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For Myanmar People in a difficult situation

2月1日早朝、ミャンマーで、軍事クーデターが起こって以降、ミャンマーでは、連日、デモ活動が行われており、国軍と民衆との対立が続いています。

ミャンマーで、当社が教育している学生や、来日準備中の内定者たちも、デモで交通が遮断されて当社の現地のセンターに来ることができなかったり、通信が不安定で連絡が取れなかったり、と大変な状況ではあります。

今回の投稿は、実はミャンマーを救える最も可能性のある国が日本であり、そんな日本人の人達に理解してもらいたい、という思いです。ミャンマーの情勢に関心を持ってもらえたら嬉しいです。

ミャンマー国軍に対立する民衆の大半が支持するのが、N L D(国民民主連盟)、かの有名なアウンサンスーチーが党首の政党です。
昨年11月の選挙で、予想に反して、このNLDが圧勝したのが、今回のクーデターのきっかけです。国軍は選挙に不正があったと主張し、NLDは、その主張を退けて、国会を開催しようとしたため、国軍がクーデターを起こしました。

民衆側は、主にFacebookなどで、N L Dを支持するアイコンに変えたりするなどして、S N S上での抗議活動を拡散させようとしました。
これに対して国軍側は、断続的にネットやFacebookそのものを遮断する対抗措置をとって、拡散の防止をしようとしています。

さらに、多くの市民が仕事をボイコットすることで、病院や役所や銀行などの社会インフラが機能不全となっています。これは、C D M(Civil Disobedience Movement)という非服従活動と呼ばれています。
これに対しての国軍の措置は新たな法律を制定して、取り締まりを強化しようとしています。
ちなみに、今の国軍は、三権(司法、立法、行政)を掌握しています。

最初は国軍も民衆も、非暴力を意識していたものの、お互いの対立構造が高まる一方で、デモも大きくなっていき、結果的に国軍側としては、武力や権力で鎮圧するしかない、という状態に陥り始めています。

国軍とN L Dが自ら対話を行うことが難しい現状では、他国の仲裁が必要です。
しかし、欧米諸国は、国軍と真っ向からの対立関係なので、話し合いの土俵に乗らず、ASEANは、一定の動きをしていくと思いますが、内政不干渉で全会一致の方針の為、実効性に懸念が残ります。
歴史的にも国軍とN L Dの双方にパイプを持ち、実際に仲裁ができるのは、日本か中国しかありません。

ところが、中国はすでにミャンマーの民衆から、今回のクーデターの黒幕だという噂が拡散しており、中国が仲裁に入るのは国民が納得しません。

そうなると、残る選択肢は日本しかない、と思います。
日本は国軍からも民衆からも受け入れられる稀有な立場であり、また、ミャンマーへはO D Aを通じて、経済協力をして来た世界ナンバー1の国もあります。

ミャンマーでは、一刻も早い日本の仲裁を期待されています。
また、そのような国民感情が、日本で高まって政治家が動く動機を高められたらと思います。なので、私も色々な人へ訴えているわけです。
しかし、残念ながら、歴史的に日本は他国のために政治的に動いた経験がなく、
国際的には主に経済分野か人道的な観点での動きがほとんどでした。
今回こそは、と期待する面はありますが、政治的な動きは実際には難しいと思われます。

ミャンマーは、今回の惨事で、経済力が低下してしまいます。仕事のボイコットや不買運動、さらに多くの外資系の企業は撤退や縮小を決めており経済への影響が懸念されます。日系企業のトヨタやキリンなどが工場稼働停止や現地企業との提携解消などの動きを発表していますが、現地雇用は確実に減少しています。

ミャンマーは、近代に入ってからも、長年、経済発展の機会に恵まれず、いまだに一人当たりのG D Pでは日本の30分の一しかありません。
経済が停滞すると、一番影響を受けるのは、一般のミャンマー人です。

もともと、ミャンマーは、資源が豊かで、人口が多くて、国土も広く、アジアで随一の国になると注目されていました。
ところが、第2次大戦後も、イギリスからの独立や、少数民族との紛争解決などで軍事政権が結果的に強くなり、それが国際社会での孤立を招き、貿易ができなくて経済が低下してしまいました。
この間に日本は高度成長を遂げましたが、ミャンマーは、経済成長の機会に恵まれず、中国に助けを求めるしかなかったのです。

2011年から政権に就いたティンセイン将軍が、自らは軍人でありながら、民生化を進めて、ミャンマーを国際社会へ復帰させました。そして、2015年にアウンサンスーチー率いるN L Dに政権を移譲しました。このティンセイン将軍がミャンマーの経済成長の礎を築いたと言えます。
しかし、政権を引き継いだ念願の民主政権のアウンサンスーチーやN L Dは、政治や経済の経験があるわけではありません。彼女は民主化の象徴的存在としては偉大な人物ですが、元々、ミャンマーの政治や経済を率いて来た国軍からすると、歯痒い所があるかもしれません。

もちろん、国軍の考えや手法は決して認められませんが、国軍なりの論理もあるわけで、これらを汲み取って日本が間に入って、本来はN L Dとの和解に臨んで欲しいところですが、日本の政治は国際的に各方面の立場を鑑みなくてはならず、実際にリーダーシップを
とることは難しいと思われます。
なので、人道的な支援や経済的な観点、もしくは他国との協調でも、なんでも
良いので、ミャンマーの紛争解決へ向けた具体策が欲しいところです。

今、ミャンマーは大変な状況ではありますが、当社が教育している学生や、来日準備中の内定者たちも、皆全員、意思は変わらず、日本へ行く夢を持ち続けています。
実際に、日本側もミャンマー側も、在留資格許可やビザ発給を止める方針は出していませんので、これからも、情勢の合間に手続きを進めて来日することは可能なはずです。

この様な状況であっても、いや、だからこそ、ミャンマー人応援プロジェクトと題して、ミャンマー人が日本で就労する機会を増やしていきたい所存です。
日本が貢献できることは、政治的にも経済的にも非常に大きく、責任ある立場だと思います。

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