舞台 「奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話」 観劇レビュー 2024/08/23
公演タイトル:「奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話」
劇場:東京芸術劇場 シアターイースト
劇団・企画:イキウメ
原作:小泉八雲
脚本・演出:前川知大
出演:浜田信也、安井順平、盛隆二、森下創、大窪人衛、松岡依都美、生越千晴、平井珠生
公演期間:8/9〜9/1(東京)、9/5〜9/8(大阪)
上演時間:約2時間5分(途中休憩なし)
作品キーワード:怪談、ホラー、ミステリー、サスペンス
個人満足度:★★★★★★★☆☆☆
今年(2024年)の第31回読売演劇大賞では『人魂を届けに』(2023年6月)で最優秀作品賞を受賞した、劇作家の前川知大さんが作演出を務める劇団「イキウメ」の公演を観劇。
劇団「イキウメ」の演劇作品は、『関数ドミノ』(2022年6月)、『天の敵』(2022年9月)、『人魂を届けに』(2023年5月)と過去に3回観劇しており、「イキウメ」主催公演以外での前川さんの演劇作品は『無駄な抵抗』(2023年11月)を観劇している。
今作は、2009年に世田谷パブリックシアター主催公演で『奇ッ怪~小泉八雲から聞いた話』というタイトルで前川さんが初演した作品を劇団公演としてリメイクした作品となっている。
今作は、小泉八雲(ラフカディオ・ハーンとも呼ばれる)の書いた怪談話を、オムニバス形式で登場人物が語り部として演じたり聞き役になることによって、怪談シーンと現在を行き来しながら現在進行形で起こっているとある事件の真相を追う物語である。
小泉八雲とはアイルランド系ギリシャ生まれの小説家であり、明治時代に日本にやってきて日本の怪談話をまとめた人物のことである。
寺を改築した旅館に、警察官の田神(安井順平)と検視官の宮地(盛隆二)がやってくる。
その旅館には小説家の黒澤(浜田信也)がおり、田神と宮地はその黒澤にフィールドワークをしに旅館にやってきたのだった。
黒澤は怪談話が大好きで、田神と宮地がやってくるなり、小泉八雲の怪談である『常識』を語り始める。
昔、京都の近くの愛宕山に熱心に修行に励む僧侶がいた。
僧侶は古くなった屋敷を寺に改築してそこで修行に励んだ。
そんなお寺に一人の猟師がやってくる。
僧侶は猟師にこう言う、夜お経を唱え続けていると普賢菩薩が現れるのだと。
猟師は驚いてそのお寺に泊まることになり、僧侶と共に夜にお経を唱え続けるが...というもの。
物語の構成として、田神と宮地が黒澤のフィールドワークで旅館にやってきた後は、黒澤や田神、旅館の仲居たちが語る5つの小泉八雲の怪談話が繰り広げられながら、その怪談話に酷似した事件が現実世界で起こっていて、その真相を探るべく田神と宮地たちが黒澤という人物に事情徴収していく形を取る。
そのため、劇中で怪談話で語られる光景と現実の光景がシームレスに切り替わっていていって、それはあたかも怪談話が現実で起こっているのか起こっていないのか、どこまでの話が怪談でどこまでの話が現実に起きた話なのか分からなくなってくる。
「イキウメ」の前回公演である『人魂を届けに』でも演劇ならではの演出を用いて、現実世界と回想世界が折り重なって観客を混乱させていく上演形式だったが、今作でもそういった演出的アプローチが健在で、だからこそ怪談話も単なるフィクションではなく、何らかの事実に基づいた話だったのかもしれないと思わせる仕掛けを感じられて面白かった。
また怪談話がテーマということで、非常にホラーらしい演出も複数存在する。
例えば、若くして亡くなった女性の霊が旦那の後妻を殺そうと出てきたりする。
白い着物を着て長い髪を下ろしていかにもホラーで怖い演出が展開されるのだが、映画『呪怨』や『リング』のような映像作品とは違って、演劇には物理的な限界もある。
その限界を上手くコミカルに消化することで、120分間全てが怖い感じではなくクスリと笑える演出も取り込むことで観やすくしているように感じた。
それが非常に万人ウケも狙える観客に優しい演出にも感じられて素晴らしかった。
笑えるシーンがあるからと言って、決してホラー演出に興ざめする訳ではなく、こういうパターンの演出手法もありなんだなと新たな演劇の可能性を感じられて素敵だった。
劇団「イキウメ」に所属の俳優はもちろん、客演の俳優の方々の熱演も素晴らしいものだった。
黒澤役を演じた「イキウメ」の浜田信也さんの演技は安定して独特な雰囲気を醸し出していて良かった。
