日誌「X-ファイルのリブート」 #760
仮に「好きなドラマは?」と聞かれたら『X-ファイル』と答える。1993年から始まったアメリカのドラマで、内容はUFO、UMA、オカルトなど超常現象によって引き起こされた事件をFBIの捜査官2人が調査するというもの。所謂バディもの的な刑事ドラマでもあって、主人公たちが所属しているX-ファイル課は案の定FBIの地下深くに追いやられている。この辺りは後に始まる日本の『相棒』や『SPEC』などに通じるかもしれない。現在までにシーズン11まで製作され、映画版も2本ある。そんな長い歴史のあるドラマがリブートされるというニュースが飛び出した。
序章
昔から“未確認〜”と名の付くものに興味がある自分。どこでこのドラマに辿りついたかは記憶にないが、印象的なテーマソングの影響もありいつの間にか全シリーズのDVDが揃っている。以前はPrime VideoやHuluで配信されていたが、2023年4月現在の日本ではディズニープラスでしか見れないようだ。仕方がないのでDVDを再生してみるが90年代から開始されたドラマだけに、初期の方は今のテレビサイズに対応していない。おそらく、4:3の比率であるため画面左右に黒帯が出てしまう。昔は気にしていなかったが、16:9の世界では少し違和感がある。
シリーズを通してのテーマがあり、ざっくり言うと【アメリカ政府が隠蔽している宇宙人との関係を暴く】と言った感じだ。個人的にそれはそれで良いのだが、シーズン後半になってくると引き延ばされ過ぎてどうでも良くなった(暴言)。それ以上に、単発の話は何度か見返しても面白い。単にオカルトというだけではなく、稀にハートフルだったりするのだ。何より主人公のモルダー捜査官とスカリー捜査官が存在してこそのドラマなのだが、現実世界における契約のいざこざか主要キャストが出てこないシーズンもある。そこは何ともアメリカンな感じだ。
リブート
これまで好きな作品がリブートされた経験はない(と思う)。同じくファンである『007』シリーズがそれに当たるかもしれないが、前提としてジェームズ・ボンドを演じる俳優自体は変わるものなので気にしていない。つまり、この『X-ファイル』が初めてのマイ・リブート体験になるかもしれない。内心は楽しみが3割、好きなものが失われるような気持ちが7割と言った感じだ。小学生の頃から『バック・トゥ・ザ・フューチャー4』が出来ないかなと願っていた。子供ながら親のデスクトップPCで海外の噂まとめサイトを覗いたものである。
31歳の今は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー3』で完結していることに納得している。勝手ながら、“もっと先が見たい”という状態で終わっているほうが想い出の中で綺麗に残る。仮に新作が出たとして、自分にとってオリジナルとは反する作品になってしまったらそれは簡単に砕け散るだろう。その点では「続編ではありませんよ!」というリブートの立ち位置はある種の無責任さがあって良いのかもしれない。ただ、そんなことはないだろうが「アイデアも浮かばないから昔流行ったX-ファイルでもリブートするか~」ぐらいだったらとても残念に思う。