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自民党で力んで話したら奥歯が欠けた

自分で取材をして欲しいと声をかけておきながら、いざ取材を受けると苛立つ事が多い。
「何のために方々に働きかけているのですか?」とよく聞かれる。
実際の所、何のためと聞かれたら、よくわからない。

今週、大分合同新聞の羽山記者から取材を受けた。

大分合同新聞2023年1月1日朝刊

大分の地方紙の記者がわざわざ会社の許可(予算)を取って、東京まで取材に来る。
この問題に全力を上げろと言う会社のGoサインが出たのであろう。

何のためにやっているのか?羽山記者からもその様に聞かれた。

コールだコールだと自民党国会議員に敢えて押しを強く文書を送りまくり、殆どシカト同然の扱いを受けても、それでもしつこく文書を送る。
(平沢勝栄議員は最大限の対応をしてくださいます。)

地域の理解も必要だと区議会議員や首長とも胸襟を開いた接点を持とうとしたが、雁首揃えた頓馬ぶりに戦慄を覚える。

虚しさが無いと言えば嘘になる。

しかし、赤信号を約30m停止線の手前で確かに見たと自供したが、そのままフルアクセルで交差点に突っ込んだ。
そして、停止線から我々が横断していた横断歩道までは、約50mはあった。さらには信号無視する動機もあった。
娘は死に、私は重症を負った。
これを危険運転に問えなくて何のための危険運転致死傷罪なのか?

そんな当たり前の疑問を煙に巻き「車を運転していればやむを得ない、うっかり犯(過失犯)」として、流れ作業的に処理する事が行政、司法の現場で常態化している現実を放置して良いのか?

当初、執行猶予付きの判決も覚悟しろと最初の弁護士に言われた。
交通事故はそういう相場なんですと。

酒、クスリ、速度超過、無免許、各々事件の態様は異なるとは言え、この種の理不尽がいくつも放置されている。
理不尽の数だけ、泣いている人達が大勢いる。

これで良いのか?良いはずがない。

良いはずがないから、その事に最前線で仕事をする人達(警察、検察)が確かな仕事が出来る様に働きかけたい。
それが、事件抑止の底上げの一つになると考えるからである。

●確かな仕事をするためには、確実にやれると言う知識と経験が必要だ。
「ご遺族の思いを胸に最善を尽くす」こうした情熱は大切だが、知識と経験が無ければ、効果のある最善など尽くせない。
知識と経験を身に着ける近道は、確かな仕事に成功した人達の、知識と経験を手本にし実践する方法論を共有する事が重要だと思う。

加害者は自身に有利になる様に、あの手この手で逃げ口上を展開する。
加害者側の弁護士は入れ知恵をする。

勝負である。
知識と経験、全ての知見を注いで闘わねばならない。

●確かな仕事をするためには、もう少し実務的なルールを整備して欲しい。
現場からその様な声が根強ければ、国会議員と法務省に働きかけなばならない。

羽山記者から取材を受ける前日、自民党党本部で交通安全議員連盟の総会に出た。


統一地方選で忙しいのか、交通事故は票にならないからか、議員は殆どいなかった。
関係省庁のお役人はそれなりに沢山出席していた。
春の交通安全運動、昨今の交通事故の状況、予算等々を各省庁の担当者が淡々とマシーンの様に発言をしていく。
かつてはよくテレビでみかけたベテラン女性議員が、定型的な発言をし、次の仕事があるのでと退席をする。
ご遺族の方はご苦労様ですと、「作り」お気の毒顔をする。
我々の話は聞かず、ルーティン的な省庁の報告を聞いてから彼女は颯爽と部屋を出た。

しかし、収穫が無かった訳ではない。
法改正案が具体的にあれば、持ち寄って欲しいと、ある議員から発言を得た。
もちろん、持ち寄ったからと言って、すんなり事が運ぶ等とは思っていない。
だが、持ち寄って宜しいと言う事ならば、まずは持ち寄ってみようではないかと。
次に繋げる口実ができた。

何のためにやっているのか?
そんな事は一言では説明できない。

悪質交通犯罪で泣いている人が、交通事故はお気の毒でしたねで済まされ黙っていられるわけがない。

羽山記者は記者人生でこれ以上のテーマはないかもしれないと言っていた。
地方紙の底力を見せて欲しい。

力んで欠けた奥歯には、その後応急的に詰め物をした。


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