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アドラー心理学の奇跡:放送大学への道のり
劣等感と補償の体験
アドラー心理学を学びながら、宅建試験に合格したことで、私は学習を続ける自信を持つようになりました。その当時、早稲田大学のエクステンションに通っていましたが、その単位は大学の正式なものではありません。心の片隅には「高卒」という後ろめたさが常にありました。そんな中、アドラー心理学を学ぶ過程で、私の劣等感に気づかされ、「大卒なんて関係ない」という自己欺瞞をやめようとししました。また、アドラー心理学の劣等感と補償を体験する良い機会だと捉えるようになりました。
自己欺瞞の克服と障壁
入学への道には学費と金銭的な課題がありました。放送大学の学費は他の大学に比べてかなり安く、それが私にとっての大きな魅力でした。しかし、卒業に必要な124単位を取得するには、約80万円程かかります。子ども2人を育てながら、自分の学費を捻出することは大変です。それでもこの機会を実現したいと強く願っていたのです。
勇気づけの言葉と思わぬ援助
そんな中、思いもよらないところから学費の見通しがついたのです。私が大学入学を目指していることを知っている友人からは「費用を負担しても行かせたい」という励ましの言葉がありました。この言葉にどんなに勇気づけられたか言い表せませんが、とても頼めません。そんな時に一通のはがきが届きました。その内容は定期預金の確認通知書です。母が子供の頃から私名義で積み立てた預金で結婚を機に積み立てを辞めてそのままになっていたものが長年取り扱いが無かったので、その確認通知だったのです。
仲間の存在と親心が新たな未来への一歩へ
金融機関に確認と継続の意思を伝えるために出向くと、そこではじめて積立金の総額がわかりました。約80万円ありました。私が積み立てていた訳ではないので、母に連絡をすると母も忘れていたようで、あなたのために積み立てていたから好きなように使ってよいとの返事をいただきました。奇跡のようなできごとですが、これが入学の決め手となりました。友人と親からの大切な思いと援助を胸に学習をスタートしました。これが放送大学への道のりです。