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『呪われた町(上下)』読みました。
『呪われた町(上下)』
著者:スティーブン・キング
翻訳:永井淳
内容紹介
執筆活動のためにセイラムズ・ロットにやってきた作家のベン。
そこはかつて彼が幼い頃に4年間ほど住んだことのある町だった。
そこで偶然出会ったスーザンといい仲に。
映画の帰り、丘の上に建つマーステン館の話になる。
そこはかつて殺人があった館で、それ以来ずっと空き家となっていて、子供が肝試しに忍び込んだりするようなところであった。
ベンも子供の頃忍び込み、オソロしい目にあっていた。
ある夜、見上げたマーステン館に明かりが灯っていた。
誰かが住み始めた?
そして、少年が行方不明になり、町にはつぎつぎと不思議な出来事がおこりはじめる。
■■ネタバレしてますよそりゃ■■
思ったことが2つある。
まず思ったのが、
「これってニードフル・シングスの原型じゃね?」
だった。
後で調べてみると舞台となったセイラムズ・ロット自体がキャッスル・ロックの原型だったとかなんとか。
そして2つ目は、
「これって『小野不由美』の『屍鬼』の元ネタじゃん」
だった。
これは間違いないだろう。
謎の入植者が来て、町につぎつぎとおかしなことが起き出して、気がつくと謎の何かに町自体を乗っ取られようとしていた。
謎の何か、ってのはまあ、バンパイヤ(ドラキュラは個人名)なんですけどね。(ネタバレありって言ったんだからいいでしょ?言っても。)
でもって、そのバンパイヤどもが自由に歩けない、眠りについている昼の間に、杭を打って回って退治していこう、って話になるんだけど、それって『地球最後の男』が元ネタだろ。
キングが地球最後の男を観ていないはずはないしな。
パクリなんて言いたくないし、誰かの作品に感化されて新たに、自分なりの作品に仕上げることができればそれでヨシだって思うんですよ。
この小説、なにが恐ろしいって、まずこれを見て欲しい。
これは下巻の主要人物紹介ページだ。
主要人物だけで27人。
27人ですよ、主要人物だけで。
それが場面ごとに入れ替わり立ち替わりするんです。
なじみのない外国人ネームで入れ替わり。
憶えられますか?
正直「これ、だれだっけ?」状態が結構キツいです。
主要人物だけどで27人、それ以外を入れたら何人になるんだですよ。
当然主要じゃない人物だって出てくるでしょそりゃ。
「これ、だれだっけ?」ってなるでしょそりゃ。
主人公のベンですら、久しぶりに出てきたら「これ、だれだっけ?」ってなりましたよそりゃ。(『ベン』って書いてくれりゃいいのに『ミアーズ』とかって苗字の方で呼ばれたりするから混乱した)
キング作品ってこういうもんだ、って言えばそうだけどね。ニードフルシングスだってそうだったし。
でも、登場人物をきちんと把握できてるのって作者だけじゃないのか?
屍鬼も登場人物が多かったけど、あっちの方がまだ把握できてた、気がする。
自己分析すると、おそらく読み方が悪かったと思う。
これは、きっと、一気読みするべき作品だろう。
忘れる前に読み切れ、ってなもんです。
一部ダレてきて、ちょいと辛かった。
それでも後半の後半はベンの物語に集約されていくので、そこからは把握できます。安心してください。
そして恋人のスーザンはバンパイヤになって杭をぶっ刺されてコロされます。ププーン。