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映画『幻の光』

今月になって各種動画配信サブスクにて、是枝監督の過去作でまだ配信されていなかった作品が配信され始めたようです。

僕がおすすめなのは、「幻の光」。

僕の好みのポイントが、灯油の販売車が流す音楽。

ウチの近所で走っていた販売車が流していた音楽とはほんのちょっとだけ音がずれている部分があって、「あれって地域差があるんだ」と変なところに感心しましたが、ああいう、昔ながらの、下町っぽい、その土地ならではなものが出てくると、映画のために作られたものというより、そこで生きている人たちや、その土地の生活を切り取ったり、覗き見たりしている感覚を覚えて、その作品の中に入り込めるので大事な要素だなぁと。

あと、赤ちゃんがかわいい。
もう一度言ってもいいくらい、赤ちゃんがかわいい。
そして、その子が5歳くらいに成長した子役の子もまたいい。
この時点で既に是枝演出が発揮されているのか、子役が「演じている」感がない。
能登で新たに姉弟になった2人が外で遊ぶシーンなんて最高でしかない。

画として好きなのが、物語後半、海岸沿いを歩く葬列。

「映画だなぁ」と感じさせてくれる画は、見ているだけで眼福です。

そう、後半特に僕の好きな「引き画」が多用される。
ただ、是枝監督が、この作品をホウ・シャオシェン監督に観てもらった時に、『撮影に入る前に全部絵コンテを描いただろう』と見抜かれ、『なぜ、役者の芝居を見る前に、その芝居をどこから撮るのかを決められるんだ』と言われたエピソードもあるけど、後半に出てくる引き画もそのコンテに書かれていたのだろうか。
それがどうだったのかが気になります。

ちなみに、眠い時に観るのはご注意ください笑

僕は、「ワンダフルライフ」をもう一度見返して、次の映画のために、あるカットを勉強し直します。

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