【CTO of the Year記念リレー】ドメインの深い5プロダクト
こんにちは。アセンドのプロダクトエンジニア、柗村(@yu_mattzn)です。去年の8月に入社してから早いもので、もう少しで2年働いている事になります。入社した当時とはメンバーの数もお客さんの数もとても変化があり、スタートアップの時間の変化には驚くことばかりです。
先日行われた「Startup CTO of the year 2024」にて弊社の丹羽(@niwa_takeru)がオーディエンス賞を受賞しました。応援してくださった皆様ありがとうございました。リレー形式で始まったこのnote企画、今回は6弾目としてアセンドが扱っている5つのプロダクトについてを書きたいと思います。
前回は「プロダクトエンジニアを育む文化と特性」について、森部からご紹介しました。
第6回となる今回は、アセンドが作ってきたドメインの深い5プロダクトについてご紹介します。
アセンドが向き合っているドメイン
アセンドは「物流の真価を開き、あらゆる産業を支える」というミッションを持って生まれたスタートアップです。最終的には物流業界全てに対して課題を解きに行き、日本の社会を良くしたいと考えていますが、今は実際に荷物を運んでいる運送会社のデジタル化にフォーカスし、ロジックスという運送会社特化の業務を支援するSaaSを開発しています。
運送会社のお仕事はイメージが付くでしょうか?すごいざっくりと全体図を書くとこのようなイメージです。
これら全ての業務をシームレスにUX良く回し、運送会社のために必要なデータが貯まるように各プロダクトを開発しています。
運送会社のコア業務「運行」
運送会社のお仕事は、荷物を運んで欲しいと思っている会社からお仕事を受注し、運送会社のドライバーさんがトラックを運転し荷物を届けます。これを運行と呼び、最低でも一人営業所には運行管理者という資格を持った方がいないといけません。
お仕事の依頼によって、使える車両が異なっていたり、法律によってドライバーの運転時間が定められていたりと、多くの変数があるため、適切な時間にドライバーとトラックを配置するのはとても難しくなっています。
そんな課題を解決するために、配車表という運行の計画プロダクトを展開していて、ここでお仕事の依頼に対して、適切な車なのかを表示したり、
次に記載する労務データを用いて、ドライバーさんの勤務時間から法律に則って配車をしても問題ないのか、を見ながら予定を組むサポートをしています。
また、運行を指示した場合に、今まで紙で渡していた運行の情報を、ロジックスに入力したデータからそのままお伝えするモバイルアプリも開発しています。
ここは私が開発していて、ドライバーさんの横に同乗させてもらい、業務を観察しながら直接コミュニケーションを取り課題の探索を行ったりもしています。
運行は一体誰がしてるの?ドライバーの「労務」
私たちの労働は法律により時間の制限がありますよね。それに加えて、運送業のドライバーさんは、改善基準告示という車を運転するドライバー特有の制限をかけた法律が存在しています。例えばここでは二日平均での運転時間に制限がかけられていたりします。
そのためロジックスでは休憩や運転といった細かい単位を登録できるように作られています。
また、トラックにはデジタコと言われる運行中の業務を記録する機器が設置されており、各メーカーから販売されています。この各社デジタコのデータをロジックス上に取り込んで、労働時間に反映させるようなこともしています。
これらの運送会社特有の労務事情に対応するには、法律や現場の知識が不可欠で、どのように知識を習得して来たかはこちらのスライドに詳しく載っていますのでぜひご覧ください。
運行は何で行うの?トラックの「車両」
次にトラックです。運送業はどうしても運転時間が多くなるため、事故を起こさないために、点検・整備の義務が存在しています。日々の日常点検、3ヶ月の点検、12ヶ月の点検とトラックの健康状態を確認しています。
車両数ごとにこれらの点検を行う必要があるので、点検の予定管理が多くなります。そこでロジックスでは各車両の点検予定を確認し、実績として登録するような機能を作っています!
お仕事を依頼する荷主に対して送る「請求」
運送業者に荷物を運んで欲しいと依頼する方達を荷主と呼びます。トラックを運転して荷物を運ぶ時、多くのお金が発生していて、例えば高速代や燃料代を自社が負担するのか、請求するのかは各社それぞれ取り決めがあります。
また、これは運送業特有ではありませんが、インボイス制度の策定により、税の金額をしっかり請求書に明記する必要が出ました。運賃一つ取っても海外の荷物を運んでいる場合だと免税になるケースもあります。そのためお客様ごとに、この代金は請求に入れる、この運賃は海外の荷物で免税になるので免税として扱おう、などと設定ができる機能を開発しています。これにより、税込金額で入力した場合でも正しく税を割り出して請求書に明記するといった事に対応しています。
こちらの細かいコンフィギュレーションの話は、CTOのこちらの記事もぜひご覧ください!
本丸!運送会社の「経営」改善!
そして最後に経営改善です。今まで行ってきた各ドメイン領域の業務の記録を集計したダッシュボードをロジックスでは用意しています。
例えば、お仕事の依頼ごとの売り上げと粗利を見ることで、実は売上としてはとっても良いんだけど、費用がかかりすぎてるな・・・。などが分かるように!
これらのデータを元に、コンサルティング部門と連携し、運送業のお客様の経営改善に入らせてもらったりしています。
結びに
いかがでしたでしょうか。アセンドでは運送業の各業務に寄り添い、業務をシームレスに繋げ、経営改善まで一気通貫して運送会社の課題に向き合うプロダクトを開発しています。
少ない開発リソースで広い運送会社の課題を解決するには、ドメインの知識にどっぷりと浸かり、そこから仕様を検討し、しっかりと本当に必要で使われるものを開発するプロダクトエンジニアが必要でした。
「物流の真価を開き、あらゆる産業を支える。」というミッションのため、ドメインにディープダイブするメンバーを募集しています!
次回はあらゆる産業を支える運送業に、応えるプロダクトへをご紹介します。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。