こういう怪談話の作品にも似合う俳優だし、ちょっとミステリアスな感じが現実世界で起こるミステリーをより引き立てていた。
旅館の仲居などを演じていた平井珠生さんも素晴らしかった。
挿入される怪談話の登場人物として何役も演じるのだが、その演じ分けが凄く良かった。
時には凄く男性想いで純粋で可愛らしい若き女性に見えることもあれば、現代的でちょっと悟っているような感じのイマドキの若い女性も演じられていて凄く見応えがあった。
旅館の女将を演じた松岡依都美さんも素晴らしくて、女将としての存在感ももちろんなのだが、なんと言っても怪談話で後妻を呪い殺してやろうとやってくるホラー演技が凄く惹き込まれた。
あのシーンから一気に物語に目が離せなくなった感覚だった。
「イキウメ」の作品は、いつもスピリチュアルなファンタジーを扱うことが多く時に難解な物語のこともあったりするが、今作はそんな「イキウメ」らしさも感じられながら、物語的にも分かりやすく取っ付きやすい方だと思う。
「イキウメ」の作品の中でも、今作は幅広い観客にオススメできる公演だと感じた。
夏にぴったりのちょっとホラーでミステリアスな演劇だった。
↓宣伝動画
【鑑賞動機】
「イキウメ」主宰の前川知大さん作演出の作品は、『関数ドミノ』(2022年6月)で衝撃を受けてから虜になった。そこから毎度公演がある度に観劇している。
今作も、今年はじめに読売演劇大賞最優秀作品賞を受賞したからこそ、尚更観劇したいと思いチケットを予約した。
【ストーリー・内容】(※ネタバレあり)
ストーリーに関しては、私が観劇で得た記憶なので、抜けや間違い等沢山あると思うがご容赦頂きたい。
ドラムの音に合わせてゾロゾロと役者たちが、下手側から一人ずつ袴部分に手を当てて足の裏を引き摺りながら歩いて登場する。
警察官の田神(安井順平)と検視官の宮地(盛隆二)が旅館を訪れる。彼らは小説家の黒澤(浜田信也)によって迎え入れられる。この旅館は、お寺だった建物を改築して旅館にしたもので随分と古いようである。田神と宮地はフィールドワークとしてこの地にやってきて、この付近で起きた事件について聞き込みをしていた。田神と宮地は黒澤に聞き込みをしたい様子である。
黒澤は田神と宮地を迎えると、自分は怪談話をするのが大好きであると言い怪談話を一つ語り始める。
その昔、京都の愛宕山に一人の僧侶(森下創)が修行のためにやってきて、古びた建物をお寺に改築して修行していた。そこへ一人の猟師(安井順平)が火縄銃を持ってお寺にやってくる。修行している僧侶は猟師にこう言う。毎晩お経を唱えていると、この寺に普賢菩薩が現れるのだと。猟師は普賢菩薩が毎晩のように現れることに疑問を抱きながら、この寺に泊まることになる。
夜、僧侶とその弟子(大窪人衛)がお経を唱えている中に猟師も混ぜてもらう。すると、外からドシンドシンと何者かの足音が聞こえる。僧侶はこれが普賢菩薩だと言う。猟師は驚いて普賢菩薩の方へ手に持っていた火縄銃を向けて発砲してしまう。僧侶は激怒する。普賢菩薩様に向かってなんという無礼を働くのだと。そのまま普賢菩薩と思しき者は寺を去っていなくなってしまった。
翌朝、猟師はその普賢菩薩とやらがどこからやってきたのか、血が滴っている後から辿ってみることにした。その滴った血を追うとその先には巨大な狐が倒れていた。猟師は思った。僧侶は何十年と修行を積んでいるからまだしも、弟子や私に普賢菩薩が見えるはずがないと。そしたら案の定普賢菩薩だと思っていた者は狐だったではないかと。あの僧侶は狐に化かされていたのだと。
そんな黒澤の語る怪談話を聞いて、田神と宮地は感心する。面白かったと。そしてその普賢菩薩の祠が、この旅館の奥の庭にあると言う。
怪談話が面白かったので、次は田神と言わんばかりに田神は自分から人から聞いた怪談を語り始める。
昔、ある侍(浜田信也)の屋敷に病の床に伏せた妻(松岡依都美)がいた。その妻は子供を産むことができず、侍は妻に対して申し訳ないと思っていた。そして、自分が死んだらどうぞ新しい嫁を迎えてと言う。侍は、そんなことするものか、一生妻のことを愛していると固く誓っている。本当にそれを約束するかと妻は尋ねると、侍はもちろんだと答える。
妻は自分が死ぬ間際に侍に二つお願いがあると言う。一つは自分の遺体を庭にある梅の木の下に埋めて欲しいと言うこと。そして、もう一つは遺体と共に鈴を入れて欲しいと言う。侍はその二つの約束を果たすと言う。妻はそのまま病気で亡くなっていった。侍は、妻の遺体を庭にある梅の木の下に埋め、鈴も一緒に埋めた。
