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お尻にケガをしてしまうのは車いすマンだから?宿命?仕方がない?そのメカニズムを調べ治療と向き合ってきたこれまでの経過記録と今後へ向けた僕の対策


※この記事は以前1話ごとに区切って公開した原本になります

🎯本作について

本作は、仙骨部(せんこつぶ:お尻にある仙骨という骨の周辺)に何度かケガをしていることを題材にして書いた体験記(経過記録?・備忘録?)になります。

  • 実際にお尻のケガで困っている車いすマンやその家族

  • 介護や福祉施設などで勤務する人

  • お尻のケガについて学んでみたい人

以上のような人にはプラスになることがあるかもしれません。

また、闘病記を読むのが好きという人にもおすすめ!

読んでいただけるのであれば、これまでの生き方を評価されたようで光栄ですし、今後も日々の出来事を書き残していこうと思える起爆剤になるような気がしています。

それではよろしくお願いします。



🎯その1 お尻のケガ自身1回目:発見に至った経緯

2020年 (令和2年) 7月中旬 43歳

(あれ?)

トイレに行った時、便座へ乗り移ってから車いすの座席にあるオムツを見ると米粒大の薄赤いシミがあるのに気が付いた僕。

米粒大の薄赤いシミ
米粒大の薄赤いシミ

※僕は排尿障害があって24時間オムツ管理なんです…

最初は固い便が出る時に肛門を傷つけて出血したのかと思ったんだけど、臭いからして血液の感じがしない。独特というのか…これまで経験したことがない悪臭とまではいかないけど、なんか変な?臭い…

(これって、あれのサインなんじゃないかな~)

あれというのは「褥瘡(じょくそう)」のこと

これまで、知人や先輩の車いすマンから、「褥瘡で入院しているんだ」とか、「生活にとっても困っている」という話を何度も聞いてはいたんだけど、プロ車いすマン(生活前半を車いすに乗ってこなせる能力がある人)になった20代のころから約20年間(30代まで)、褥瘡とは全く無縁の生活をしていた僕。

僕は少しだけお尻に感覚が残っているから褥瘡にはならないんだ!

そんなわけがわからない持論を持っていたんよね…

それでも何度か確認する機会はあって、お猿さんみたいに一部赤っぽいし周辺の皮膚が固くゴツゴツしているのはわかっていた。それって普通じゃないんだろうなとは思っていたけど、痛くもかゆくもないから困ることがないわけで…車いす生活になるとそうなっていくんだろうなくらいしか頭になかった。

だけど、今回のシミは色合い的に汗ではないだろうし、体内から出てきている感じがする…

(これは一度どこかの病院で診てもらったほうが良さそうだな…)

そう思った僕は、どこを受診するのがいいのか調べてみたんだけど、お尻のケガ(褥瘡含む)に関しては、「脳頭蓋内の病気なら脳神経外科!」のように、決まった専門の診療科はないみたい。

そこでプロ車いすマンの知人が紹介してくれた病院の皮膚科外来を受診することにした。


🎯その2 ペッタンシール

2020年 (令和2年) 7月中旬 43歳

「辛島さん、中へどうぞ!」

病院を受診し、しばらく待合室でボーとしていると名前を呼ばれたので診察室へ。

そこにいたのは女医先生。

症状を伝えると、寝台(処置用のベッド?)に横になって患部が診えるようにするよう言われる。

(ま~そうなるとは予測していたけど、女性にお尻を見せるのか~なんか恥ずかしいな…)

そんなことを思いながら患部を診てもらう僕。

「う~ん…しばらく毎日処置が必要です」

女医先生は、ケガがあるであろう場所に、デュオアクティブというブヨブヨした湿布よりも少し厚めのテープ?を貼ってくれた。(ドラックストアにもある傷の治りが早くなる絆創膏と同じようなものみたい)

分厚いシップみたい?
分厚いシップみたい?

