『トップガン マーヴェリック』と『死刑にいたる病』から感じた対照的な親子愛

今日はファーストデイということで前々から気になっていた映画を立て続けに2本鑑賞。

まず初めに観たのが『トップガン マーヴェリック』で、この作品に関しては事前情報を全く入れず、もちろん前作も観ていない。主演のトム・クルーズに関しても体を張ったアクションが物凄いイケてるベテラン俳優くらいの認識しかなく、戦闘機とかの知識も全くの無知。そんなニワカ映画ファンな自分でもかなり楽しめた。

月並みの感想だが、戦闘機を用いた空中鬼ごっこのシーンはどれも楽しくて、特に後半の手汗握る展開に圧倒され続けた。

そして2本目は阿部サダヲの〝サイコパスみがヤバい〟という風の便りをどこかで耳にして以来、ずっと気になっていた『死刑にいたる病』。

サイコパスな阿部サダヲに加えて、メガホンを握るのがアウトロー系映画でお馴染みの白石和彌監督なので、こちらも特に事前情報を入れてなかったのだが、絶対にヤバい映画になっているという確信はあったし、それと同時にある程度のグロ描写も覚悟していた。

それでも映画が始まってすぐに映し出されるグロ描写は予想を上回るキツさで、間髪入れずの2本目ということで少し頭がボーッとしていたのだが、一気に目が覚めた。やはり被害者が被害者なだけに、心をザクザクとえぐられたし、直視することが出来ず、久しぶりにスクリーンを薄目で見るという対策をとってしまった。

『トップガン マーヴェリック』は「こういう展開になれば、胸が熱くなるなぁ」というこちらの想いを期待通りに応えてくれる映画だったのに対し、『死刑にいたる病』は「こういうことだったら最悪だな」という予想の斜め上を行く最悪すぎる事実が次々に明かされていく。

ある意味、感情の揺さぶられ方が対照的な作品なのだが、奇しくも2作品とも疑似的な親子の関係性を描いていたのが面白かった。

『トップガン マーヴェリック』では家族や仲間がいることの素晴らしさに感動し、スカっとする爽快感を得られた。それに対して、『死刑にいたる病』は家族や恋人だからこその生々しい恐怖感がどんどん膨れ上がり、終わった後はどんよりとしたモヤモヤ感が残る。

人間の強さや絆の素晴らしさに感動できるのが前者であれば、弱さや脆さ、しがらみによる呪縛みたいなものを痛感させられるのが後者だったように思う。

ただ、『トップガン マーヴェリック』での敵国側の兵士の表情や人間性などが徹底的に描かれない問題については、ある意味『死刑にいたる病』よりもサイコパスみを感じた部分ではあるし、そこをスルーできるかできないかで最後の感動的な展開も見え方が大きく変わるのかもしれない。

ちなみに自分は彼ら(敵国兵士)をアベンジャーズにおけるチタウリ的な存在として考えるようにしていた。近頃連日報道されている国際情勢的に人間vs人間だと思うのはさすがにキツかった。

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