MoCA Taipei 台北当代芸術館で見たCai Zhisong 蔡志松の展示(2013)
2013年訪問。
このミュージアムはネットでのかすかな情報を頼りに訪問した。
レンガ造りの建物で、番号が割り振られた部屋ごとに展示を見て行く形式は、ニューヨークにあるMOMA別館のPS1(小学校の跡地を美術館にしている)をミニマムにした印象だ。
参考にしているのかもしれない。
調べると、こちらも1919年に建てられた小学校だったとのこと。
外観は趣があり、館内もリノベーションされておりすごく綺麗。
今日も台湾のアートシーンを盛り上げている事だろう。
今回、MoCAで展示されていたのは、彫刻が専門の中国の若手現代アーティスト蔡志松の作品だ。
バラの花や雲をモチーフにした作品なんて一見ロマンチックなイメージだけど、掛け軸やすだれなど、中国の伝統的なモチーフと掛け合わせて、精悍な雰囲気を漂わせている。
展示の仕方、照明やスペースの使い方が作品に緊張感をもたらしており、そういった要素の重要性がよく分かる。
この展示のメインともいえるフライヤーに載っていた大きなバラの作品は、このギャラリーの中ではちょっと窮屈な感じがした。それくらい巨大だった。今思うと、あれどうやって搬入したんだろうな・・・。
無料で英語のオーディオガイドも用意されている。
借りる時にパスポートを預けたのだが、小さい木のタンスみたいなところにスコーンと放り込んだだけだったので、ちょっと心配になった。
ところで、上映されていたメイキングのムービーで見た作家の容姿にちょっと驚く。
まるでエリートビジネスマンのような風貌だ。
余談ではあるが、この美術館を訪れた次の日に西門のアートマーケットをうろついていたら、ちょっとした撮影が行われていて、そこにいるのが昨日展示を見た蔡志松だった。
若手アーティストの作品を悠然と冷やかす風景・・・みたいな。
でも別人かな?
起こった出来事は都合のいいように結びつけて考えてしまうものだしね。
(2013)