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病気のこと 兵法家伝書
僕はトイレにいくときについつい本をもっていく。適当に開いて読んでみたら,びっくり。
病気の事
かたんと一筋におもふも病也。兵法つかはむと一筋におもふも病也。習のたけを出さんと一筋におもふも病,かからんと一筋におもふも病也。またんとばかりおもふも病也。病をさらんと一筋におもひかたまりたるも病也。何事も心の一すぢにとどまりたるを病とする也。此様々の病,皆心にあるなれば,此等の病をさつて心を調ふる事也。
現代語に訳してみると次のように書くことができる。
病気の事
勝つことを一心に思うのは間違い。兵を使うにも法があるが,それを使おうと一心に思うのも間違い。習得しているおとをすべて出し切ろうと一心に思うのも間違いなら,先生にかかっていこうと一心に思うのもまた間違い。待ちばかりになるのも間違い。それらの間違いを取り除こうと一心に思い,固執するのも間違い。何事も心にとらわればあるのが間違い。これらさまざまの間違い,どんなひとにも心にあるから,これらの間違いをすてさってしまって心を調えよ。
昨日の稽古のこと。八段の先生と稽古している様子をいつもお世話になっている先生が横からみていらした。稽古後,その先生に挨拶に行くと,「肩にすごい力が入っていて,体が前傾している。あれではスムーズに体がでていかない」
今週の僕の課題は,打つ兆しが見えたら,思い切って打つというもの。今日はそれに加えて,打つ兆しがあったら,うちはじめのときにあるだろう面の位置に打ちこむというもの。「来る!」と思ったら,その場で面。ねらいは面がねよりも少し前。そういう気持ちでずっと稽古をしているものだから,それで,体が前傾していったのだろう。
課題にとらわれるあまり,他のチェックすべき事柄が忘れ去られている。先週は,構えについても細かく意識できていたのに,完全に忘れてしまっている。ひとつのことにとらわれると他のことができなくなるんですね!
課題をもって稽古するのはあたりまえですが,それ以外のこと,できていると思っていることについても,チェックしながら稽古したい。
先生,アドバイスしてくださって,ありがとうございます。その後,撮影していたビデオを見てみたら,先生のおっしゃるとおりでした。重心が右足にのってしまっている。あれでは,ぱっとは出れないかな。