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それにひきかえ…

▼広島駅南口の工事が本格的に始まり,工事現場の目隠しとして広島の歴史や酒造りの歴史の展示パネルが並ぶようになりました。

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▼中でも一番新しいのがこの酒造りに携わった人達についての展示です。

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▼かつて勘頼みだった酒造りに科学的な製法を導入し,高品質な日本酒を安定して製造できるようにした先人たちの功績を称えるとても興味深い展示で,つい足を止めて見入ってしまいます。そして,こうした展示の仕方にも広島という町の活力を感じずにはいられません。

▼私は岡山に住んでいて,毎週,仕事で広島に通っていますが,こうした展示を見たり,広島の町の活気を目にする度につい「それにひきかえ,我が岡山は…」と引き比べてしまうのです。

▼私は岡山出身ではありませんが,既に人生の半分を岡山で過ごしていますから,岡山県に対する愛着もそれなりにあると思っています。また,以前,倉敷で小さな塾を営んでいた時には倉敷駅前商店街や倉敷市の活性化にもささやかながら協力しました。その時に思ったのが,町おこしでよく言われる「余所者・若者・馬鹿者」ということでした。私ははこの3つ全てに当てはまっていたからこそ,地元の人が見落としていることに気づけて提言できたのではないかと思うのです。

▼岡山には,町おこしの「原石」と呼ぶべきとても良いものが沢山転がっているのに,それに気づけないことがあまりにも多い,と思うのです。たとえば酒造りにしてもそうです。実は,岡山は日本酒造りでは有名な雄町米の原産地であり,かつ,旭川,高梁川,吉井川という大きな河川のおかげで水にも恵まれ,美味しい日本酒を造る蔵元がたくさんあります。しかし,それはおそらく岡山の町おこしでは見落とされているはずです。

▼勿論,勝山市の辻酒造本店のように率先して町おこしを行っている蔵元もありますが,岡山・倉敷市内に関していえば蔵元が分散していることもあり,先程の広島の展示のようなかたちで前面に押し出されることはありません。

▼食にしてもそうです。広島といえばお好み焼きが真っ先に思い浮かびますが,では,岡山といえば…?

▼実は,岡山は焼肉店の数が非常に多く,かつ,どの店も安くて美味しいのです。以前,少し調べたことがあるのですが,岡山市の焼肉店は人口あたりでいえば大阪市に次ぐ多さでした。それなのになぜ「焼肉の町」として町おこしをしないのだろうとずっと思い続けてきました。

▼今はコロナウイルス禍で観光客も激減していますが,いずれ事態が落ち着けばまた国内外から観光客が訪れるようになるはずです。その時に向けて,今からでも少しずつ,町に眠っている「原石」を掘り起こし,磨いておくことが必要なのではないでしょうか。

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