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【持論】目標体重の設定

階級制・体重別の競技は別ですが、球技をはじめとした多くの競技アスリートにとって、自身の適正体重、目標体重の設定については、日々考えることの一つかと思います。
特に、シーズンオフで身体づくりを見直す時期や、これから数年かけて体重を増やし身体をつくっていくことが必須となるジュニア世代のアスリートは、共通の課題ではないでしょうか。
WT指導の現場において、目標体重・適正体重についてよく話題に上がり、相談を受けては一緒に考えることが多くあります。

急激な体重増は、栄養面での緻密なカロリー計算などしない限り、特に体脂肪が増えてしまうことにより、パフォーマンスを低下させるだけでなく怪我のリスクを高めると言われ、そういったことを防ぐ為に、1ヵ月あたりの体重増を○kg以内を上限にするべきなどの目安について、栄養士さんのアドバイスを参考にすることもあります。
また、体重が増えやすい選手なのか、増えにくい選手なのか、あるいはその選手のプレー面での特徴(持ち味)やポジション特性などを踏まえて設定を考えることもあり、一律にテンプレ化しにくく、ケース•バイ•ケースでのアドバイスが求められます。

さて、ではどのように目標体重を定めていけば良いのか、ここからは私が選手にアドバイスをする際の持論です。
エビデンスベースというよりも、経験則に近いと言っても良いかもしれません。
(もちろん、栄養士などの専門家に相談した内容や書籍・論文からの知識は踏まえています。)

まずは結論からです。


ターゲットとする試合・大会(期間)の
1ヵ月半〜2ヵ月前(6〜8週前)迄に目標体重に到達させ、その身体(体重)を維持して練習を積み重ね、試合に入っていくイメージを持つ。


目標というのは、期日とセットです。
では、その期日をいつに設定するのか。
それは、ターゲットとする試合の直前ではなく、身体を慣らし、本来のスピードやキレを取り戻す為の期間も含め、もう少し前に設定するべきだと考えています。
体重が増えれば、一時的に身体のキレやスピードは落ち、場合によっては身体操作における感覚のズレを感じることが出てくるかもしれません。それを6〜8週ぐらいの間でアジャストさせていくわけです。
*例:4月〜の試合に合わせる場合
   目標体重の期日→2月初旬〜中旬頃

一方、よく耳にする話として、合宿や強化練習期間に入ると体重は落ちてしまうので、その前に多めに増量し貯金を作っておこうと考える選手もいます。
多少の許容範囲はあるものの、基本的にはこの考え方には反対です。
理由は、前述の通り、怪我のリスクなどがあるからです。
むしろ、合宿や強化練習期間中は頑張って食べて体重維持に努めることで、体脂肪も落ち、体組成は改善されていくはずです。

このように考えていくと、ある程度のレベル(大学生以上?)に達した選手は、年間での体重増は数kg〜10kg以内程度の範囲に限られ、複数年単位で少しずつ体重を増やしていくことが理想であり、アドバイスする際も目先の目標設定に囚われず、その先も見据えた中長期的な視点を同時に提示するようにしています。

あくまで私の持論ですが、オフ期間の強化期間に入ったアスリートの参考になれば幸いです。

JPFストレングス工房
鬼頭 祐介

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