「デュオアクティブを入浴前に剥して患部をよく洗ってから、新しいものを貼ってください。あなたがそれをするのは無理でしょうから、家族にお願いしてくださいね」

「いや…僕一人暮らしなので家族と同居していません…」

「それでは…入浴後すぐに毎日通院できますか?」

「ええ、お願いします」

僕は単身で同居している家族がいないし、習い事や副業もしていない。それに仲間と飲みに出歩くこともないし、夜遊び好きでもない。併せて、下手に自分で処置しようとしてもきちんとできる自信もないんだから、退勤後の通院は負担にもならない…っていうか「どうかそうさせてください!」ってお願いしたいくらいだった。

ただ、入浴後というのは時間的に難しそう…

そんなことをしていたら、診療時間内に受診できそうにない!

「あの〜処置してもらった後に入浴して、翌日貼り替えてもらうってのは…」

「それはダメです」

「そうですか…」

当時はその理由は聞かなかったと思うけど、完治するまでは清拭で我慢する気でいた。

(そのためにも早く治すんだ!)

どうすれば早く治るのかは全くわからないんだけど、そう自分に言い聞かせる僕。

「排便が頻繁だと治りが遅いんですが、毎日出ますか?」

「いえ…」

「それなら、早く治るかもしれません」

「えっ、そうなんですか!よかった~」

便秘になりがちな僕は、いつもは出なくて困ることばかりなのに、この時ばかりは得をした感じだ!

ということで、土日祝日も休みなしで、毎日通院して処置をお願いする日が始まった。

デュオアクティブはドレッシング?らしい…
デュオアクティブはドレッシング?らしい…

🎯その3 あら、もう終わったの?

2020年 (令和2年) 7月下旬 43歳

それからは、毎日通院して処置を受けることになった僕。

当初は、1か月くらいはかかるんじゃないかと気を引き締めて挑んだわけなんだけど、蓋を開けてみたら想定外のスピードで回復していったみたい。(看護師さんによる見解)

そして迎えた約1週間後の皮膚科外来受診時のこと

「うん、いいでしょう。傷はもう塞がっているので、デュオアクティブは貼らなくて良いです」

そう言われる女医先生。

「えっ、では塗り薬とかに変更ですか?」

「いえ、今日で終診になります」

「そ、そうですか…」

終診ってことはケガが完治したというわけなんだから喜ぶべきなんだけど、それ以上に何か拍子抜けって感じ。

ま〜それだけ傷の程度が軽かったんだろうと予測していたところ、案の定今回の病名は「表皮剥離」

同じお尻のケガでも、褥瘡に比べたら軽度の症状だったみたい。

場所は仙骨部。それも尾骨周辺みたいだ。

「仙骨部というのは広範囲を指す場合が多く、寝たきりの場合は仙骨周辺、車いす利用者は尾骨周辺にケガをすることが多いようです」

「そうなんですか~」

「それではお大事に!」

「あっ、先生…」

帰り際、僕は以下のような質問をした。

「あの~僕のお尻って、お猿さんみたいに赤っぽい皮膚が一部に広がっている状態なんですけど、これって治りますか?」

お猿さんみたいに赤っぽい皮膚
お猿さんみたいに赤っぽい皮膚

「それは難しいでしょうね。本来なら高い圧がかかっていない皮膚は通常の色合いに戻りますが、あなたは車いすに四六時中乗っていますから高い圧をかけっぱなしにしていますから…」

「無理なんですか~」

「ただ、プッシュアップでそれを軽減・現状維持することは可能ですので頑張ってください。再びケガをする予防にもなりますから」

「わかりました」

というわけで…

今回は完治まで時間がかからなかったので良かったんだけど、これからいろいろと大変になりそう予感がしてきてね…

(僕はどうなっちゃうのかな~)

そう思いながら(またお世話になりそうな?)病院を後に家路へと急いだ。


🎯その4 痩せが、お尻にケガをしやすいの?