しばらくは侍は一人屋敷に暮らしていて新しい妻を迎えようとはしなかったが、武家を絶やさないためにも後妻は必要だと他の人に言われ、侍は結局1年も経たないうちに若い後妻(平井珠生)を迎えることになった。しかし侍は、いつも梅の木が咲く頃に亡くなった前妻を思い出すのだった。
ある夜、侍は夜の勤務で家を留守にするから留守番を頼むと後妻に言う。後妻は夜一人で家で眠っていると、どこから鈴の音が鳴り響く。最初は何かの聞き間違いかと思っていたが、どんどん近づいてくる。そしてこんな声が聞こえてくる。「私は旦那の前妻で梅の木の下に眠っている。お前はとっとと離婚してこの家を立ち去れ」と。そして「離婚したいと申し出る時に、このことは一切秘密にしておけ」と言うのである。
翌る日、遅い時間まで後妻は眠っていて、侍が帰ってきたことによって目を覚ます。後妻は侍に突然離婚したいと申し出る。最初は侍は後妻が誰かにたぶらかされたのだろうと思っていたが、後妻は前妻の霊に言われた理由を話してはいけないということを破って、前妻の霊に言われたのだと言うことを侍に打ち明ける。この鈴の音を聞いたのは後妻だけではなく、他の者でも聞こえた人がいたということで真剣に対策を考えることにする。
再び侍が夜の勤務で不在になるので、後妻の周りには男たちに見張りをさせることにする。侍は夜の勤務に出かけ就寝の時間になる。男たちは後妻の隣の部屋で酒を飲みながら騒いでいる。
鈴の音が聞こえ始める。後妻も男たちも来たぞと思う。一回後妻の女中(生越千晴)がやってくる間は鈴の音は聞こえなかったが、女中が立ち去ると再び聞こえ始める。後妻が男たちを呼ぶが男たちから返事がない。前妻の霊はそのまま後妻に近づいて襲いかかる。後妻が悲鳴を上げる。
翌朝、侍は後妻の首が引きちぎられて死んでいたのを発見するという話だと田神は怪談話を終える。宮地は、その怪談話について前妻の霊が約束を裏切った元旦那を恨んで殺すのならまだ分かるが、どうして罪もない後妻を殺したのだろうかと言う。田神は、男性はそういう発想をするかもしれないが女性とはそういうものなのだ、後々自分が好きだった人を好きになる人に恨みを抱くものなのだと言う。
それに続き、田神はこうも言う。この話怪談話として捉えるならば、前妻の霊が呪い殺したと言えるが、事件と考えると見方が変わってくると。侍は果たして本当に夜勤をしていたのだろうか。後妻が死んでいるのを最初に発見したのも侍だし、彼が夜に後妻を殺した、そしてそれを前妻の霊のせいにして罪を逃れることも出来ると言う。
でも首が引きちぎられるというのは相当の力が必要だとも語られる。そんなことが人間の握力で出来るのだろうかと。しかし、何か怨念のようなものが人間に宿っていたら出来るのかもしれない。しかしその怨念が宿るということ自体に霊的な何かを感じる、たとえ霊ではなく人の手によって殺されたとしてもと。
田神は、この近辺でもそのような怪談話に似た事件があって、少女が一人殺されていると言う。
田神たちは、次の怪談話を語り始める。
男性(安井順平)は茶碗の中に一人の見知らぬ男性の顔が映っていて、お茶を飲めずにいた。同僚(森下創)に渡して、この茶碗の中をよく見るようにいうが、同僚には見知らぬ男性の顔は見えないようだった。そして同僚はそのお茶を一気に飲み干してしまう。男性は再度別の茶碗にお茶を注ぐが、やっぱり見知らぬ男性の顔が映っていた。それに男性は驚いて、誤ってお茶を同僚に引っ掛けてしまう。同僚はびっくりした様子でこちら側を見る、何してんだと。しかし男性は、茶碗に見知らぬ男性の顔が映っているなどと突拍子もないことは言えなかった。きっと信じてもらえず変人だと思われるから。男性はもう一度お茶を茶碗に入れ、再び見知らぬ男性の顔が映っているのを確認したが、そのまま苦しい顔をしながらお茶を飲み切る。同僚は不審な様子で男性を見る。同僚は、この人変だと思って立ち去ってしまう。
宮地は、ここからは私が男性役をやろうと田神と交代して怪談話を進める。
そこは遺体安置所で、関係者以外立ち入り禁止の場所だった。夜、男性は一人でその遺体安置所内の部屋にいると、外に一人の見知らぬ男(浜田信也)が立っていることに気がつく。男性はここは遺体安置所で関係者以外立ち入り禁止ですよと話しかけると、その見知らぬ男は昼間茶碗の中に映っていた男と同じ顔だった。男性は驚く。見知らぬ男は、よく私を飲み込んだなと襲いかかってくるが男性は傘を振りかざして逃れる。
男性は、見張り(大窪人衛)に誰か見知らぬ男が中に入ってきた形跡はないかと聞くが、そのような者は見かけていないと言う。男性はそうだよなと言う。
