかわった。絵を完璧にするかどうかより、ストーリーを伝えるんだと思えるようになった
はい、このストーリーはフィクションです。ChatGPTがつくりました。ごめんね笑
でも、これはクリエイティビティだよね。
AIクリエイティビティの例
Amazonの購買予測、ネトフリのパーソナライズされたページ、これらはAIによってクリエイティブされている
チェスの王者がAIに負けたりする。AIは音楽さえも作ってしまう。
コードも形成できたりする。写真の形成にもリアリティがあがってきた。
AIのクリエイティビティは我々に対してどんな意味があるんだろう?
今の段階でわからない。
わかんないものに対して「仕事がなくなるのでは?」とか恐怖心があるかもしれない
でもこのように美しいアイデアを一緒につくれるかもしれない
よりクリエイティブに質が高いものがつくりやすくなったおかげで、クリエイターが爆発的に増える可能性もある。
多くの人が上司より優秀
もちろん、上司のほうが圧倒的に優秀なこともあるけど。
だからAIが優秀であることに恐れなくていい。あなたは上司だから
写真が発明される前は写実主義の絵が主流だった。写真が台頭するときピカソは終わったと思われたが、上司が新しい表現にすすむきっかけになった。
無限に変化していく可能性
新しいスタイル、あたらしいジャンルが出てくる。それは私たちのクリエイティブの拡張で、私たちの挑戦をAIが助けてくれています。
クリエイティブAIの到来を私たちは目の当たりにしているのです
2日間の感想
今回のテーマは、AIとの共創、インクルーシブ、持続可能性、アクセシビリティといったもので、今聞きたかった内容ばかで、とても楽しかったです!
みんなプレゼンテーションや、事例紹介がどれも面白くて上手だったのも、また学びだった。
行われたセッションのうち、半分をピックアップしてnoteに書きましたが、すごいボリュームになるくらいには、充実した内容でした。
今度は誰かと(ここ重要)オフラインイベントに参加できたらなと思います!
・・・
またROXXでは「時代の転換点をつくる」というミッションのもと、一緒に取りくんでいけるデザイナーを募集しています!
気になった方はカジュアル面談でも、今回のイベント感想会でも、気軽にお話しましょう〜〜!