治療家の健康法

治療院でずっと篭って治療ばかりしていると起こり得る『治療家という職業独自のリスク』がある。

治療家である私自身もそうであるが…
それ故に気をつけていることがある。

これはあくまで自分の見解であり、
絶対的に正しいものではないだろうが…

少なくとも施術家、治療家の皆様には当てはまる可能性はある。

またそれ以外にも、デスクワークの方や医療系、介護福祉系の方も参考にして、予防に役立ててほしい。

医療・介護福祉系の皆様の元気は、患者様の笑顔や安心につながるのだ。

●よくある7選

①腰痛
前屈みで施術するため
→背部痛、腰痛を起こしやすいし、

特に長く介護士をされている方の腰はガタガタだし、自分も腰痛持ちである

②腱鞘炎
強く揉むばかりしている
→腱鞘炎を起こす

③糖尿病→腎・肝・膵臓疾患

疲れやストレスで小腹が空いたりしてつまみ食いばかりする
→糖尿病→腎疾患、肝疾患、膵臓疾患

④極端な運動不足
狭い治療院で一日中いると、一日1000歩も歩かない
→筋力低下、柔軟性低下、肥満

⑤循環器系トラブル

立ちっぱなし、座りっぱなし
→不整脈、高血圧、血栓、心臓疾患、脳血管疾患

⑥呼吸器系機能低下

施術の際に腹斜筋群に力が入る→慢性的に呼吸機能低下→肺疾患

⑦ホルモン系が枯渇
元気バリバリ、アクティブな治療家が落ち入りやすい。

ハードワークをこなし、疲労状態の中、ポジティブに頑張り続けるため…いつの間にか内分泌系のバランスを崩し、甲状腺疾患や自律神経失調に陥っているケースは多々ある

●では…治療家がするべきセルフケアとは？

①毎日歩く
散歩やウォーキングは腰椎に適度な刺激をもたらし固まった腰・背筋群をほぐす作用もある。また景色を見ながら歩くことで脳疲労や精神的ストレスをリセットする効果もある

②できるだけ院内の換気をし
新鮮な空気を吸う

治療家や施術家や医療従事者は患者様の呼気や体臭を常に吸っている。換気をせずにいると室内の空気はたちまち淀むが…
それを吸い続ける＝体内に取り入れるということ。
徐々に治療家自身が体を蝕まれてしまう可能性がある。

できるだけこまめな換気をし、常に新鮮な空気を取り入れれば問題ない。

③ヨガ🧘‍♀️瞑想や呼吸法を行う
患者さんのためにどうにかして良くなってほしいと治療家は人間的に真面目な人が多いが…

それ故に身体が力み、呼吸が浅くなるし、
慢性的に緊張状態が続くと交感神経系が過緊張し、随時体の力が入りっぱなしで抜けなくなる。ヨガや瞑想、呼吸法などのリラックスは有効。

④筋力トレーニングまたは少し息切れするくらいの激しい運動を定期的に行う

少し激しい運動は免疫系を活発にする。

それほど筋力を使わない治療家は筋力低下や筋委縮を起こしやすいが…それが若いうちではなく、歳を重ねて徐々に出てくる。若くて元気なうちから少し激しい運動…筋力トレーニングやジョギングなどを定期的に行うべき。

⑤治療以外の趣味を持つ　
治療家は治療が大好きなゆえに没頭するが、そればかりになると逆に健康に悪影響するケースもある。植物やスポーツ、アウトドアなど、治療とはかけ離れたものを1つ持つ…と良いし、
それがまた治療活動にも活きる。

⑥身体に良いものから食べる
忙しかったりストレスが溜まるとジャンクなものを食べたり、飲酒が過ぎたり、ヘビースモーカーになったりするケースが多い。

それらを完全に否定はしないが、食事ぐらいは体に良いものから食べること。
どうしてもジャンクなものが欲しい場合は、その後に余った胃袋で少し食べる程度で落ち着けよう。

⑦パワーナップを取り入れる
特に多忙な治療家は昼休みにできるだけ15分程度仮眠をとる

⑧太り過ぎない
体重や血圧など数値で確認できるものは定期的にチェックしておくべき。
急に血圧が上がり始めたり、体重がいきなり増えたりするのは…何らかの身体の悪い変化の兆し

⑨ストレッチをこまめにする

背部痛や腰痛に悩まされてきた自分だが、
施術の間にこまめにストレッチをすることでそれがかなり解消された。こまめなストレッチの継続はかなり有効。

特に治療という仕事は、身体全体をダイナミックに使う動作があまりないため、年々体が萎縮し硬くなりがち。

しっかり全身をストレッチすると筋肉が刺激され血流が増加する。
こまめなストレッチの継続により、柔軟性を保つことは十分可能である 。

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いかがでしたでしょうか。これらは自分の体験談や、周りの同業者をこれまで見てきた自分の感想である。

本来、健康をサポートするべき立場である鍼灸マッサージ師や治療家こそ、元気いっぱいで患者様に対応できるのが理想的である。

調子が悪くて治してほしくて、伺った治療院の先生が、顔色が悪く『ゴホゴホ』咳をしていたらどうだろうか？
その患者様は癒されるだろうか？
元気よく帰れるだろうか？

患者様は、結局、治療院の先生の『健全さ・元気さ』に触れたいのだ。

治療家は日本を裏方から元気にする職業だ。