さらに男性の元に、一人の女性(生越千晴)がやってきて、よくぞ男を失明させたなと襲ってくる。
ここでこの怪談話は終わりなのだと宮地は言う。こんな中途半端で不条理で訳わからない怪談話もあるのだなと盛り上がる。
田神は、この怪談話に出てくる茶碗の中の見知らぬ顔というのが黒澤そっくりなのだと言う。そして田神は近辺で起きた事件の概要について説明する。遺体安置所にいた河野舞子という女性の遺体が行方不明になっており、現在も見つかっていないと言う。田神は、写真を取り出してこの女性が河野舞子なのだが見覚えがないだろうかと問い正す。黒澤は、この女性は見たことがあるが、遺体を持ち去るようなことはしていないと言う。
ここから、黒澤自身の過去の話になる。黒澤は学生時代の時から小説家を目指し、その時のガールフレンドに画家を志望しているしのぶ(平井珠生)という女性がいた。
しのぶは学生時代の黒澤(大窪人衛)が中学時代に書いた小説を面白そうに読んでいた。そしてしのぶは凄く若さが伝わってくる、表現がストレートと言う。しのぶは自分が描いた絵画を見せる。これは、自分を描いたものなのだけれど、服装や背景は全て想像で描いたのだという。この絵画を祖母に見せたら、祖母はこの絵画と全く同じ写真をかつて持っていたのだと言う。その写真は戦争で焼けて無くなってしまったけれど、しのぶは祖母の写真を見たことがないのに、全く同じ絵画を描いてしまう力を持っているのだという。他にも想像で友人がトルコ旅行に行っていた写真と全く同じ絵画を描いたりもしていると言う。
黒澤は、それは偶然が重なっただけではないかと信じてくれなかった。しのぶは、実はこの世で起きることは全て決まっていて、私は特殊な才能でその全ての事象が保存されている場所にアクセスできるのかもしれないと言う。しのぶはもう一枚、絵画を取り出す。この顔が黒く塗られているのがしのぶ自身であり、これは自分が死ぬことを表していると言う。ここに描いた服装も、全て今の私生活で揃っていて、揃っていないのは白いショールだけだと。だから、黒澤と付き合うのも運命だったのだと言う。もししのぶはこうして死んだら、15年後にはまたこの世で生まれ変わってあなたの元へ戻ってくるからと言う。
その後、しのぶは自殺した。しのぶの絵画に描かれていた白いショールはショールではなく首を吊るときに巻きつけた白いカーテンだった。
しばらく時間が経って先日、黒澤は旅館でしのぶにそっくりの女性を見かける。河野舞子(平井珠生)である。河野を見かけた黒澤は話しかける。しかし河野はきょとんとした顔をする。黒澤のことは見覚えないと言った素振りだった。黒澤は、河野が着ている服装もしのぶを想起させるもので色々と詳しく語る。しかし河野が今着ている服は偶然見つけて買ったもので、意味など知らなかった。河野舞子の姉(生越千晴)がやってくる。知り合い?と黒澤のことを聞くのでいきなり話しかけられたと言ってその場を去る。
黒澤が河野舞子と会ったのはそれっきりで、その後の河野舞子のことは知らないと言う。しかし、田神は姉の証言に意味深なものがあると言う。河野舞子はその旅行の帰途から突然様子がおかしくなって精神疾患になったと言う。それはまるで、河野舞子が黒澤と接触したことによって、ずっと河野舞子に取り憑いていたしのぶが蘇ったかのようだと。
田神と宮地は、黒澤に本当に河野舞子のその後を知らないのかと問い正すが、知らない、それから会っていないと答える。
そこへ旅館の女将(松岡依都美)がやってくる。そして、今度は私が怪談話を語りましょうと言う。この怪談話は『宿世の恋』と言って『牡丹灯籠』というタイトルで歌舞伎の題材にもなっているのだと言う。
江戸時代、根津に萩原新左衛門(浜田信也)という浪人がいた。新左衛門は鮫島という旗本の屋敷に立ち寄るとお露(平井珠生)という何とも美しい女性と出会い恋をし相思相愛になる。だが浪人と旗本の娘という身分の差によって結婚は世間的に許されないもの。しかし新左衛門はお露のことが忘れられずにいた。師匠(安井順平)に新左衛門はお露に会わせて欲しいと懇願するも却下される。
新左衛門はあるとき、お露は亡くなったと伝えられる。新左衛門は亡くなってしまったかとがっかり思って、夜の町を歩いているとなんとお露とその女中(生越千晴)に出会う。新左衛門はてっきりお露は死んだと伝えられていたのでびっくりする。お露も、新左衛門は亡くなったと伝えられていたのでびっくりする。そこから、お露は夜になるとこっそり新左衛門の屋敷にお邪魔して二人で一緒に添い寝するようになったのである。