(あっ、そういえば・・・)

家に戻ってから、知り合いの看護師さんが言われていた「痩せが、お尻にケガをしやすい原因の1つ」という言葉を思い出し僕。

(痩せがなんでケガと関係があるのかな…)

看護師さんっていえば医療のプロだから信ぴょう性はありそうなんだけど、僕は生まれつき痩せ型で、車いすマンになってからも30代までケガとは全く無縁だったものだから、本当なのかどうしても疑ってしまう。

(彼女は僕をビビらせたくて噓をついているに違いない…)

そんな僕に、現実を教えてくれたのは車いす!

当時、自身4台目のオーダーメイド車いすを外用として使っていた僕は、少々使いづらくなった3台目を家用として使っていたんよね。

家用(自身3台目)の車いすは、座ると左右のフレームと体の間に多少隙間が出来てしまうから、最近タオルなどを挟むことがよくあるんだけど、外用(自身4台目)の車いすでは一度も挟んだことがない…

(ひょっとして、2台の座幅が異なるのかも?)

そう思った僕は、作成時のデータを探してみたけど見つからず…

ただ現物が目の前にある!メジャーを使って両方の座幅を計測してみたところ…

(あらら、狭くなっている…)

狭くなっている…
狭くなっている…

オーダーメイド車いす5~6年に一回作り変えてきているはずだから、その間に僕が瘦せてきているのは確実…

※通常オーダーメイド車いすは、作成時点の体にぴったりと合わせます

(ということは…40代に入るくらいから段々と瘦せが進行してきたのが、お尻にケガをしやすくなている原因なのかな?)

それが正しければ、40台になって初めて経験した褥瘡未遂?(表皮剥離)も頷ける…

(そうだとしても痩せがどうしてケガと結びつくのかもわからないし…ま~今後もプッシュアップを適当にしておけばなんとかなるやろう…)

それだけの証拠をつかんだにもかかわらず、とりあえず今回の件(表皮剥離)は治っちゃったんだから根詰めて調べよう・今後気を付けていこうという気持ちはおこらず…

そんな僕に、これから立て続けに天罰がやってくるとは、この時点では知る由もなかった。

ー 自身1回目は、ここでおしまい ー


🎯その5 お尻のケガ自身2回目:発見に至った経緯

2021年 (令和3年) 44歳 6月上旬

そんな能天気な僕に最初の天罰が下ったのは、それから1年ほど過ぎたころ。

(げげげ…また付いてる~)

前回同様トイレに行った時に、便座へ乗り移ってから車いすの座席にあるオムツを見ると、米粒大の薄赤いシミがあるのに気が付いた僕。

(ま~大したケガやないわきっと!前回と一緒でデュオアクティブ貼っておけばすぐに良くなるって余裕余裕~)

これさえあれば…
これさえあれば…

そんな安易な気持ちで、前回と同じ病院を受診した。

「辛島さん、中へどうぞ!」

しばらく待合室でボーとしていると名前を呼ばれたので診察室へ。

女医先生に患部を診てもらったところ・・・

「また、以前のように処置が必要ですね、ちゃんとプッシュアップをしていましたか?」

「していたつもりなんですけど…」

「今回は、プロスタンディンという軟膏をガーゼに付けて患部に貼りつけた後、防水のテープを上から貼りますから、シャワーくらいなら浴びても構いません」

「やった!、前回はダメだったからうれしいです」

「ただし、湯船に浸かってはいけませんからね!」

「わかりました」

「前回と同じように、毎日通院できますか?」

「ええ、もちろん!」」

退勤後の通院は僕にとって最善の方法…断るわけがない!

というわけで、今回も毎日通院して処置をお願いすることになった。


🎯その6 なんでそうなるわけ?

(毎日通うのは面倒だけど、ほんのわずかな辛抱だぞ)

前回は1週間ほどで完治していたことから、今回もさほど時間はかからないと高をくくっていた僕。そのくらいなら、我慢して通院することなんて対して負担に感じていなかった。

(治ったら何をしようかな~)

脳裏に浮かぶ自分の未来は明るい!

