『コンサルが最初の3年間で学ぶコト』を読んで(1年目編)
考えるエンジン講座でお馴染みの、高松 智史さんの本。
ギャグセンが高くて好き。
Executive summary
著者が言う”何かを学ぶ”と言うことは、①まず暗記、②不自然に使ってみる、③違和感を発生させる、④質問する、とのこと。
Summaryは正直、目次がそのままになってしまうので割愛。
特に印象に残った部分を抜粋しております。
以下を暗記し、試していくといいと思います。
文句を言う前に、辻褄を合わせる思考を。
一番が、上司/顧客の言っていたことが昨日今日で変わったタイミング。「なんだよ、言ってること違えよ(ダリィ)」の前に、(言ってること変わったということは、役員や他社から何か言われて考えが変わったのかも)と考え、「昨日、誰かからインプットあったり、環境が変わりました?」と問いかける。
答えから質問に返ってこれるかチェックする。
これは、質問の論点に、ストレートに返事できているかを確かめる方法。
例えば、「サッカー好き?」に対して「観るのは好き」はズレている。
「観るのは好き」は「サッカー、観るのとプレーするのどっちが好き?」「サッカー見るの好き?」への回答にになるからだ。
この場合は、「うん好き。でも自分がプレーするより観る方が好き」が正解。もちろんプライベートでこれにこだわるとウザいだけだが、仕事では注意したい。
構造化に慣れたら、数字ではなくカテゴリーでまとめる
よくあるのが「3つあって。」
これを進化させる(より分かりやすくする)と、例えば「趣味はインドア/アウトドアで計3つあって。インドアは〜」とカテゴリでくくることになる。
こうした方が、単に3つ羅列されるよりも聞き手の頭に入りやすい。
アプトプットまでの手順は、『ロ→サ→T→ス→作→ア』
これがこの本で一番大事な部分だと思う。
TASKに飛び付かず、まず論点整理からしようというもの。
この手順を一つでも飛ばすと、無駄なプレゼン資料のオンパレードになったり、リサーチのつもりが気づけばネットサーフィンになっていたりする。
例えば、「ゴルフを上手くなるためには?」という論点を持っている場合を考えてみる。
1:ロ=論点
「ゴルフを上手くなるためには?」
2:サ=サブ論点に分解
こんな感じで分解する。
(A)今、ゴルフを上手くなるためにどのような取り組みをしていて、練習と本番でそれぞれどのようなパフォーマンスなのか?
(B)その上で、成長が鈍化している/もう一段成長を加速しきれない原因は?
(C)その原因を解消し、より成長するための打ち手は?
仕事であれば、このタイミングで「この辺に答えられれば良さそうですか」など上司に壁打ちしておくと良い。=論点スライド
3:T=TASK設計
TASKを”する”ではなく、TASKを”設計する”の意味。
10〜20個くらい、サブ論点(A)〜(B)それぞれについてやっていく。
またここでの取り組み内容に正解はないのだから、各サブ論点ごとに「こっちのTASKの方がこの論点潰せるかな?」と比較して考える。
・彼の1週間の練習内容、その他運動などについて付き人をして調べる。
・彼のウチッパ/ラウンドの成績と、可能であればフォームを撮影する。
・その上で、ゴルフが上手な人に見せてインタビューする。
(などなど)
ここで、TASK設計の筋が良さそうか上司に壁打ち。=ワークプラン
4:ス=スケジュール
普通に納期やマイルストーンの設計。
ここで、スケジュールに問題ないか壁打ち。=WBS
5:作=作業
ここまで来て、ようやく資料作成(後述するが正確にはまずWordから)したり、リサーチしたりする。
6:ア=アウトプット
できたものをベースに、上司と議論、ブラッシュアップ。
Wordでスライド構成まで考える
上記にも通ずるが、最大効率のため「考える」と「描く」は分ける!
