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『与楽流整体術 概論』その3 身体言語と身体的表現

割引あり

身振り手振り(ジェスチャー)は、コミュニケーションの原理である。

基本の姿勢に見る心理的状態の表れ

人の身体はその思考や感情を色々な方法で表現するが、その最も基本的な手段の一つが姿勢である。立つ、座る、歩くといった日常的な動作には、その人の心の中を反映するさまざまな要素が隠されている。

  1. 立つ姿勢: 人は立っているときに、その瞬間の自己認識や気持ちを無意識に体に表現する。例えば、足をしっかりと地面につけ、背筋を伸ばして立つ姿勢は、自信や決意を持っていることを示唆する。一方、足を組んで不安定に立つ、または体の重心を一方に偏らせるような立ち方は、不安や迷いを感じている可能性がある。

  2. 座る姿勢: 座る際の姿勢もまた、内面の状態を示す手がかりとなる。背筋をしっかりと伸ばし、足を床につけて座る人は、集中しているか、話を聞いていることが示される。一方で、背もたれにもたれかかりながら、足を組む姿勢はリラックスしているか、または自分の立場や意見を守っている可能性が示唆される。

  3. 歩く姿勢: 歩く際の動作や姿勢は、その人の目的意識や気分を強く反映する。ステップが大きく、早足で歩く人は目的を持って行動している、あるいは緊急性を感じていることが考えられる。一方、ゆっくりとした歩幅や、頭を下げて歩く姿勢は、考え事をしているか、何らかの不安や悩みを抱えていることが示される。

このように、人は言葉を発する前に、身体を通じて多くの情報を発信している。これらの微妙な姿勢の違いを理解することで、相手の心理的状態や気持ちをより深く理解することができる。

顔の表情とその下の動きに見る感情の多面性

人の顔は、感情や思考を直接的に表現する主要な部分である。目、口、眉などの細かい動きは、私たちが何を感じているのかを非言語的に伝える役割を持っている。顔の表情は感情の直感的な反映であり、多くの場合、意識的な制御なしに自然に現れる。

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