【レポート】 DesignMattersTokyo | DAY1 | 23/06/02
こんにちは、ROXXでデザイナー兼PdMをやっている青野です。
6月2・3日に行われた、DesignMatterのイベントにオンラインで参加してきました!
ほぼ英語での案内でしたが、セッション自体は同時通訳がリアルタイムで流れていて聴きやすかったです。
それにしても英語スキルの必要性を感じる瞬間だった…
各セッションのメモ
各セッションのメモを抜粋して公開していきます。ここに書かなかったものもあるけど、すべて素敵なセッションでした。
日本語のタイトルはGoogle翻訳したものなので、ぎこちない感じですw
グローバルデザイン:インクルージョン、アクセシビリティ、持続可能性を優先しよう
Global Design: Prioritizing Inclusion, Accessibility, and Sustainability
住む場所や属性によって、表現の捉え方が違う
使われてる言語や色の持つイメージは、国によって様々。
中国では「青」が女性をイメージする色らしい。
「障害」ときいて何を思い浮かびますか?
それぞれ思い浮かんだものがあると思いますが、一番は「偏見を持っていること」です。
6人に1人が障害を持っています。それによりアクセシブルにしていく必要があります。Web Content Accessibility Guidelines(WCAG)の基準を満たしておこう
世の中にあるデザインでこのアクセシビリティの基準に対して、67%のエラー起きています。
ビジュアルな情報をオーガナイズしていく必要がある。
ビジュアルヒエラルキー(視覚表現による重みづけ)を意識しよう。
つまり、カラーコントラスト以上のことがある。フォントを大きくするとか。少なくとも16px以上にしてくださいね。
サステナビリティ(持続可能性)を大事にしてほしい
AIのChatGPTをトレーニングするだけで、CO2を排出していることを認識しておきましょう。車が、月と地球の間を2倍走るのと同じくらいの排出量が出ます。
ほかにも、画面を黒くして使うことはエネルギーの排出量をおさえことにつなるよ。
そのためには、リサーチも大事だよね
ユーザーの属性や、文化のことをリサーチすることは必須だよね。
クリック数とか、どれだけそれが使われているのかも調べよう。
デザインによって、変革をもたらしていこう!
AIを活用した生成的想像性
(de)Generative creativity powered by AI
スペルのバイアス
自分の名前のスペルは特徴的で、スタバとかで名前を伝えると、ほぼスペルミスで書かれてしまう
本当は「真夏の夜の夢」からの由来で命名されたが、ポケモンが由来なの?とよく聞かれる悪名高きAI、ChatGPTに自分の名前の由来について聞いたら「ポケモンが由来」と強調してきた。反論してもポケモンの方を説いてきた。
このことから、AIから出てくる情報には、バイアスがかかっていたり、トレンドに左右されることがわかった。クリエイティブなバイアスってあるんだろうか?
ChatGPT、画像形成のバイアス
キャビンアテンダント:アジア女性の写真ばかり
弁護士:強面の白人男性の写真ばかり
結婚式:欧米系の式で男女による限定的なカップルの写真ばかり
COO:白人男性の写真ばかり偏った写真が出てくるのは、英語という言語に寄ってるせいもある
Nike は「ナイキ」のこと?「ニケ」のこと?
