『選手が意識しなくても当たり前に障害を防げるようにしたい』株式会社クレアヴィータ代表、橋本賢太さん
■橋本賢太さんのプロフィール■
◆出身地:岸和田市
◆出身校:
関西医療大学大学院修了(保健医療)
関西医療大学(柔道整復)
関西鍼灸大学(鍼灸)
追手門学院大手前高等学校
◆経歴:
株式会社クレアヴィータ 代表
一般社団法人日本ウエルアップサポート協会 理事
一般社団法人 大阪府サッカー協会
西日本ろう者サッカー協会 理事
追手門学院高等学校女子サッカー部トレーナー
日本ろう者サッカー協会 デフフットサル日本代表トレーナー
記者:理学療法士や多くの健康事業をされていますが、医療に関心を持った背景を教えてください。
橋本賢太さん(以下橋本 敬称略):僕が高校の時にバレーボールをしていて怪我が多かったんです。腰痛、膝の痛み、シンスプリントという脛の怪我、疲労骨折、肩の怪我などをして整骨院によく行っていました。それと親が歯医者を開業していたり、祖母が産婆さんをやっていて、医療関係の家系だったのもあって鍼灸の大学に行きました。鍼灸に興味があったというよりは、スポーツ関係の仕事と資格を取る目的で入学しました。
大学で学んだのは、鍼灸と柔道整復とトレーナーです。鍼灸は、技術習得が難しく、ただ資格を取るというよりは、治療して治すというところが終着地点になります。一般的な東洋医学のツボを使って治療するというやり方は、腰痛の治療としてやっていましたが、あまり改善しないのもあり、西洋医学の考え方をメインで勉強しました。
またスポーツ選手を診ていて、治療だけでは治らないということに気づきました。逆に、トレーニングをした方が改善したという事例や論文もあったので、トレーナーの専攻科目を学び始めました。その中でトレーニングと鍼灸治療を合わせることで多く治療できることを知り、怪我から復帰までのサポートをしました。大学院に行った後に、骨折や脱臼の勉強をしたくて、大学の柔道整復に編入もしたりしました。
記者:すごい探求心ですね。なぜスポーツの分野を選んだのですか?
橋本:単純に、東洋医学よりスポーツの方が楽しいからです。
サッカーをやってなかったんですが、サッカーに関わることが多く、大学サッカーとかプロ、アマチュア、全てのカテゴリーを見て、自分がやりがいを感じた年齢層は、”小学生から大学生まで”でした。そのポイントは、プロではない発達途中にある選手との関わりを通して、彼らの怪我の予防に、僕の知識、技術を使えることがあるんじゃないかと思いました。どんどんやりがいを感じていきましたね。
記者:今は起業をされてらっしゃいますが、どんなきっかけがありましたか?
橋本:初めの頃は、整骨院をやっていて選手から感謝されて凄く良かったんですが、スポーツ業界全体に還元できてないなと思いました。あとは元々、35歳までに会社をやろうと決めていました。会社をやるために自分の知識と経験を拡げるために、一度は会社に入らないと分からないので、会社に入ったというのもあったんです。好きなことさせてもらえるという事でヘッドハンティングされて入りました。 そこで商談とか会社の流れを学びましたね。
後に工場にアポを取って、そこの社長さんと意気投合して、得た知識と技術を投入して形にしてもらいました。今の会社は立ち上げてから8ヶ月くらいです。
みんなに喜んでプレイしてもらえる環境を提供したい
記者:今後どのように展開していきたいということはありますか?
橋本:靴下、インソールというのを一般化していきたいです。
怪我をする前に使ってもらえるようにするのが中期的な目標です。
靴下って形状維持のデータがないんです。障害者スポーツや足の不安定な子のためになればいいなと思っています。ダウン症の子にもタビ型の靴下を履かせてデータ取ってみませんか?と提案しています。
町のスポーツクラブにダウン症の子どもが入りたいって言っても、入れてもらえないんです。間口が狭い。骨格や筋力を付けられるというデータが取れればポジティブに受け入れてもらえるようになるかなと思います。
またeスポーツを通して、スポーツをやったことがない障害をもつ子ども達でも、健常者とフラットに対戦できるものがあるので関係なく一緒にやることで、健常者が障害者のことを知るきっかけになったり、ボッチャとかフットサルとかいろんなスポーツに触れる機会になったらと思い、今年から規模を拡げようとしています。みんなに喜んでスポーツをしてもらえたらいいなと思っています。
記者:どういうところに楽しさを感じますか?
橋本:ニッチな業界、誰もやっていないことに楽しさを感じます。
あとは、人に喜んでもらえるかですね。
子供たちがずっとケガせずに当たり前にスポーツができること、夢を持って目指してる子たちには特に、自然にケガを防ぐことを当たり前にしていきたいです。”障害予防”というのが僕の生涯のテーマです。10年前くらいに、それを目標として始めました。
記者:最後にお伺いします。
どんな時代が美しい時代をつくりたいと思いますか?
橋本:障害者の子供達が共存できるような時代にならないとと思います。日本は分けていることが多いですね。”個性”が当たり前の社会になって、そのプラットホームが必要だと思います。そういうことを学べる環境作りと、障害者も隠すんじゃなくて、スポーツで触れ合って理解し合えるような場所が増えたらいいなと思います。
今の社会では、障害者が「入っていいのかな?」って躊躇する場所って意外と多いんです。フィットネスジムでも、習い事でも、障害者OKとは書いていなくて、常に健常者目線です。そういうのも見直さないといけない。車椅子の幅が入れない店とか、便利になっていますが壁がありますね。パラリンピックの選手も、東京はすごく不便だと思います。それが今まで排除してきた日本の歴史を表していると思います。でもSDGsとか言うなら、ちゃんと政策としてやらないといけないと思います。子供と障害の人達が住みやすい街になること。税金をそういうところに使うべきだと思います。ネット化していて人間の関係性が薄れているじゃないですか。軽い仕事だけ作って丸儲けとか、さっきも言ったニッチな、誰もやってないところって自分で拓いていかないといけないですし、人と直接、交流しないといけないですね。ネットで簡単に、とかじゃなく、人と人が関わりあっていけるプロジェクトが長く続いていくと思います。
記者:そうですね。共存していく社会が本当に大事ですね。人との関係性でどんな人でも住みやすい社会をつくっていきたいですね。お話いただきありがとうございました!
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橋本賢太さんの情報はコチラ↓↓
☆株式会社クレアヴィータ
http://www.creavita.co.jp/
☆一般社団法人 大阪府サッカー協会
https://osaka-fa.or.jp/
☆日本ろう者サッカー協会
http://jdfa.jp/
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≪編集後記≫
インタビューを担当した泊です。橋本さんのユニークな人柄と内に秘めている熱い思いがインタビューを通して伝わってきました。とても素晴らしいお話をありがとうございました。これからも益々のご活躍を祈念しております。
この記事は、インタビュー記事掲載サイト「リライズニュース」マガジンにも掲載されております。