師匠たちは、最近どうりで夜になると新左衛門の部屋が騒がしいから様子を見てくれと子分(大窪人衛)に依頼する。夜になって騒がしくしている新左衛門の部屋を覗いてみると、それは非常に驚くべき光景が広がっていた。子分曰く、新左衛門はお露とお露の女中の死体と共に戯れていたのである。
ある日、師匠は新左衛門を呼び出してこう言う。お露とその女中はもう死んでいると。もし私の言葉を疑うようなら〇〇という寺を訪ねてお露の墓はどこかと尋ねると良い、立派な墓が建てられているからと。そしてその横には女中の小さい墓もあるからと。新左衛門は墓のある寺に向かう。
新左衛門は、とある和尚(森下創)にお露の霊が取り憑いているからお祓いをしようと持ちかけられる。霊というのは何も悪さをするだけでなく、新左衛門のことが好きだという思いでずっとこの世に居座ろうとすることもあるのだと。1週間夜に一緒にお経を唱えればお露の霊も新左衛門を諦めて成仏してくれると言う。しかし、お経を唱えている時に絶対お露の呼び声に応えてはいけないと忠告する。
果たして、和尚によるお露のお祓いが始まる。和尚はずっとお経を唱えている。新左衛門も目を瞑って拝んでいる。するとお露と女中がやってくる。しかしお経によって新左衛門がいる扉が塞がれて入れない。お露は叫び続ける。女中はどうやら新左衛門は会いたくないと言っているようだと告げる。どうしてとお露はずっと叫んでいる。新左衛門はお露に答えることなく一晩が終わる。
それを6日間繰り返す。そしてようやっと今日が最後の日。今日を乗り切れば無事お露も成仏してくれると言う。よくぞここまで頑張ったと新左衛門を褒める和尚。最後のお経が始まる。そして再びお露と女中がやってくる。お露は新左衛門を呼び続ける。しかし新左衛門はそのお露の呼び声に耐えきれず応答してしまう。和尚は答えてはならないと厳しく注意する。しかし新左衛門は聞かなかった。こんなことになるくらいなら、自分がお露の元に行ってやると。そして自ら刀を取り出して新左衛門は自害してしまう。
暗転。
ジワジワと照明は明けていく。旅館だったはずのこの場所は柱も倒れて廃墟になっている。田神と宮地はどうやら幻覚を見させられていたようだった。黒澤はどこに行ったのか、一番怪しいのは祠の辺りだと祠の手前の地面にあった蓋を開ける。すると煙が立ち込めて酷い悪臭がする。そこには、ミイラ化した河野舞子の遺体と、死後10日ほど経過している黒澤の遺体があった。
これ、どうやって報告書作成します?と田神は宮地に聞く。まずは狐に化かされていた所からですかねと答える。ここで上演は終了する。
「イキウメ」らしいスピリチュアルなファンタジーの世界と現実世界が演劇でしか表現できないような世界観で交錯していく感じがとても好きだった。その上、怪談話を使ってホラーと現実を結びつける演出に、心そそられるものがあった。
小泉八雲の怪談から、普賢菩薩が登場する『常識』、前妻が後妻を殺してしまう『破られた約束』、茶碗の中に見知らぬ顔が映る『茶碗の中』、15年後に生まれ変わって会いに行くという『お貞の話』、新左衛門とお露の恋の『宿世の恋』の5つの怪談話を引用しながら物語は進んだが、百物語を聞いている感じで飽きさせずに見やすかった。まず選ばれたエピソードがどれも面白く感じられた。特に『破られた約束』はホラー作品として一番怖かったが、それが2番目に登場したことによって一気に物語に引き込まれた。そしてラストの『宿世の恋』で亡くなった好きな女性に呼ばれ続けるのは結構キツイなと思った。あれを我慢しなければならないのかと、もし自分が新左衛門だったら同じように答えてしまいそうだなと思った。
全て怪談だけれども、『茶碗の中』のようにちょっと面白いエピソードも怖かった『破られた約束』の後に入れられていて、凄くバランスも良かった。ホラーとコメディのバランスがちょうど良くて構成的にも上手いと感じた。
そして、ミステリーサスペンスとしても見応えがあった。怪談話を引用しながら、徐々に事件の真相に迫っていってちゃんと伏線が回収されて行く感じも良かった。脚本としての構成力も抜群だった。
【世界観・演出】(※ネタバレあり)
「イキウメ」らしさは感じられるのだけれど、今までの「イキウメ」とは一味違った和を感じさせるスピリチュアルファンタジーで非常に満足度が高い世界観・演出だった。
舞台装置、舞台照明、舞台音響、その他演出の順番で見ていく。
まずは舞台装置から。