どういった情報をもとに学習してるのか知っておくことが必要
ChatGPTも使ってるデータセット:LAION - 5B「Nike」と入力すると、ギリシャ神話に出てくる勝利の女神「ニケ」が出てこず、シューズブランドの「ナイキ」が出てくる
このままでは、勝利の女神「ニケ」が我々の文化から消えてしまう可能性もある
つねに批判的に、どんなバイアスあるのか確認していくことが必要
トレンドやブランドに寄ってるんだよなと思って取りかかろう
テクノロジーラッシュの時代に迷わないためのアートスタイル
Searching the art style to not get lost in the age of Tech rush
自分のスタイルをAIによって模倣されるようになった
AIが作ったアニメーションで、そのプロセスが批判されたケースがある
AIに「アニメーション作って」とパッと指示はできないが、ベースとなる映像を撮り、そこに描画スタイルをAIで当てる手法なら可能。
描画が模倣されて、勝手に許可なく販売される危険性があります。このままでは、アートやつくる喜びも失われてしまいそう
まもなくガイドラインができることに期待しましょう
デザイナーとして今後強化すること
お客様の要望に盲目的に従うことはAIにはできるが、アートディレクションのスキルを持っていく必要がある。主導権を持とう。
自分独自の表現を生み出していこう
絵を描いたりとなにかしら表現していくことを毎日行ってください。それをオープンに発信していこう。趣味として行わず、計画的にやるのが大事です。
まりなさん自身はもともとダークなコラージュをするのが好きでそればかり作ってたけど、あるとき目の前にあるコーヒーを落書きして、目を描いて、ループアニメを作ってみたことがあった。それが今の自分のスタイルの始まりだった。
そうやって自分のスタイルに制限かけずに、自分のためだけに継続してやっていくと、思いがけない可能性に出会うこともあるよ。
(モデレーターとの会話すごくよかった)
Sam:継続的にアイデア出していくのが大事なんだね。
Marina:そう。実現しなかったアイデアを捨てる必要がないからね。たまたまそのとき縁がなかっただけ。また何かのきっかけで過去のアイデアが助けてくれることがある。
Sam:アイデアは一時停止するだけ。死ぬことはないっていうことだね。
AIとあなたは、戦うのか?タッグを組むのか?
AI + You: Boss Fight or Tag Team?
まず2つの成長曲線から話していきます
S字曲線
急速に加速し、最後に飽和状態が待っている状態です。飽和状態までいくと誰もが使っています。
50年前からそういう曲線が繰り返し起こっていて、企業が存続するために、台頭するテクノロジーがうまれているもの。
つまり何がいいのか悪いのか闘いが起こっています。
J字曲線(正しい名称わかんなかった)
急カーブで、止まることなく伸びていく成長曲線。
産業革命の曲線がこれに当てはまります。急速に伸びてきたテクノロジーに対して、人々は恐怖心を覚えます
ChatGPTにもこれが当てはまります
新しいテクノロジーに親和するのか?懐疑的になるのか?
懐疑的な気持ちになるのもよくわかる
でも、まずは試してみよう。
こういった初期段階だからこそ、探索しがいがあると思います。
親和していくためのコツは「守、破、離」
守:ルールを守ること。学ぶこと。
破:ルールを破ること。
離:独自のものをつくること。内省し自分で意味を見つけること。
ツールをプロのように学び、アーティストのように超えていくことができる。この概念をAIでも使っていけるはず。
デザイナーの仕事はどう変わる?
デザイナーの仕事を大きく分類すると3つ
1)Abstraction:論理的に推論したり、問題の特定をすること
2)Description:タイポグラフィやツールを使ったりすること
3)Introduction:解決策を考え、正確にリリースすること
ほとんどのデザイナーは1をやりたがる。
2と3はセオリーも多いし退屈だったりするので、ここが自動化できるとよい。これをAIに渡すのは理にかなっています。でもそればっかりだと、デザインのスキルが低くなってしまうというジレンマも抱えています
エキスパートのフィルターを持とう
AIから出てきた結果をフイルターをかけていく必要があります
1の仕事にもっと取り組みやすくするために、探究していきましょう
アクセシビリティの本当の意味とは?
What does accessibility really mean?
テクノロジーの進歩によって、母の生活が変わった話
Screen Readerのおかげで、母は欲しい情報を自分でとれるようになった
また、家電の多くは目で見て操作することが多くて操作が難しかったけれども、ボイスコマンドで助かった
今までは周りの家族に毎回頼まなければいけなかったり、操作を覚えるにも限界があるため、スタンダードなのしか操作できなかった
アクセシビリティのプロダクトで起きがちなこと
でも、こういう技術があります、こういうプロダクトができました、と伝えても反応は「どうせ私には使えないだろう」というのが多い。
そういう反応が返ってくるのはなぜか?
