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あなたの知らない経絡の世界~三焦経の巻・前編

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記事開いていただきありがとうございます。ゆーのすけです。

これまで、肺経、大腸経、胃経、脾経、心経、小腸経、膀胱経、腎経、心包経までの流注(経絡の流れ)をみてきました。

今回は、三焦経についてまとめていきます。

三焦ってなんだ?ってところは、今回文字数的に書きませんが、前回の心包経の記事、解剖学的には心包や三焦は「間質」なんじゃと紹介しました。

今回調べていたら、三焦は、臓側腹膜(腸間膜)という説が昔から提唱されていて、世界的医学雑誌Lancetでもそれを裏付けるような、腸間膜を臓器として扱うのがいいというような論もでてきているという興味深い文献あったので、紹介しておきます。

三焦に関する大友一夫学説の妥当性
寺澤捷年 著 · 2018 日東医誌


臨床的には、三焦経は肩の痛みや耳の症状にかなりよく使いますが、その症状の根源は、三焦の虚と共に腎の虚が隠れているのではと思います。

三焦経の異常の時には、元気を補うって視点もいれるといいと思います。

さて、今回の前編では、三焦経のメインの流注(正経)について解説します。

三焦経

正式には、「手の少陽三焦経」と呼ばれます。

三焦経の流注

まず、経絡経穴の教科書に書かれている流注をみていきましょう。

■手少陽三焦経
① 手の少陽三焦経は,手の厥陰心包経の脈気を受けて薬指内側端【関衝】に起こり, 手背、前腕後面,肘頭,上腕後面を上り、肩に上って胆経と交わり, 大鎖骨上窩【欠盆】に入り,胸中より広がり、心包を絡い, 横隔膜を貫いて三焦に属する。

② 胸中より分かれる支脈は,上って大鎖骨上窩【欠盆】に出て, 項部から耳の後部, 上部を経て側頭を過ぎ、目の下方に至る。

③ 耳の下で分かれた支脈は耳の後から中に入り前に出て、 外眼角に至り、足の少陽胆経につながる。

『新版 経絡経穴概論』

※わかりやすく番号と、【】で類経などを参考に経穴名を挿入し補足。

十四経発揮 経絡図はこちらです。

今回も原文に忠実に基づいた模式図作ったので、この流注図を見ながら記事読むとわかりやすいかと思います。(ただし諸説ありです)

ゆーのすけ作成


ポイント①三焦経は「薬指」からはじまる

三焦経の流れを詳しくみていきましょう。

まず①から。

① 手の少陽三焦経は,手の厥陰心包経の脈気を受けて薬指内側端【関衝】に起こり, 手背, 前腕後面,肘頭,上腕後面を上り、肩に上って胆経と交わり, 大鎖骨上窩に入り,胸中より広がり、心包を絡い, 横隔膜を貫いて三焦に属する。

心包経から三焦経へは、薬指の内側にある【関衝】で接続されます。

ここから三焦経ははじまります。

指先から第4指と第5指の間を通りながら上行します。

「液門」(いわゆる水かきの部分で、指伸筋の第4指の腱外側)や、

「中渚」(骨間筋、指伸筋の第 4・5 指腱間)、そして

手関節上の「陽池」(指伸筋健と小指伸筋の間)を通過します。

その後、前腕後面、肘頭、上腕後面を上り肩のツボ「肩髎(けんりょう)」へいきます。

「肩髎(けんりょう)」は、肩峰角と上腕骨大結節の間の陥凹部に取ります。

ポイント②肩甲棘上「秉風」、肩上部「肩井」も通る


「肩髎(けんりょう)」から肩甲骨の方へ向かい、小腸経のツボであり、肩甲棘上の「秉風(へいふう)」、胆経のツボであり、肩上部にある「肩井」と交わります。

三焦経は、肩痛にも有効なことが多いツボですが、どの経絡を治療すべき経絡なのか選経するときに、このあたりのツボの反応だけでは参考にならないことがわかります。

診断穴には使いずらいですが、逆に治療穴としては、複数の経絡に影響を与えられるので、効果高いと思います。

標治法として、局所に鍼をするときの参考になります。

ちなみに、肩上部の三焦経の流注は、通る順番やルートについて諸説ありで、文献によって異なりますので、そのあたり注意してください。

ポイント③「欠盆」を通り、上と下のルートに分かれる

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