チームの健康診断をやってみたらいろいろ見えてきた話
こんにちは。UXデザインチームの柳本です。
私が所属する「UXデザインチーム」は、発足して約3年が経ち、2人から始まったチームが今や6人体制となりました。
発足当時は「アドエビス」という既存サービスの改修がメイン業務でしたが、担当するプロダクトは5サービスまで増え、業務範囲が広がってきています。
※2年目の振り返り記事はこちら
そのため自ずと分業が増え、メンバーがバラバラに動くことが多くなってきていたところ、ちょうど受講していたXデザイン学校のリーダーコースで教わった「チームのヘルスチェック」と「ビジョンデザインワークショップ」がチームビルディングにとても有効だったので、今回はそのご紹介をしたいと思います。
チームのヘルスチェック
その名のとおり、チームの健康診断です。9つの指標でチームの状態について話し合い、3段階で評価します。
重要なのは、マネージャーを含むメンバー全員で行うことと、評価の良し悪しよりも、評価をきっかけにチームの課題を認識して話し合うということです。
また、1度だけでなく定期的に行い、変化を見ることで新たな気づきも得られます。
※「Squad Health Check model」というSpotify社が考案した手法だそうです。具体的なやり方は本家のサイトをご覧ください。
UXチームでは3ヶ月ごとに実施しており、これまで3回行いました。
このような取り組みは初めてでしたが、チームメンバーは20代から40代まで年齢層が幅広く、また担当しているプロダクトも異なるため、9つの指標に対する捉え方や評価基準が違っていたのが新鮮でした。
例えば「ステークホルダーがサポートしてくれているか」については、誰を利害関係者と捉えているかが立場によって違っていて、役職者は上層部との関係を重視するし、調整ごとの多いメンバーは他部門との関係をより良くしたいという気持ちが現れていました。
「ユーザーニーズを把握できているか」は軒並み課題意識が高く、”UXデザインチーム”としては優先度の高い改善テーマであることが判明しました。その場で出た意見では、担当するプロダクトによって課題の質が違っていたため、アクションプランもそれぞれに考えられそうです。
そして下図は、1回ごとの結果をまとめて時系列に並べたものです。円の色が3段階評価で、矢印は前回より上がったか下がったかを可視化しています。
まだ回数が少なく傾向を見るには早いかもしれませんが、「心理的安全性」と「楽しい」は連動しているように見えます。
「ユーザー」の評価は少し改善しており、これは改善アクションとしてユーザーの要望を積極的にサービスへ取り入れたり、ユーザーインタビューなどを始めた結果が反映されていそうです。
そして赤信号なのが「ビジョン」。
この項目は毎回、曖昧な議論となっていました。皆、会社のビジョン・ミッションはしっかりと覚えているのですが、普段の業務にどう関連付けたらよいのか具体的なイメージが持てていませんでした。
そこで、UXチームのビジョンについて、一度ワークショップという形でチームで話し合ってみることにしました。
ビジョンデザインワークショップ
やり方はシンプルで、各自が将来どんなチームにしていきたいかを自由に書き出し、グルーピングと発散を繰り返して、マップ化していきました。
ポイントは、マップ化する際に会社のビジョンやパーパスも書き入れたことです。
これによって、UXチームの足元の活動(今期ミッション)から、将来に向けた会社のビジョンやパーパスへの繋がりが可視化されました。
ワークショップの過程で、将来どんなチームにしたいかをメンバーがお互いに共有できたのも有意義だったと思います。
「もっとこうあるべきだ」という普段からの課題意識が反映されたものが多かったですが、中には個人の密かな野望が反映された「もっとこんな仕事がしたい」「こんなふうに評価されたい」というのも出ました。ビジョンを持つことで、仕事のモチベーションにも良い影響がありそうです。
今回はちょうど期の変わり目に実施したので、各自の今期の目標設定やアクションプランに、多少なりとも反映されたのではないかと思います。
次回のヘルスチェックで、「ビジョン」の項目がどう変化するのか楽しみです。
今回はUXデザインチームで行った「チームのヘルスチェック」と「ビジョンデザインワークショップ」についてご紹介しました。
みなさんもいちど、「チームの健康診断」を行ってみてはいかがでしょうか。