アクセシビリティが必要な範囲をちゃんと捉えられてる?
アクセシビリティが必要な人 = 障害を持ってる人、という印象があるが、家族や支援する周りの人も対象に含まれます
ツールを使い始めるのにWifiやBluetoothをつないだりと、使い始めるまでの壁があったりする
こういった障壁がどうせ使えないだろうとメンタルも削いでしまう。安心で使いやすい、というメンタルのアクセシビリティも重要です。
多様性を強化していくために
先の登壇でも「障害とは偏見を持つこと」とあったが、誰もが偏見をもっていると受け入れていこう
FBを個人的な攻撃と思わずに受け入れて、より多くの人たちが生きれる機会を用意していこう
アクセシビリティはプロセスの最後にチェックされることが多いが、そうするとやり直すことが難しかったりする。ちゃんとサイクルの中に組み込み、一歩ずつ少しずつ取り組んでいきましょう
そしてこの必要性を社内にも、社外にも啓蒙していこう
燃え尽き症候群からレジリエンスへ: 持続可能なクリエイティブ・プラクティスの構築
From Burnout to Resilience: Building a Sustainable Creative Practice
自身の燃え尽き症候群の話
寝付けなく、運動も友達と会うのもやめたときがあった。デザイナーというアイデンティティがあるのに、デザインしたくなかった
1年仕事を休み、クリエイティブを見直すことにした
休んでいる間はたくさん自然に触れることができた。そこから自分の人生を生態系のように見つめ直すことにした
幸せはどこからくるのか?
50%は遺伝で決まる。40%は自分の行動。10%は置かれている状況によって、幸せの感じ方が違う
つまり状況が悪いからって、全てが失われることはないということ
クリエイティブエコシステムの発見
クリエイティブは、インプットをおろそかにしてバランスがとれないと感じた。皮肉なことにデザインシンキングの考え方にヒントがあると思った。毒(やりたくなかったデザイン)の中に解毒剤があったのです
アウトプットしていくために、5つのインプットに気づいた
Connection:つながること
自分や周りの人と繋がること、じぶんのルーツと繋がること、自分の価値観からどこに行きたいかを考えること
たとえば、デザインをする前にたくさん質問するのと同じ
自分の強みがわからなくて苦しんでるときには、理想的な1日ってどんな1日?って自身に問いかけてみてね
Wonder:不思議に思うこと
友達のアドバイスをきくこと、好奇心をもって取り組むこと、素直に新鮮な空気を取り入れること
デザインのリサーチと同じ
カラーリサーチ(かわいいと思う写真を撮ってカラーコードを作る)した色の組み合わせを、デザインに活かすことができた
Pause:立ち止まってポーズをとること
1度立ち止まって自分に時間を与えること、自分で考えること、自分の直感を養うこと
これをしないと自分のうちなる声を見失いかねない
アイデア出しのプロセスやひらめきの瞬間と同じ
Movement:アウトプットすること
気持ちと体を動かしてアウトプットすること、結果を心配することなく動くこと
考え方、代替案、道を考えるプロセスと同じ
こういった動きがなければ、考え方が主観に偏ってしまい、自信過剰になる。成長する機会を見失ってしまうよね
Joy:楽しむこと
自分自身の活力を再び取り戻すこと、没頭する瞬間を持つこと
これを失うと始めたくない、トライしたくなくなってしまう
それぞれがエコシステムで、すべてつながっている。この5つのインプットでエネルギーを養っていこう
1日目の感想
1日目の午前中だけですでに満足しちゃうくらいには、濃いイベントだった。
個人的には「障害=偏見を持つこと」というのがとても響きました。今年1番の気づきだと思う。
こんな濃い内容をnoteにおさめるのに限界を感じましたが、諦めずにDAY2もアップしました!続きはこちらから
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