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可愛い子ランキング

小学生時代、好きな男の子に恋愛対象として見てもらえなかった私。

そのことは、親友にも、誰にも言えませんでした。
今考えると大げさだと思いますが、本当にショックで。。。
小さいトラウマを抱えたまま卒業し、地元の中学校に進学しました。

当時、私が通っていた中学校はやや派手な子が多かったです。とくに上の学年には、ギャルというより完全にヤンキーな先輩もいて、やや荒れていました。

そのなかで私は決して派手ではなく、地味すぎるほどでもなく、本当に中間くらいの存在です。

その派手な子たちに目を付けられないよう、かつ地味すぎるグループにもいかないよう、「絶妙な普通さ」を保っていました。

先生にバレない程度に少しだけ化粧をしたり、放課後だけスカートを少しだけ短くしたり。もちろん、「モテたい!」気持ちは諦めていなかったので、少しでも可愛く見えるよう努力はしていました。

カーストって今もあるのでしょうか?
もしかして死語ですか?
当時、私が通っていた田舎の中学校では、男子はサッカー部がカーストの1番上の存在でした。あまり勉強ができなくても、スポーツができて、見た目がある程度良く、発言権がある人たちです。

一方女子は、部活はあまり関係なかったと思います。カースト上位の条件は、派手、明るい(自己主張が強い)、気が強い、顔はものすごく可愛くなくても大丈夫だが、平均以上。

私はもちろん、ギャル系でも顔が可愛い訳でもなかったので、カースト上位グループには入っていません。カースト上位同士の男女は、一部付き合っている人たちもいましたが、それはイケイケの上位グループのみの特権です。

また、「カースト上位男子×カースト上位以外女子」「カースト上位以外男子×カースト上位女子」カップルの組み合わせは見たことがありません。

田舎の中学校では、カーストは大きな壁なのです。
なんだか、カースト、連呼ですみません。

私は、羨ましいなぁと思いながらも、幼稚園からの幼馴染の男の子の1人がカースト上位グループにいたため、その男子グループとはたま~に話せる関係性でした。正直嬉しかったです。(今思うとそんなこと全然どうでもいいことだと思うんですけどね)

そんな中学2年生のある時、「クラスで誰が可愛いかランキングをつける」という遊びをカースト上位グループ男子数人がしていました。

中学生特有の悪ノリで、深い意味はなかったと思うのですが、授業中に聞こえてきたその話にもう釘付け。ちなみに、その話は私の席のすぐ近くでされていましたが、結構な声のボリュームだし、内容が内容なので、みんな聞き耳を立てています。

(今思うと、一生懸命授業をしてくれている先生に申し訳ないです。)

持前の記憶力の良さと、容姿への執着心が強い私は、今でもそのランキング結果をよく覚えています。

3位
・ボーイッシュ系美人のCちゃん
例のカースト上位グループ。性格も良く、スポーツ万能。ショートヘアの美人。納得です。Cちゃんは、高校生になると、持ち前の美貌を武器にインスタグラマーになって、フォロワー数万人の人気者になりました。今は、ママになったみたい。

2位
・明るいムードメーカーのYちゃん
同じくカースト上位グループ。美人タイプではないが、可愛い系で男性受けしそうな感じ。明るく社交的な性格で、男子ともよく話していたので納得。彼氏も何人かできていて、確かにモテていました。

1位
・色白おとなしいタイプのRちゃん
当時、私がクラスで2番目に仲が良かった友達で、毎日登下校も一緒にしていました。よって、カースト上位グループではありません。派手なタイプでも、よく男子と話すタイプでもありませんでした。

あれ?
Rちゃん?
そうなの?

ただ、1人の男子が名前を挙げると、みんな「わかる〜〜!」「俺も~」と共感の嵐。私は、自分はカースト上位じゃないからモテない(彼氏ができない)と思っていたけど、どうやら違うのかな…?なんだか急に不安になってきました。

というか、男子ってめっっちゃ顔見てるんだね。
確かにRちゃんは、色白で、美肌、鼻筋のすっと通った美人でした。

男子と話しているところも全然見たことがなかったけど、何もしていなくても、ただ普通に生活しているだけで、「可愛い」と言ってもらえるなんて。「ランキング1位」になれるなんて。

「モテる」にはさ、やっぱり顔の可愛さが1番大切なんだ。
もう確信しました。

大人しくても、話したことがなくても、「可愛い」「美人」な子は恋愛対象になり、異性から「話してみたい」と自然に思ってもらえる。

皆様のご想像通り、ランキングで私の名前が出ることは一度もありませんでした。というかそのランキングでは、1位~3位の特定のかわいい子の名前しか出ていなかったと思います。

一旦、授業中の会話は終わりました。
男子も、ここで会話を終わりにすれば良いのに、授業が終わるとふと誰かが、「じゃあ◯◯は?」「無理〜ないわ〜」みたいな会話をはじめました。そういうの、良くないですよね。一応さっきよりは小声で話していますが、全然聞こえています。

私は親友と、少し離れたカーテンのところにいましたが、全集中して会話を聞いていました。しばらくして、じゃあ「ゆうは?」という声が。しかもよりによって、私が当時気になっていた人の一人、サッカー部のA君がこたえるタイミングで。

もう、心臓バクバクです。
A君はしばらく「う〜ん」と言っていましたが、ちらっと一瞬こっちをみて(見たような気がした!)、「う〜ん、鼻の穴がちょっと〜」と答えました。はっきりと聞こえました。

鼻?いや、鼻の穴?

私は当時、肌荒れや一重は気にしていたのですが、鼻までもマイナスポイントになっていたとは、気がつきませんでした。完全に盲点でした。

それに、鼻って、大手術しないと変えられないですよね?一体、どうしたら…真面目な性格の私は、その日からインターネットでみつけた「鼻叩き」を半年くらい頑張りましたが、もちろん効果はなかったです。

■鼻叩き
人差し指や中指で鼻をトントンと叩くことで鼻を高くしたり小さくしたりする自力で行うプチ整形の一種

とにかく私は、カースト上位男子の「可愛い子ランキング」発表により、自分がモテてないことに加え、「鼻が不細工」ということに初めて気づいてしまいました。

14歳の思春期、私は今よりもっと繊細でした。治しようがない部分を指摘されて、落ち込むというより、お手上げ状態。

それからしばらくして、私は赤面症を発症してしまいました。このランキングだけが理由ではありませんが、きっかけの1つです。
悲しい… 

それから10年近く、赤面症は治りませんでした。

■赤面症
・他人と関わる場面で、過剰に緊張や不安を感じて顔が赤くなる症状
・対人恐怖症の一種で、社交不安障害という疾患の中に含まれる



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