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限界芸術論の源流

年末の読書。
水尾比呂志『日本民俗文化大系6 柳宗悦』講談社
竹中均さんの『柳宗悦・民藝・社会理論』の注で、柳宗悦と鶴見俊輔をつなぐものとしてのプラグマティズムについて重要な記述があって、そこで参照されていた水尾比呂志さん著作を読み始める。水尾さんは日本民藝館理事でもあって、柳の評伝を書いている。この本は柳の解説と原典が収録されていて、編集方針はとてもバランスが取れていていいのではないかと思います。それで、たまたま月報に鶴見俊輔の柳についてのエッセイが載っていたのを発見。短いものなので、これまでの著作集には未収録。鶴見さんの著作集は収録されていない論考がぼちぼちあるが、柳について少し読んでいてこれまで2本を発見した。

岩波文庫のルソー『社会契約論』(1954年)も鶴見さんが人文研に所属していた時に翻訳に参加しているけれど、表紙の翻訳者には名前が掲載されていない(訳者は代表者ということで桑原武夫と前川貞次郎の二名)のでこれもわかりにくい。このルソー研究が、限界芸術論ともかかわる「ルソーのコミュニケイション論」の元になっているのだけど。人文研の共同研究『ルソー研究』(1951年)まで遡る必要がある。

『はじめてのソロー』伊藤詔子、NHK出版
そして、鶴見の60年代の思想と行動について市民的不服従との関連から考えるためにソローも読み始めていたところ、NHKラジオでソローについてやるようだ。これもコンパクトにまとまっていていい本ではないでしょうか。

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