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【本】私の名店/三浦しをん、西加奈子ほか
私も一度伺ったことのあるお店が、
作家さんの思い出としてエッセイになり
紹介されていているということで、
早速購入致しました。
そのお店はもう無いのだけれど、
歴史の一部を見させてもらった様で
とても嬉しくて。
私は、
自分が客としての視点と
店側からの視点で読む面白さもあり、
何よりも28名の食に関する
おいしいエッセイが詰まっているとても贅沢な。
心が満たされる
満腹、満足な一冊でした。
その中でも、
中江有里さんのエッセイに出てきた言葉に
店をやっている側からには
大変励みになる言葉を綴られていたので、
自分の為に残しておこう。
個人経営の店は大海に漕ぎ出した小舟のように不安定なものだ。
様々な飲食店が開店し、閉じていく。流れは止まらない。諸行無常である。
だから個人経営の店が長く続いているのは大げさに言えば奇跡で、同時代に通えることは何かの縁に導かれたのも同然。
ご自身のお母様が喫茶店をやられていたという事も
こういった言葉に現れるのだと思いますが。
本当に奇跡なんだよな…
と改めてじわりと実感。
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少し何処かでズレていたら
交わる事のない縁が交差する。
大きな海に今日も小舟は浮いています。