考えるときは頭+ペン+紙程度で、無駄に資料を開いたりしない。
そのスライドで答えたい論点/問いを明確に言語化。
できればメッセージ案を文字に落とす。<考える/Wordで>どういう材料があれば、またスライドのボディにかければ、そのメッセージを言えそうか考える。<考える/Wordにメモ程度で書く>
TASK設計をする。インタビューをする、事例調査をする、分析をする…など。<考える/Wordに赤字で追記する>
ひたすら作業。上記で決めたTASKを無心で進める。
上記踏まえ、スライドで表現するメッセージを磨きつつ、それを支えるボディにどのような内容を載せるか考える。<考える/Word>
どういうスライドフォーマットにするかを考えた上で、「パワポにコピペしたらOK」なレベルまで文言を磨き込む。<考える/Word>
「どういうバランスで、どういう色味で書けば美しいか?」を論点にスライド作成。<描く/PowerPoint>
議事録、議事メモを書く
議事録は、平たくいうと発言を構造的にまとめたもの。
さらに、ネクストステップ(決まったこと×決まらなかったこと)の括りだし、その場の空気感(頭ごなしに否定か、悩んで否定かなど)の2点を加えることが重要。
議事メモは、議事録の進化系。”話しているテーマ”ではなく、”議論前に立てた論点”で構造化する。
例えば、さっきの「ゴルフを上手くなるためには?」に関するミーティングの場合は、こんな感じ。
ミーティング前の原因仮説メモ
今、ゴルフを上手くなるためにどのような取り組みをしていて、練習と本番でそれぞれどのようなパフォーマンスなのか?
(省略)
その上で、成長が鈍化している/もう一段成長を加速しきれない原因は?
身体が硬いことが原因では?
フォームがおかしいのではないか?
その原因を解消し、より成長するための打ち手は?
(省略)
ミーティング中/後の議事メモ
今、ゴルフを上手くなるためにどのような取り組みをしていて、練習と本番でそれぞれどのようなパフォーマンスなのか?
(省略)
その上で、成長が鈍化している/もう一段成長を加速しきれない原因は?
当初は”身体が硬いこと”が原因と思われたが、そこではない。
確かに肩甲骨周りの柔らかさは大事。ただそれぞれの特性に合わせた打ち方があるので、本質的な原因ではない。
素振りのフォームはまだマシだが、ボールを目の前にするとおかしい。
かっ飛ばす気持ちが強すぎて、力んでいる。
筋力があるのは悪くないが、調子が悪いとそれで誤魔化そうとしてしまっている。
その原因を解消し、より成長するための打ち手は?
(省略)
次回ミーティングで議論すべき論点
打ち手の方向性を踏まえ、具体的にどのような取り組みをすべきか?
「より成長を加速するために、もう一段やるべきをこと整理してあげたほうがいいですね」
レッスンに加え、復習用に教則、YouTubeなどをどう練習に組み込んでいくか?
「レッスンもこれ以上増やせないので、他の練習方法も考えた方がいいのでは?」
このように、
①構造化を論点ベースで
②仮説の進化に力点を置き
③ネクスト論点を記載
をしていくことで仕事がガンガン進むし、『ロ→サ→T→ス→作→ア』の『ロ』から次もスタートできるのでズレたことをしなくて済むようになる。
”たかが”構造化に執着しない
構造化ってのは整理しただけで価値を生み出すわけではないから、原因が何か考えるとかそっちに頭と時間を割こうよという内容。
あくまでわかりやすく伝えるため、程度に。
メリデメ(プロコン)<<評価基準と評価結果
「メリデメって何基準で評価したかわかんねぇよ」という趣旨。
例えば、ハワイor博多、どっちに旅行するのがいいか考えるときはこんな感じが良い。
・評価基準…①場の魅力度、②移動時間、③ご飯の旨さ
・ハワイ…①常夏で美しい海◎、②飛行機で10h✖︎、③微妙△
・博多…①室内プール✖︎、②飛行機で2h◎、③安うま◎
あとはどの基準を最重視しようかと話していく。
オープンクエスチョン<<クローズドクエスチョン
「何も考えてないの?」と言われないように。
クローズドクエスチョン=自分なりの答え+オープンクエスチョンできく。
・オープンQ…議事メモのポイントはなんですか?
・自分なりの答え…事前に論点を立てることかな
・クローズドQ…議事録のポイントを知りたいのですが、話をお聞きする限り、事前に論点を立てることですか?
まとめ
今回挙げた以外に、「仕事は+2度テンションを上げて」などマインド面もいくつか本書にありましたが、基本的に『論点ベースで仕事せよ』ということだと思います。
楽な作業に流されないためには、PC閉じて、もしくはWordだけ開いて(メールボックスは一番見ちゃダメ)じっくり考える時間を取るしかないかな。
朝はそれに時間を割けるような業務設計に、明日からしたいと思います。