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自転車に乗ってさんぽしていたつもりが気付いたらにんじんと大根抜いてた

はじめまして、土からの収穫。

幼稚園の頃、毎年秋になると芋掘りに行っていた朧げな記憶がある。
土まみれになりながら、ごつごつした芋を掘って、大きいのが出てきたら嬉しくて、持ち帰っておいしく食べた喜びをなんとなく今でも覚えている。

大学生の頃、北海道の農園で短期の住み込みアルバイトをしていた時、たくさんおいでなするイモムシと闘いながら斧?を持ってキャベツを収穫した。

わたしが生きてきた中で土の中に育つ野菜を収穫したのは、きっとこの2種類くらい。

先日、町内の図書館に行くために自転車に乗っていた。
最寄り駅まで徒歩一時間、もはや最寄りという言葉の概念がわからなくなるようなびっくりするくらいの車社会では、自転車に乗っているだけで本当に目立つ。
初対面のおばあちゃんに、
「あんた昨日12時半ごろあそこの角で自転車乗ってたでしょ!」
と、はじめまして代わりに言われるレベルである。
(引っ越したての頃はそれが相当しんどかった・・・)

たまたま、たくさんの苗の箱を抱えたおばちゃんを見かけたので、
「それ、何の苗ですか?」
と話しかけてみた。

「キャベツだよ!これから植えるんだ」

キャベツって、こんな小さな花の苗みたいなものなんだ・・・!びっくり。
そんな思ったまんまの感想を言いながら会話していたら、
「あんた朝採れのピーマン持ってくか?あ、にんじん抜いてやろうか?」
「抜く!!!!!???」
「そこに生えてっから。」

なんと。これから収穫しておすそ分けくださるとは、鮮度120%である。

「せっかくなら、自分で抜いてもいいですか?」

ということで、人生ではじめてにんじんを抜いた。こんなに葉っぱが大きくて、こんなに香りが強いとは。びっくり。
この日は自転車のかごに、ピーマン15個とにんじん4本を入れて帰った。
お昼ごはんは、さっそくにんじんスティックにした。

数週間後。
また偶然同じお宅の前を通り、おばちゃんに遭遇。

「先日はありがとうございました」の挨拶をすると、「今日は大根抜いてくか?」と。
八百屋かよ。嬉しすぎる。

さっそく大根を抜く。
「途中で折れないように、くるくる回しながら抜いてね」と言われ、やってみる。なかなか奥が深そうだ。

少し力を入れると・・・
抜けた!そして、想像の1.5倍くらい長い!!!
感動した。大根ってこんなに大きくなるのか。

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今日の晩ごはんは鍋に決め、大根を切りながら一切れかじってみると、みずみずしくてとっても甘い。せっかくなので、先日いただいた柚子で味付けしてサラダにもすることにした。

あの日から、大根の葉っぱまで盛大に使いながら、絶賛大根続きの日々を送っております。
アレンジ料理と冷凍の技が積み重ねられていく日々も、なんだか人間味があっておもしろいものだ。


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Yu Ishisaka
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