ステージ上にはまるで能舞台のように正方形の形をしたステージが広がっている。ステージ奥下手側上手側両方にデハケがあって、そこは下手側から上手側へ真っ直ぐ迎える廊下のようになっている。その手前側には砂利が敷かれた庭が存在し、下手側には祠があり、上手側には梅の木が植えられている。当然祠は普賢菩薩の祠になっていて、梅の木は『破られた約束』で亡くなった前妻が埋められた梅の木である。祠の手前の地面には両開きの蓋があって、その下にミイラ化した河野舞子と黒澤の遺体があるという体になっている。
砂利の敷かれた庭の手前側は、広い正方形の床になっていて、和を感じさせる造りになっている。その床の隅には至る所に高い柱が立っている。ステージ手前の床面には、下手側に『茶碗の中』で使われる茶碗が沢山置かれた食卓と椅子が置かれるシーンがあったり、上手側には『破られた約束』で男たちが談笑するちゃぶ台などが置かれたりする。このステージ上は、何も小道具が置かれなかったり、途中で家具などが運び込まれたりしていた。
全体的に舞台装置は非常に和を感じさせる造りになっていて、観ているだけで心が癒されるというかそんな感じの清らかな空間が広がっていた。
次に舞台照明について。ホラー作品であるというのもあり、舞台照明が物凄く効果的な役割を果たしていた。
印象に残った照明演出を上げるとキリがないが、普賢菩薩が現れるシーンで猟師が発砲する所で客席側からガバッと猟師に向かって黄色く煌々と照明が当たったり、『破られた約束』で前妻の霊が出現する時に、ステージ後方を暗くして、前妻の霊にだけ白くスポットさせることで奥行きを生かして霊の存在に迫力を持たせたり、前妻が後妻を襲うところで前妻の霊にだけ白くスポットを当てて、首を引きちぎるシーンを効果的にシルエットで見せたり、ラストの『宿世の恋』で新左衛門がやっぱりお露の元に行きたいと自害を決意する時の後方からの眩く白い照明だったり。ホラーを感じさせるシーンで効果的な照明が使われていて演劇でホラーを上演する良さを感じた。
一番最後のシーンで、狐に化かされていて田神と宮地が現実に戻ったシーンのぼんやりとした照明も凄く良かった。ジワジワと明転していく感じも、夢から目覚める感じを想起させるし、非常にセンスが良かった。
あとは、絶妙に怪談話の最中に昼のシーンと夜のシーンで照明を変えていて、例えば『茶碗の中』で見知らぬ顔が茶碗に映る昼と、見知らぬ男が現れる夜で照明の当て方を変えて雰囲気を変えていて好きだった。
ステージ上には灯籠も複数置かれていて、そこから漏れる明かりも好きだった。
次に舞台音響について。舞台音響もホラー作品である今作において、極めて重要な役割を果たしていた。
まずは一番最初の役者が登場するシーンでのドラムの音。舞台空間全体が和の雰囲気なのに、そこにドラムの音ってどうなのかなと最初思ったが、これはこれで良いなと徐々に感じるようになっていった。静かに静かにゆっくりと役者たちが登場するので、その静粛さ荘厳さにドラムの音は合っていた。
そして『常識』で出現する普賢菩薩の足音も好きだった。ステージ全体が重低音でドシンドシンと響き渡る感じに普賢菩薩の存在の大きさを感じた。それを猟師が火縄銃で撃ってしまった時の銃声も凄まじかった。
『破られた約束』で登場する前妻の霊の存在感を強める音響も素晴らしかった。あの鈴の音が鳴り響く怖さ、エコーもかかっていて霊的なものを感じる。そしてホラー映画やホラードラマでありがちな、いかにも怖さを感じさせる音響も良かった。ラストの『宿世の恋』で新左衛門の元にやってくるお露の足音がかすかに聞こえる感じも印象に残った。
あとは生音も響いていた。お経を唱えるときの「チーン」という音、まるでお寺に来たような感覚であの音を聞かされると非常に心が清らかになる魔法の音だった。
最後にその他演出について。
冒頭で役者が登場するシーンで、役者たちが袴を押さえて足の裏を引き摺りながらゆっくり歩く登場の仕方が印象に残った。摺り足と呼ばれるこの歩き方は、能舞台でよく用いられる手法で、この演出からも今作が能をフォーマットにしていることが窺える。摺り足は観ていて難しそうだなと思いながら観ていた。まずこの摺り足をマスターして演じ切れる役者たちが素晴らしかった。
「イキウメ」特有の演出手法として、現実世界と虚構の世界(回想世界や怪談話の世界)をシームレスに行き来することで、今のシーンが果たしてどちらの世界で起こっていることなのか観客に混乱させることで新たな解釈を生み出す性質がある。今作ではそれを、怪談話と現実世界の2つを用いて上演していった。それを演出することによって、怪談話がただのフィクションではなく、現実世界で起こった何らかの事件や事故と結びつくんだという主張が読み取れるのと、ある種自分が今現実だと思って目撃していることも、実は虚構や嘘なのではないかと思わせ混乱させる側面もあるなと感じた。
