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あなたの知らない経絡の世界~督脈の巻

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記事開いていただきありがとうございます。ゆーのすけです。

最近の私の連載ではこれまで、十二経絡の流注(経絡の流れ)ひととおりみてきました。

そして前回は、任脈についてまとめました。

今回は、督脈についてまとめていきます。


督脈流注図

十四経発揮 経絡図


ゆーのすけ作成

督脈の流注

まず、経絡経穴の教科書に書かれている流注をみていきましょう。

■督脈
督脈は,胞中(小骨盤腔)に起こり、会陰部に出て、後正中線上を尾骨先端から腰部、背部、後頸部と上り、外後頭隆起直下[風府]に至り脳に入る。さらに頭部正中を通り、頭頂部[百会]に上り、顔面部正中を経て、上歯齦、上唇小帯の接合部 [齦交] に終わる。陽脈の海と呼ぶ。

胞中 (小骨盤腔)からはじまり、後正中線を上行し、腰部、背部、後頸部と上り、脳に入るとともに、頭部正中を通り、頭頂部、顔面部正中を経て、上歯齦、上唇小帯の接合部に終わることがわかります。

では、原文ではどのような記載になっているでしょう

 督脉者.起於少腹.以下骨中央. 女子入繋廷孔.其孔.溺孔之端也. 其絡循陰器.合簒間.繞簒後.別繞臀.至少陰.與巨陽中絡者合.少陰上股内後廉.貫脊屬腎.
與太陽起於目内眥.上額交巓上.入絡腦還出別下項.循肩髆内.侠脊抵腰中.入循膂絡腎.
 其男子循莖.下至簒.與女子等.
 其少腹直上者.貫齊中央.上貫心入喉.上頤環脣.上繋兩目之下中央.

(訳)
督脉は少腹(下腹部)から始まり、尾骨の中央を通る。
女性では、それが廷孔(尿道口)に入って繋がる。この孔は尿道の端に位置している。その支脈は陰器を巡り、会陰に達し、臀部を繞り(回り)、少陰(腎経)に至り、巨陽(膀胱経)の支脈と合流する。少陰(腎経)は股の内側の後ろを通り、脊柱を貫いて腎に属す。
太陽経脈(膀胱経)は目の内眥(目頭)から始まり、額を上り、頭頂で交わり、脳に入り、再び出て項(首の後ろ)に下り、肩を通り、脊柱に沿って腰に達し、脊柱を通って腎とつながる。

男性において、経脈は陰茎に沿って、会陰に至り、女性と同様に経過する。少腹から真っ直ぐ上に向かう支脈は、臍の中央を通り、心を貫いて喉に入り、頤(あご)を上り、唇を環状に巡り、目の下の中央に結びつく。

素問『骨空論篇第六十』

ということになっていますが、原文の解釈はかなり難しいです(過去一かも)。上記の訳は参考程度としてください。。

今回は、細かく解釈しようとすると大変なことになるので、一番理解しやすいと思った解説を『古典から学ぶ経絡の流れ』という本から持ってきまして、それをご紹介することにします。

ポイント①督脈は、「胞中 (小骨盤腔)」からはじまり、腎経・腎と接続する

『古典から学ぶ経絡の流れ』の督脈の解説によると、督脈は4ルートに整理されます。

督脈の一番古い原文は、黄帝内経・素問『骨空論篇第六十』です。さらに、『難経』『鍼灸甲乙経』『銅人臉穴鍼灸図経』などにも説明がありそれらを総合すると、督脈は4ルートの行線からなる。と書かれています。

第1支:胞中から腎へのルート

まず1つ目のルートですが、以下の通りです。

第1支は、胞中から始まり、恥骨中央の下に出て、外生殖器に分布する。女性は陰戸(膣口)、男性は陰茎のところである。外陰部と肛門を繞り、さらに臀部を循行し、足少陰腎経と合併して腹部に入り、脊柱の腹側に沿って上行し、腎に分布する。

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