見出し画像

『写真展 能登 20240101』を見て

まもなく365日

石川県はこれまで2回ほど訪れている。最後は2022年11月で、自身の誕生日を金沢市内のホテルで独り過ごした(悲壮感なし)。私ことアラサー会社員的に何を食べても美味しい旅先と言えば北海道を連想するが、金沢を含む石川県というのもそれに近いと思っている。そんな素晴らしい地で元旦には大地震、9月には豪雨が襲いかかった。私が綴るまでもないが、特に能登半島における被害は甚大だ。とはいえ私にできることなどなく、ただニュースを見て石川県出身の友人の無事を祈るしかできなかった。その状況は現在も変わっていない。そんな折、松任谷由実さんと写真家の佐藤健寿さんの取り組みを知った。

《能登 20240101》

まだ見ぬ春

それが2024年12月25日までSusHi Tech Squareで行われていた写真展『能登 20240101 -316days later-』だ。松任谷由実さんによる復興支援の展示で、震災・災害後の能登の姿を佐藤健寿さんが撮影した。こうした事態の中、ショッキングな写真だけを撮りに行くなどのクリエイターに私は少し抵抗がある。少し加えれば、そこにどうか尊敬や想いがあってほしい。この展示ではそうした主催者側の感情を私は受けることができた。同時に如何に大きな被害だったが、またそれが現在も課題として残り続けているということを知る。テレビでもインターネットでも、ニュースは常に移ろいでいく。次第に人は忘れてしまう。

それだけ、世の中は色々なことが起きてもいるが「どうしてこんなことを?」と思う内容まで“報道”される現代。私もその中にいて、ニュースを見なくなったことでどこか解決したような気さえしていた。まだまだ足りないのだと思う。一方、能登の人たちが力強く立ち上がる写真も含まれている。あばれ祭りの写真からは、人々が発する温度や音が伝わるようだった。決して比較できることではないが、東日本大震災で大きな被害を受けた地域も復興が進んでいる。国内外を問わない支援と、何よりもそこに住む人たちの“気持ち”が大きかったのではないかと勝手に思う。アカシアは春に咲くらしい。必ず春は来るものだ。


私にできること

東京会場の展示は終了してしまったが、金沢と大阪で順次開催されるようだ。機会があればぜひ訪れていただきたい。僭越ながら、会場でメッセージの投稿をさせていただいた。冒頭の通り、私にできることは殆どない。それでも同じ国内に暮らしていて、それぞれの場所から能登のことを想っている。僅かばかりだが、ふるさと納税を通して能登大納言を使った和菓子も注文させていただいた(今から届くのが楽しみ)。最後に、石川県観光公式サイトで“今行ける能登”が公開されている。来年はこうした情報を元に能登を訪れてみたいと思う。日本において地震は避けて通れない。だから、私に出来る限りのことはしたい。

佐藤さんが撮影した1万枚を超える写真がコンタクトシートのように印刷されていた

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集