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田山花袋『温泉めぐり』の湯♨を訪ねる~湯岐温泉

いわき湯本温泉の後は、『湯岐温泉』へ向かいました。

前回の『いわき湯本温泉』はこちらから

田山花袋(1871~1930)
群馬県の郷土かるた「上毛かるた」の1枚にこう詠われています。

『誇る文豪 田山花袋』
(ほこるぶんごう たやまかたい)
 A great Japanese writer, Tayama Katai ※英語版

『蒲団(ふとん)』
『田舎教師(いなかきょうし)』
教科書にも登場していたのでこれらの作品はご存じかと。

『温泉めぐり』 田山花袋著 岩波文庫

実はこんな作品もあるのです。
花袋は温泉好きだったそうです。
私はいつも旅行する際には必ず♨温泉に立ち寄ります。
田山花袋著『温泉めぐり』に出会い、花袋がめぐった♨温泉旅を少しなぞってみたいと思いはじめました。
約一世紀前の田山花袋の旅行を少し再現してみたくなりました。

そんなこんなで、第二回は

『♨湯岐温泉』

湯岐???読めないですよね。私も読めませんでした😅
「ゆじまた」と読みます。


「温泉めぐり」 七四(ななじゅうよん) 湯岐温泉 p.256
※ちなみに温泉めぐりは「一」から「一〇五(ひゃくご)」の構成です。

白河から棚倉町へは、今、軌道が出来た。
この路は常陸街道で、棚倉町から先は久慈川の渓谷に添って、大子町までを通って、常陸の太田町へと出ていく様になっているが、かなりに往昔(むかし)からあった路らしく、武将たちも度々此処を通って行った跡があった。

温泉めぐり  p.256 

※以下、引用は「温泉めぐり」より

田山花袋はこの章の文末にこう書いている。


久慈川の谷は、矢祭山あたりを序幕とすれば、大子町から袋田の滝のあたりが中幕で、西金から太田町までが大切(おおぎり)であろうが、到る処水鳴り谷応えて、一村一村を開き、一水は一水を孕むという形である。
この街道は是非一度は通って見なければならない。

温泉めぐり  p.258-259

この街道は是非一度は通って見なければならない。
では通ってみよう😊

国道を塙(はなわ)まで行って、それから低い山巒の間を三里ほど右に入ると、そこに湯岐(ゆじまた)という温泉がある。
温度が低いので、いくらか火力を加えなければ浴することが出来ないが、純とした田舎の温泉で、行って見ると、変った趣が尠なからずある。

温泉めぐり  p.258

『塙(はなわ)』 『湯岐』 『常陸街道』
・・・決まった。湯岐温泉へ行くことに!

※スマホでもPCでも地図をスクロール出来るので周辺を是非確認頂きたい。

いわき湯本温泉から車で約1時間15分くらい。
東白河郡 塙町の宿を予約した。
注)花袋の旅ルートとは異なる。いわき湯本温泉から塙町へと向かった。

いわき湯本からは、勿来(なこそ)を経由した。
「来る勿かれ」の勿来である。

勿来の関跡
海なし県在住のため、海へ!いわき勿来海水浴場
台風5号が近づいているため、遊泳禁止。
ま、泳ぐつもりはなかったが・・・ じゃぶじゃぶ池程度に遊んだ😁
カメラに向かってピースしてたら後ろから波に襲われた🤣
台風5号接近中である。

その後、ほとんど車もすれ違わない様な山道を通り宿へ向かった。
湯岐温泉 湯遊ランドはなわ へ

お宿全体を撮り忘れた。
ダリア園も手前にあったが台風接近中で閉鎖中

温度が低いので、いくらか火力を加えなければ浴することが出来ないが

温泉めぐり  p.258

と「温泉めぐり」に書かれている。加温が必要と。

温泉分析書で♨温泉情報を頭へ

泉温25.2℃
これだけで温泉法上、「温泉」と認定される(25℃以上がひとつの基準です)。
しかし入浴するには温度が低い。100年以上前から加温していたことを確認。
田山花袋は「加温」「循環」「加水」もすでに意識していたことが作品から読み取れる。まさに温泉マニアの先輩である😁😁 実に面白い😊

露天風呂
※湯遊ランドはなわサイトから借用
健回炉ーKENKAIRO-という遠赤外線低温サウナ
宿泊者は無料で利用できました。※サイト写真から

行って見ると、変った趣が尠なからずある。

温泉めぐり  p.258

100年前になかったが、確かに変わった趣きがあった。花袋の言う趣とはそうでないことは承知であるが。

酸素カプセル😁😁

一人用カプセルではなく6人くらいは入れる酸素ボックスがあった。
宿泊者は500円で利用できた(50分)
パリオリンピックを観ながら・・;

一度入ってみたかったがこんなに大きいのがお初でした。

夕食の前菜 他
なんか器が凄かった
綺麗な虹を見ながら料理を満喫
※白いのは月ではなく施設照明が写り込んでます。

チェックイン15時でしたが12時過ぎに入ってのんびりまったり過ごせました。
田山花袋がどんな温泉♨に入ったのかを想像しつつ・・・

久慈川の谷は、矢祭山あたりを序幕とすれば、大子町から袋田の滝のあたりが中幕で、西金から太田町までが大切(おおぎり)であろうが、到る処水鳴り谷応えて、一村一村を開き、一水は一水を孕むという形である。
この街道は是非一度は通って見なければならない。

温泉めぐり  p.258-259

花袋が中幕という袋田の滝あたり
翌日、立ち寄りました。運よく、雨にも降られず。

駐車場から滝入り口まで汗だくで向かう。
袋田の滝

通ってみなければならない街道沿いにあった道の駅奥久慈だいご
この二階に日帰り温泉♨があった。

道の駅奥久慈だいご
11時から入れます。

大子温泉♨も頂きました~

田山花袋の足取りを想像しつつ、いわき湯本温泉から始まり、
湯岐温泉、大子温泉と温泉三昧の3日間を過ごしました。
いい湯♨だな。

思いつきで始めた「温泉めぐり 田山花袋著」をめぐる旅
なかなか楽しいなと思ったので、次回もあるかもです。
それではまた~ 😍


以下、ご参考。
湯遊ランドはなわ 公式サイト

実は湯岐だったらここに泊まりたいと思っている山形屋旅館
日帰り入浴もあるのですが、男女時間制、混浴などの条件付きで、スケジュール的に立ち寄れませんでした。いつか行きたい~♨

道の駅 奥久慈だいご

『温泉めぐり』は中古市場で探すしかないのかと。
私も中古で入手しました。気になる方は中古か図書館などで・・
以下はあくまでも参考です。
少しでも興味をもったなら是非一読を!

田山花袋については私が長く続けている『上毛かるたぶらり』
『ほ』の札にて紹介させて頂いてます。

『上毛かるたぶらり旅』はマガジンにもまとめていますのでご参考。

『温泉めぐり』をめぐる旅もいずれマガジンにしようかと。

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