自分がヤマト運輸の委託を辞めた理由
昨年末まで自分はヤマト運輸の委託業者だった。そして今はAmazon Flex(通称アマフレ、Amazonと直接契約してAmazonの荷物を運ぶ)で稼働しているのだが、今のところヤマト運輸を辞めて良かったと思っている。
自分がヤマト運輸にいた頃は基本的に委託業者はAmazonやZOZO、メルカリ、ヤフオクなどECサイトの荷物を配達することになっており、7,8割はAmazonといった状況だった。
つまり、アマフレで稼働している現在とほとんど同じ作業をしていたのだが、正直言って疲労度やストレスは今と雲泥の差で、これは「荷物が多くてキツかった」とかでなく、ヤマト運輸の謎システムに原因があった。
基本的にAmazonの荷物はデフォルトで置配になっていて、9割くらいは置配に設定されているのが実情だ。だが、配達業者が〝ヤマト運輸になってしまう〟と、なぜかその置配設定が反映されず、全て対面配達になってしまうのだ。
つまり、配達業者がAmazonの場合はデフォルトが置配なのに、ヤマト運輸だとその逆でデフォルトが対面配達になる。もし、ヤマト運輸にも置配をして欲しければクロネコメンバーズに加入して、EAZYというサービスを利用しないといけない。だが、EAZYなんてどのくらいの人が知っているのだろうか。
少なくとも自分はヤマト運輸で働く前は知らなかったし、あくまで観測範囲内での憶測だが利用者は1割も満たないだろう。たまに利用者がいれば、希少種の生物を発見したような感動があるレベルで誰も利用していなかった。
自分の肌感覚だが、ほとんどの人はAmazonのサイト内で置配設定しているので、例え配達業者がヤマト運輸になっても置配をしてくれるものだと考えていると思う。また、Amazonで商品を購入した際に配達業者をチェックする人自体があまり多くないというか、そんなことを気にしてる人はほとんどいないのではないかと思う。
なので、インターホンを鳴らすと「置配にしているのでインターホンを鳴らさないで下さい」といった感じでイヤな顔をされたり、不在だった場合に不在票を投函して持ち戻ると、「なぜ、置配に設定しているのに、持ち戻るんだ!」といった具合で激怒されることもあった。
こちらとしては一応、丁重に説明するのだが、納得してくれる人もいれば、聞く耳を持たなかったり、「とりあえず、すぐに持って来い!!」とこちらの落ち度に乗じて、無茶振りしてくる人もいる。
お客さんは置配して欲しい。配達員的にも置配の方が楽なので置配したい。なのにヤマト運輸の謎システムのせいで置配できない。その結果、お客さんと配達員にストレスが発生してしまうし、無駄な再配達をしなければならない。
そんなことが積み重なり、自分はだんだん馬鹿らしくなって辞めた。
また、今まで現在のアマフレとヤマト運輸以外に佐川急便でも働いたことがあるが、その3社の中でダントツにヤマト運輸の端末(アプリ)が使いにくい。
現に委託は自身のスマホにアプリをインストールする形なのだが、appstoreではヤマト運輸(EAZY CREW)のアプリのレビュー欄が大荒れしていて、評価も5点中1.3点とかなり低い。ちなみにアマフレも同じようなシステムなのだが、こちらは5点中3.8点とまずまずの評価をされている。これだけ見ても、委託に関してはヤマト運輸の労働環境のヤバさがお分かり頂けるだろう。
1年半ほど、ヤマト運輸で働いたが、現場の人はすごく親切で良かったのに対し、経営陣は無能という感想を抱いた。実際に2022年3月期の決算では前年度よりも配達個数は増えているのにも関わらず、純利益が減少しているようだ。その煽りを受けて、大量の委託切りが行われたという情報も同業者から耳にする。
今から軽貨物を始めたい人がいるのなら、ヤマト運輸はあまりオススメできない。だが、もし正社員になりたい人がいて、ヤマト運輸と佐川急便を選べるのなら、自分は間違いなくヤマト運輸を選ぶだろう。(ちなみに委託でがっつり稼ぎたければ佐川急便がいい)それに関してはまた後日改めて書きたい。