🍀なんなる36【歴史学習の内容をわかりやすく伝えるための教材紹介】序章
もっと勉強したい子もゆっくりな子も同じ場所で共に学び暮らすことは実現可能だよ。
東京大学・インクルーシブ教育定例研究会「なぜ私の子どもは高校で『共に学ぶ場』が保障されないのか~日弁連に人権侵害救済の申し立てをするまで~」(2024年9月7日)をオンラインで拝聴した。
過酷な受験競争を経験してきた教育関係者にしたら、夢や志のために、最終学歴を見据えて偏差値を上げるためにひたすら努力する場所であったであろう、高等学校。
「高等学校は『義務教育』ではない(温情をかけられない)」
ということだろう。
「ゆっくり学ぶ子と一緒だと勉強が遅れちゃう」
という声に象徴されるように、夢や志のために、最終学歴を見据えて偏差値を上げるためにひたすら努力することが社会正義になっている。もっと勉強したい子もゆっくりな子も同じ場所で共に学び暮らすことを想像できない社会を作り出してしまっている今の学校教育制度を、大変歯痒く思う。
では、もっと勉強したい子もゆっくりな子も同じ場所で共に学び暮らすことは、どのように実現可能なのか。
そうだ、大内氏のイタリアボローニャ滞在記のレポート第9回にヒントがあった。
誰もが持っている、褒めどころ。
某学校で高校日本史Aや世界史を2年間だけ担当したことがある。
今の学校教育制度では、歴史のテスト対策として、年号や通史、用語を正確に覚える必要があるだろうが、難易度を高くしても難易度を下げたとしても、基本は同じ。
人の心が動いて、歴史が動く。
戦争に赴かなければならない葛藤。傷ついたり失ったりした哀しみ。幸せに生きたいという希求。
歴史は暗記するものではない。歴史に出てくる人物や出来事にその都度その都度心を震わす。それで十分だ。
1)知識欲の赴くままにどんどん吸収したい子は
そこから、もっと勉強したい子は自分の知識欲の赴くままにどんどん調べていってほしい。可能なら専門書や専門家を紹介できるといいな。そして「私よりも詳しいね♡」と褒めまくる。
2)教科書の内容をわかりやすくまとめたプリント
ノートにまとめることが苦手な子は、例えば教科書の内容をわかりやすくまとめ、その子が時間内に書き込めるようなプリントをノート代わりにしてもいい。「上手に書けたね♡」と褒めまくる。
3)数字が好きな子は
逆に気持ちを読み取ることが苦手だけど数字が好きで、年号暗記が得意だったら、「数字を覚えるのが得意って素敵すぎる♡」と褒めまくる。
4)写真のチカラ
文字が苦手なら、写真を貼るだけでもいい。「上手に写真を貼れたね♡」と褒めまくる。
5)触る教材(本物に触れる体験)
いろいろな事情で50分間授業を受けるのが大変な子もいる。
例えばね。たくさんの例があるんだけど。たまたま手元にあった教材を例にしただけだけど。例えば、本物の軍隊手帳をちょっと触ってみて、かつての日本にこういうものが存在していたことを間接的に知るだけでもいい。「実際に触ってみたね♡」と褒めまくる。
その子はその子のままで。変えるところなんてないよ。
うん。学校は一人ひとりの良さを見つけて褒める場所なんだよ。褒めるというのは甘やかすんじゃなくて、相手を敬うことなんだよ。褒め合って、お互いの尊厳を守る場所なんだよ。
その子にあった手立てを用意することは、みんなと一緒にいる中でその子の褒めどころをみつけるためでもあるんだよ。
「できない」に着目してみんなから切り離すためではないんだよ。それは相手の尊厳を踏みにじることなんだよ。
社会が変わることから。まずは20人前後の少人数学級&複数担任制へと通常学級を改革することから。
少しでも具現化できるよう、私にできることはなんだろう。そうだなあ、歴史学習の内容をわかりやすく伝えるために作った教材を、ぼちぼち投稿してみようかな。
微々たるものではあるが。
理想・理念だけ語って終わらせたくないから。
🍎ツヅク🍎
人はカラフルなのだ。
人の内面もまたカラフルなのだ。