「怪我や病気を体験して良かった」というストーリーを求める心理。 頭木 弘樹 著 / 食べることと出すこと
あるアスリートの方が、大怪我から復帰した際に、インタビュアーに誘導されるような形で「今では怪我をして良かったと思う」と発言していた。やや違和感を感じた。
そのアスリートの方のリハビリの様子は壮絶で、とても「良かった」と言えるものではないように見えたからだ。
しかも、競技生活数年を棒に振っている。
そのインタビューを見てから、この「怪我や病気を経験することで、むしろ良い人生になった」という妙な思い込みや、周りからそう言わされてしまう何らかの圧力については、疑問を抱いていたところ