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デザイン経営

今日、世界の有力企業では、デザインを活用した経営手法への関心が高まっている。その背景には、企業を取り巻く急激な環境変化がある。
第四次産業革命による新技術の発達と経済の成熟により、ビジネスが発達と経済の成熟により、ビジネスが顧客主導の時代になり、企業が生き残るためには、経営戦略の中心にデザインを取り入れた。(デザインは顧客体験の質を高めるため)

「デザイン経営」の定義

デザインを企業価値向上のための重要な経営資源として活⽤する経営である。
デザインを重要な経営資源として活⽤し、ブランド⼒とイノベーション⼒を向上させる経営の姿である。

必要条件
①経営チームにデザイン責任者がいること
②事業戦略構築の最上流からデザインが関与すること

「デザイン経営」の役割

デザイン経営の効果=ブランド向上+イノベーション力向上
         =企業競争⼒の向上

デザインは、企業が⼤切にしている価値、それを実現しようとする意志を
表現する営みである。顧客が企業と接点を持つあらゆる体験に、その価値や意志を徹底させ、それが⼀貫したメッセージとして伝わることで、他の企業では代替できないと顧客が思うブランド価値が⽣まれる。さらに、デザインは、イノベーションを実現する⼒になる。なぜか。デザインは、⼈々が気づかないニーズを掘り起こし、事業にしていく営みでもあるからだ。供給側の思い込みを排除し、対象に影響を与えないように観察する。そうして気づいた潜在的なニーズを、企業の価値と意志に照らし合わせる。誰のために何をしたいのかという原点に⽴ち返ることで、既存の事業に縛られずに、事業化を構想できる。

デザインの投資効果

欧⽶ではデザインへの投資を⾏う企業パフォーマンスについての研究が⾏われている。それらはデザインへの投資を⾏う企業が、⾼いパフォーマンスを発揮していることを⽰している。
例えば、British Design Councilは、デザインに投資すると、その4倍の利益を得られると発表した。また、Design Value Indexは、S&P500全体と⽐較して過去10年間で2.1倍成⻑したことを明らかにした。その他の調査を⾒ても、「デザイン経営」を⾏う会社は⾼い競争⼒を保っていることがわかる。これがデザインを取り巻く世界の常識となっている。

「デザイン経営」のための取り組み

①デザイン責任者(CDO,CCO,CXO等)の経営チームへの参画
 デザインを企業戦略の中核に関連付け、デザインについて経営メンバーと密なコミュケーションを取る。
②事業戦略・製品・サービス開発の最上流からデザインが参画
 デザイナーが最上流から計画に参加する。
③「デザイン経営」の推進組織の設置
 組織図の重要な位置にデザイン部⾨を位置付け、社内横断でデザインを実施する。
④デザイン⼿法による顧客の潜在ニーズの発⾒
 観察⼿法の導⼊により、顧客の潜在ニーズを発⾒する。
⑤アジャイル型開発プロセスの実施
 観察・仮説構築・試作・再仮説構築の反復により、質とスピードの両取りを⾏う。
⑥採⽤および⼈材の育成
 デザイン⼈材の採⽤を強化する。また、ビジネス⼈材やテクノロジー⼈材に対するデザイン⼿法の教育を⾏うことで、デザインマインドを向上さる。
⑦デザインの結果指標・プロセス指標の設計を⼯夫
 指標作成の難しいデザインについても、観察可能で⻑期的な企業価値を向上させるための指標策定を試みる。

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