また、ステージ上に存在する役者たちをどう捉えるかという余白も残されていて楽しかった。例えば、『破られた約束』で前妻の霊がいるが、その存在に誰が気づいているのかとステージをキョロキョロしながら考えたり、後妻がずっと前を観ながら怖がっていることで、その後方にいる前妻の霊の存在には気づいていないのかなと悟ったり、役者の位置関係や動作によってホラーを演劇で演出することで、演劇でしか出来ないホラーらしさを感じられて凄く好きだった。
また、後妻に前妻の霊が近づいているのに、男たちが徐々に反応しなくなって人形のようになって恐怖を煽る演出もとても好きだった。
ホラーシーンとコメディシーンをバランスよく挿入する演出も見事だった。そうしなくても観劇することは可能だと思うが、観客に優しい作りになっていたと思う。特に前妻の霊を演じた松岡依都美さんが、そのシーンを終えた後に髪が解けてしまったと、演劇だとどうしても物理的に回収できない部分を笑いに変えることで、観客の緊張感を緩和する作用もあって凄く上手い構成演出だなと思った。
あとは、序盤と終盤に登場した天井から降ってくる砂も良かった。
【キャスト・キャラクター】(※ネタバレあり)
「イキウメ」の劇団員で毎公演目立った演技をされている、安井順平さん、盛隆二さん、浜田信也さんももちろん素晴らしかったのだが、今作では他の「イキウメ」の劇団員や客演の俳優の演技が非常に光る公演だった。
特に印象に残った俳優について見ていく。
まずは、やはり黒澤役を演じた「イキウメ」の浜田信也さん。浜田さんは最近ではテレビドラマでも活躍中だが、やっぱり「イキウメ」で見られる浜田さんが一番好きだなと思う。
黒澤という見るからに怪しげな小説家の役は非常にハマり役だった。そして最後には死んでいたというオチも浜田さんが持つ独特のオーラにしっくり来る。
『無駄な抵抗』では正直浜田さんの役の立ち位置はよく分からなかったが、今作ではまず怪談話好きという設定でしっくりくるし、怪しげな人物として疑われて追い詰められていく感じもミステリアスな存在なのでしっくり来る。そして最終的には黒澤は死んでいて狐に化かされた存在だったというオチで、隅々まで浜田さんの個性にマッチしたキャラクターでハマり役だった。
次に、「イキウメ」の劇団員で僧侶や住職などの役をやっていた森下創さんが素晴らしかった。
森下さんはこういう住職といった経験値を地道に重ねている感じの役柄が似合うよなと感じた。『常識』に登場する普賢菩薩を見ることの出来る僧侶の役を見てそんな感じがした。凄く強かに修行を積んで徳を積んできた感じの印象を受ける演技が良かった。
お経を唱える感じとか好きだった。本当に住職さんのお経を聞いているかのような心地よさがあった。
あとは、『茶碗の中』でお茶をぶっかけられる同僚の役が面白かった。この役は森下さんの新たな一面を観られる配役だったように思えた。
そして、同じく「イキウメ」の劇団員の大窪人衛さんも今作は凄くハマり役が多く感じた。
怪談話のエピソードでは、何らかの子分など下っ端の役を良い味を出してこなしていた。声が高くてちょっと童顔で、そのキャラクターが生かされていた。
個人的に好きだったのは、黒澤としのぶのシーン。しのぶにずっと揶揄われて、それでしのぶがずっとアカシックレコードみたいなことを言っているのに、思考が現実的すぎて冷めたことしか言わない感じがとても良かった。しのぶと若き頃の黒澤のシーンだけ凄く作品全体として良い意味で浮いていて、そこに見応えがあった。
今作で個人的に一番演技が良かったなと感じられたのは、平井珠生さん。平井さんの演技を拝見するのは今作が初めて。
まず、『破られた約束』で後妻を演じるのがとても引き込まれる魅力があった。鈴の音が鳴ってそれに恐怖したりする感じがとても良くて、その恐怖に感情移入した。
そしてラストの『宿世の恋』でお露役を演じた時の平井さんも良かった。あれだけ何度も呼ばれたら新左衛門も振り向きたくなってしまうと思う。あの胸に訴える感じの呼び声が凄く魅力を感じられて良かった。
そして個人的に印象に残ったのは、しのぶ役をやっている時の平井さん。非常に現代的な若い女性の役が見事な再現度で完成されている。ちょっと悟った感じがあって、どこか悩みを抱えていそうな精神不安定な部分も垣間見られて、令和の若い女性を見た。そしてお露や後妻とは対照的な女性を完璧に演じるから尚更ギャップが良かった。
平井さんは、来年(2025年)2月のタカハ劇団の新作公演にも出演されるようで楽しみにしていたい。