ところが…

「出血はほぼ止まっているのですが、まだ浸出液が多いので…」

処置へ通う中、看護師さんにそう言われてしまう。(僕がこれまで言っていたシミというのは浸出液の事だった)

正常な皮膚から浸出液は漏れない…
正常な皮膚から浸出液は漏れない…

「それっていけないことですよね…」

「正常な皮膚から浸出液は漏れ出ませんから良い状態ではないと思います。それに、前日貼ってあったガーゼが濡れてしまっていて周辺の皮膚がふやけている状態も問題です」

「ガーゼって防水テープの内側なんでしょ?」

「ええ」

女医先生の忠告を守って、シャワーは浴びていたけど、湯舟には浸かっていなかった僕。

(それなのに、なんでそうなるわけ?シャワー浴でも防水テープを水が突破するの?)

ま~原因は定かではないんだけど、ケガが悪化傾向なのは確実。

「私が詳しいことは先生に伝えておくので、明日女医先生に診てもらってください」

「わかりました」

処置中に看護師さんから女医先生の診察を勧められた僕は、急遽仕事を休んで病院を受診することにした。


🎯その7 訪問看護が始まってしまった…

2021年 (令和3年) 44歳 6月下旬

「辛島さん、中へどうぞ!」

病院を受診し、しばらく待合室でボーとしていると名前を呼ばれたので診察室へ。

「失礼しま…」

っと言いかけたところで女医先生のキツイお言葉…

「看護師さんから聞きましたが、防水テープの内側に水分が侵入していたようなので、今日からシャワー浴もダメです。清拭でお願いします!」

「えっ…そうなんですか…」

季節は、ジメジメした梅雨から初夏へと移り変わろうかというころで、肌寒い日もあれば、蒸し暑かったり真夏かと思うほど暑苦しい日もあったり…

(マジか…こんな時期にシャワーもダメなのか…)

これじゃ~汗や蒸れで、オジサン特有の加齢臭がモワモワ出てくる危険性が大いにある…

ガーゼが濡れるとなぜ悪いのか?

女医先生や看護師さんによると、お尻のケガを石鹸で軽く洗うことは大事であってガーゼが濡れること自体は悪いことじゃないみたい。

だったら処置後に帰宅してシャワーを浴びたらいいじゃないかと思うんだけど、それでは次の日の処置までにケガをしている場所が湿ったガーゼのせいで濡れた時間が続くことになってしまう。

ガーゼが濡れることがダメではなくて、それがずっと患部に貼りついている状態が悪い(長くなればなるほど周辺の皮膚が白くふやけてケガが広がる・悪化する危険性が大きい)みたいなんよね。

これまで僕は、処置後にガーゼを貼ってもらって帰宅後にシャワー浴をしていた。だから翌日の処置まで20時間くらいは濡れたガーゼが貼りついたまま経過していることになる。

家族と同居するなりしていて、その時間をできる限り「0」に出来るなら大きな問題にはならないのかもだけど…

僕は独り身(単身生活中)

(何とかならないのかな…)

あっ!シャワーを浴びてすぐに受診できれば…

でもな~

今だって仕事が終わってから急いで通院して何とか間に合っている現状、シャワー浴後に受診すれば、病院が閉まっている(処置を受けることができない)のは確実…

「女医先生、(シャワーを浴びたいから)週に何度か処置をお休みにはできませんよね…」

「それは無理ですね」

「そうですか…」

「それでは…今後は訪問看護に入ってもらい、自宅に看護師が来る日は自宅で直前にシャワーを浴びて処置をしてもらってください」

「訪問看護…ですか?」

名前は聞いたことがあるけど、これまで一度も経験したことがない…

訪問看護について詳しく聞いたところ、病院で勤務しないで、患者の住む住宅まで訪問して医療行為をしてくれる看護師さんみたい。

訪問して医療行為をしてくれる看護師さん
訪問して医療行為をしてくれる看護師さん

僕の場合は、毎週2回、訪問看護が入ってくれることになった。

その2日は退勤後急いで自宅に戻りシャワー浴をして処置をお願いする。(自分で貼ってあるガーゼを外せないから貼りついたままシャワーを浴びることになるけど、濡れたガーゼはすぐに貼り替えてもらえる)

それ以外の日は、これまで通り退勤後に通院し処置をお願いして、自宅で清拭する流れで我慢するしかない…

さて、どうなることやら?

