問題文に問題を解くヒントが書いてある?令和5年度都立高等学校入学者選抜学力検査問題(分割後期募集・全日制第二次募集) 図形問題
問題
図 1 で,点Oは線分ABを直径とする円の中心 であり, 2 点C,Dは円Oの周上にある点である。
4 点A,B,C,Dは,図 1 のように,A,C, B,Dの順に並んでおり,互いに一致しない。 点Aと点C,点Aと点D,点Cと点Dをそれぞれ結び,線分ABと線分CDとの交点をEとする。 AD=CD,角BAD= 25°のとき,x で示した角BEDの大きさは, $${\fbox{ }}$$度である。
次の$${\fbox{ }}$$の中に当てはまる数字を答えよ。
解答
角DEBが何度か?例えば,角DEBの外角の角度が分かれば解くことができます。問題文は解くためのヒントを与えてくれます。「AD=CD,角BAD= 25°のとき」とあります。角BAD=25°,この情報はこの問題を解くために絶対に必要な情報です。あとどの情報が分かれば問題が解けるでしょうか。
そうです。角ADEです。角ADEがわかれば,三角形の外角の定理から,次の式を立てて,求めるべき角DEBの大きさを知ることができます。
ここで解答の説明を中断して,三角形の外角の定理を復習しておきましょう。
三角形の外角の定理
三角形の外角とは何か。図2の三角形ABCを例に説明しましょう。
角ACBの外角は,角ACDを指します。この角ACDと三角形ABCの間には以下のような関係があります。これを三角形の外角の定理といいます
解説の続き
さてどうすれば,角ADEを求めることができるでしょう。
やはり,問題文にヒントがあります。「AD=CD,角BAD= 25°のとき」とあります。AD=CD が問題を解くヒントのふたつめです。
AD=CDであるとき,三角形ADCは二等辺三角形です。円に内接している二等辺三角形です。これが問題を解く手がかりになります。このとき,中心点Oは三角形ADCの重心です。
頂点Dから中心点Oに線分を引くと,その線分は角ADCを二等分する線となります。角ODA = 角ODE となります。
$$
角度 ADE =角度 ODA + 角度ODE \cdots\cdots(2)
$$
ここで再び二等辺三角形ができていることに気づきます。三角形ADOです。頂点Oは円の中心点なのでOA=ODです。すると,角OADと角ODAは同じ大きさの角度になります。角OADは25°なので,角ODAも25°になります。
角ODA = 角ODEだったので,角ODAが25°であれば,角ODEも25°です。すると,角ADEは 25° + 25°で 50°であることがわかります。
ここまでで角ADEが50°であることがわかりました。角BADは問題文で25°と決まっていましたので,式1に代入すると,角DEBは75°となります。答えは75°です。
$$
角度 DEB =角度 BAD + 角度ADE \cdots\cdots(1)
$$
まとめ
このように問題文のなかにヒントが書かれていますので,まずは問題文をしっかり理解して,ヒントを利用して問題を解きましょう。