あとは、女将役を演じた松岡依都美さんも素晴らしかった。松岡さんは、『夏の砂の上』(2022年11月)、こまつ座『きらめく星座』(2023年4月)で演技を拝見している。
女将としての貫禄ある演技もハマり役で素敵だったが、何と言っても『破られた約束』で前妻の霊を演じる姿のインパクトが強かった。まさにホラーを観ている感覚でリアルに怖かった。
霊を演じる時の歩き方も重要だよなと感じた。静かに静かに足をあまり使わずに移動しているように見せるのが難しそうだと思った。
【舞台の考察】(※ネタバレあり)
ここでは、今作の演出手法として取り入れられている能舞台のフォーマットと、小泉八雲の怪談話について考察していこうと思う。
私も観劇しながら思ったが、改めて今作は能のフォーマットに沿って演出や脚本が構成されているなと感じた。
能というのは、舞台上のステージの構成が、鏡の間と本舞台があって、そこに橋掛りという通路がかけられている。登場人物たちは鏡の間から本舞台へ橋掛りを通って登場するのだが、今作でも鏡の間は存在しないものの(おそらく楽屋?)橋掛りなるものを通って下手側から本舞台へ移動して登場していることは共通している。
能舞台には、下手側手前、奥、上手側手前、奥の四隅に柱が立っているのだが、今作でも旅館の柱という体で四隅に柱があった。一番ラストのシーンでは、田神と宮地が狐に化かされていたということで、この柱は倒壊するのだが、それまではまるで私たちが観ていた演劇そのものが能の世界を観ていたという感覚だと捉えることができる。
ストーリーの構成も能舞台に依拠している。
能舞台には、シテ、ワキ、ツレという立場の登場人物が存在する。シテは能舞台において主役であり、人間であることもあれば鬼、亡霊、精霊といった霊的な存在であることが多く、この世に存在しないモノであることが多いのである。今作でいく所のシテに当たる立場は黒澤である。そのため、今作が能のフォーマットに基づいていると気がつけば、黒澤はすでに死んだ存在なのではないかと途中で気がつけるのである。
能にはワキとツレという立場の登場人物もいる。ワキとはシテの相手役でシテという霊的な存在を引き出す重要な役割を果たす。ワキは、僧侶,神職,朝臣,武士など様々だが必ず男性であるとされている。今作でワキに当たるのは田神である。田神がこの旅館に化けていた廃墟に訪れることによって黒澤というシテを引き出していたのである。ツレは、ワキの補佐役で基本的にワキと一緒にいる立場なので、今作では宮地であると考えられる。
基本的に能舞台では、シテが舞台上の下手側、ワキ、ツレが舞台上の上手側に立っていることが多く、今作でも基本的な立ち位置はシテである黒澤が下手側にいて、ワキである田神とツレである宮地は基本的に上手側にいたこととも一致する。
ここからは小泉八雲の怪談話について見ていく。
小泉八雲はラフカディオ・ハーンという名前で元々はアイルランド系ギリシャ人である。明治時代に日本にやってきて日本の各地に伝わる伝説、幽霊話などをまとめて『怪談』という怪奇文学作品集を出版した。私は、この『怪談』に収録されている『耳無し芳一』や『雪女』は物語として読んだことがあり、『ろくろ首』や『むじな』(のっぺらぼう)は妖怪として存在は知っているといった程度で、今作に登場する5作品に関しては存じ上げなかった。
小泉八雲は『怪談』の他に『影』『日本雑記』『骨董』などの文学作品集も出版されており、今作で登場する『常識』と『茶碗の中』は『骨董』に、『破られた約束』は『日本雑記』に、そして『お貞の話』は『怪談』に収録されている。『宿世の恋』はどの作品集に収められているか分からなかった。
怪談は、元々日本の各地に伝わる伝承である。何らかの元になるエピソードがあって作られた物語に違いない。全く同じ物語が現実世界に起こったとは思えないが、それを疑わせるくらいの出来事があったのだろうと思う。それを今作のように現実と怪談を地続きで上演することでメッセージとして伝えていくのは素晴らしいな思うし、こうやって古の物語は語り継がれていくのかなと思った。
この歳になってしまうと、敢えて小泉八雲の『怪談』に触れてみようと図書館などに行って本を借りてくることはしないので、こうやって演劇で出会って教養を深めることが出来て良かったと思う。
また、今作で取り上げられていない小泉八雲の怪談話についても読んでみたいなと思わせる演劇作品だった。
↓イキウメ過去作品
↓前川知大さん過去作・演出作品
↓盛隆二さん過去出演作品
↓松岡依都美さん過去出演作品
↓生越千晴さん過去出演作品