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新規事業計画書の書き方を考える
新規事業の創出は、企業にとって成長とイノベーションの源泉となります。新たな市場や顧客ニーズへの対応、技術の進化、競争優位の確立など、新規事業は企業の未来を切り開く重要な要素となります。
しかし、成功するためには、緻密な計画と戦略が不可欠です。そのために「新規事業計画書」が存在します。この計画書は、新規事業の目的やビジョンの明確化、市場調査と分析、戦略の策定と実行に関する計画をまとめたものです。
さらに、資金調達や投資家とのコミュニケーション、社内外のステークホルダーとの共有のための道具としても利用されます。
本記事では、新しい事業を始める際に必要な、新規事業計画書に組み入れるべき要素を紹介します。
新規事業計画書に必要な要素
新規事業計画書に組み入れるべき要素を、20の要素からなる5つのテーマに整理しました。各テーマについて詳細に説明します。
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各テーマごとにあるキャプチャは、イメージが伝わるよう作成したもので、フォーマットとしての利用は不適切(色々付け加える必要があります)です。そのため、自社の事業に合わせ作成してください。
1.事業コンセプト
① 背景
② サービスの目的
③ 事業ドメインとロードマップ
④ 事業の骨組み
①背景
外部・内部環境を踏まえ、新たな事業によって自社の事業ポートフォリオを拡大し、中期的な経営計画に貢献するポイントを明確にし、新規事業が必要である理由を示します。
環境分析は主に次の方法が用いられます。
・外部環境分析 :PEST、5フォース、3C、SWOT、KBF・KSF、市場動向
・内部環境分析 :組織(スキル、体制)、事業(VRIO、コアコンピタンス、バリューチェーン、事業ポートフォリオ分析
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②サービスの目的
中期経営計画などに紐づけて、新規事業の目的と目標を示します。
これにより、会社の発展に貢献するためのものであることを明確に伝えることが重要です。
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③事業ドメインとロードマップ
市場成長率✕相対的シェアなどの観点を利用して、事業ドメインと市場の関係性をマッピングし、新規事業の実現に向けた3年間のロードマップを提示いたします。ロードマップは、事業が具体的にどのように成長していくのかを明確に示します。
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④事業の骨組み
事業・サービス・商品の全体像と差別化ポイントをビジュアル化して示します。ポンチ絵、プロトタイプなどで実現したい事業やサービスの姿が伝わるものを表現しましょう。
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2.事業内容
⑤ サービス外観
⑥ サービスの位置づけ
⑦ サービス料金
⑤サービス外観
各サービスとメニュー、契約形態の概要を示します。ここでは各サービスとの関係性を構造化することでサービス間の関係性が伝わりやすくなるでしょう。
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⑥サービスの位置づけ
各サービスがユーザープロセス上のどこにタッチしているかをまとめます。ユーザープロセスとは、ターゲットとなる顧客の業務プロセスまたはサプライチェーン上において、サービスを利用する流れを整理したものです。
例えば、小売業においては、メーカー、本社、店舗、消費者の各登場者に基づいて分解を行います。そして、メーカーは、マーケットリサーチ、企画、生産、商談に分解し、ユーザープロセスを整理していきます。
サービスの位置付けを明確にすることで、サービス展開の優先順位や今後の拡張に関する説明が伝わりやすくなります。
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⑦サービス料金
提供サービス、提供形態、契約形態、価格の目安を示します。
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3.サービス提供
⑧ サービス拡大の流れ
⑨ 必要スキル
⑩ 育成スキル
⑪ 提供体制
⑫ 人員計画
⑧ サービス拡大の流れ
複数のサービスを段階的にリリースする場合は、サービスリリースのタイミングとラインナップを示します。
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⑨ 必要スキル
サービスを提供するために必要なスキルをカテゴリーごとに洗い出します。
サービスに紐づくスキルは、サービスごとに色分けしてまとめると分かりやすいです。スキルの洗い出しは、関係者へのヒアリングを行い整理しましょう。
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⑩ 育成スキル
必要なスキルの優先度を整理します。優先度はサービス設計者・提供者とのも会話を通して決定します。優先度が高いスキルで社内に存在しないスキルがある場合は、パートナー企業の協力なども検討しましょう。
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⑪ 提供体制
必要なスキルを元に、業務分けをして体制図を作成します。例えば、データ分析が必要であればデータサイエンティストなどのメンバーを加えるなど、スキルで体制を整理することが重要です。
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⑫ 人員計画
3年〜5年の期間で各チームの必要人数を整理します。人員計画は、収益計画(目標売上に対する工数)と連動させましょう。
※数値は、人数または工数を記載します。
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4.収益計画
⑬ 売上構造
⑭ 目標販売数
⑮ 必要工数
⑯ P/Lサマリー
⑬ 売上構造
各サービスのメニューごとに売上の見通しを立てます。これは、どのサービスが新規事業の売上に貢献するのかを示すためのものです。
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⑭ 目標販売数
3年〜5年の期間で各サービスの月次で売上・コスト・利益の見通しを立てます。「⑬売上構造」の内訳の位置づけです。
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⑮ 必要工数
サービス提供に必要な工数を整理します。アウトソーシングの場合でも工数を記載しておきましょう。これは内製化の判断時に利用するためです。
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⑯ P/Lサマリー
売上・原価・粗利・累積損益・粗利率、工数・原価人月・稼働率を年度ごとに算出しましょう。3年〜5年程度を対象とします。
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5.今後のアクション
⑰ コスト(立ち上げ時)
⑱ スケジュール(立ち上げ時)
⑲ プロモーション概要(立ち上げ後)
⑳ スケジュール(立ち上げ後)
⑰ コスト(立ち上げ時)
サービスを立ち上げる為に必要な概算を整理します。
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⑱ スケジュール(立ち上げ時)
サービスを立ち上げる際のスケジュールを整理します。このとき、社内や社外イベントとも紐づけて整理しましょう。社内や市場動向を踏まえたスケジュールであると社内の予算獲得や投資判断にもプラスに寄与します。
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⑲ プロモーション概要(立ち上げ後)
サービスリリース直後にどのような販売促進を行い初期顧客を掴むのかのプランを示します。サービスを立ち上げた後の売上をどのように獲得するかをしっかりと説明できるようにしましょう。
※リリースと同時に行うプロモーションです。
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⑳ スケジュール(立ち上げ後)
複数のサービスを段階的にリリースする場合は、サービス提供タイミング、各サービス提供に必要なタスクとマイルストーンを整理したスケジュールを作成します。継続的な投資が必要であることや、サービスのリリースタイミングと必要な対応を伝えることが重要です。
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以上、新規事業計画書に組み入れるべき要素を、20の要素からなる5つのテーマで説明いたしました。