処置中

🎯その8 数週間でこんなにグロテスクになる原因を教えてくれ~~~

訪問看護を利用するようになってわかったことは、週に2日だけのシャワー浴でもかなり快適だということ!

それと、訪問看護師さんも病院でお会いする看護師さんと何ら変わりがない医療のプロだということ!

以前、皮膚癌の件でヘルパーさんに消毒をお願いしたことがあるけど、やっぱり訪問看護師さんのほうが安心して任せられたと思う。

また、病院では多くの看護師さんがいるのに対して、訪問看護は多くても数人。(ほぼ一人)それだけ責任感というかプレッシャーがあるんだろうなと思ったし、経験豊富な人が多そうな感じがした。

あっとそうだ!

今回は以前使っていたプロスタンディンから、カデックスっていう軟膏に治療薬が変更になっていた。

「へ~カデックスって赤茶色っぽいんですね~」

カデックスって赤茶色っぽい
カデックスって赤茶色っぽい

「成分的なものからの色合いなのかもですね」

「そうなんですか~あっ…」

「どうかしました?」

「え~と…薬が変わったってことは、やっぱり状態が悪化したからなのかなって思ったんですけど…」

「それは違います。お尻のケガに対する薬はたくさん種類があって、先生は状態を診ながら適切なものを選んでいきます」

「そうなんですか~」

「あらら…」

「どうされました?」

「今日は生憎こちらに持ってきていなかったのですが…綿棒はありませんか?」

「ありますよ~どうぞ!」

こんな感じで、僕の家にあるもの(社会資源)を有効に使う必要があるみたい。

たとえば~

  • タオル

  • 綿棒

  • ペットボトル

  • 電子レンジ

  • 洗面台(水やお湯)

  • 石鹸

「たぶん、まだよく患部を見たことがないでしょうから、それで写真を撮りましょうか?」

「あっ、良いんですか?それじゃ~」

処置中で忙しそうだったから遠慮していたんだけど、気を利かせて声をかけてくれたから手持ちのタブレットを手渡す僕。

(な、なんじゃこれは~~~~これ本当に僕のお尻?)

撮ってくれた画像を見ると、自分のお尻なのにグロテスクすぎて仰天!

以前経験した表皮剥離とは比べ物にならないであろう…1cm X 1.5cmくらいの患部は明らかに普通じゃない…スーパーで売られているレバーのお肉みたいな色合いでグチョグチョしている?

(数週間トイレに行った時、オムツについていた浸出液は、薄い赤色をした米粒くらいの大きさだったはず!ってことは、かなり悪化していることになるぞ…)

その原因は、患部が濡れるから?

(濡れるだけでこんなに悪化するのかよ~)


🎯その9 チョキチョキ効果で完治へまっしぐらだ!

2021年 (令和3年) 44歳 7月中旬

「あっ!少し小さくなってきましたよ~」

ある日の処置中に、訪問看護師さんからそう言われた僕。

「えっ、そうなんですか?良かったです」

「では、そろそろ先生に診てもらいましょう!」

以前、病院で処置をしてもらっていた時に、看護師さんから皮膚科医に診てもらうよう勧められたように、訪問看護師さんからも同じように勧められた僕は翌日病院を受診。

「辛島さん、中へどうぞ!」

しばらく待合室でボーとしていると名前を呼ばれたので診察室へ。

「うん、ずいぶん経過が良いですね!」

「やった!」

「チョキチョキ…(ハサミのような金属音?)」

何やらへんてこな音が周囲に響いている。

傍らにいた看護師さんに聞くと、女医先生がメスか何かを使ってケガをしている周辺に出来る分厚い皮膚を器用に削っているみたい。

チョキチョキ中
チョキチョキ中

「なんで分厚い皮膚ができるんですか?」

「辛島さんは痩せていらっしゃって、仙骨部の骨は突出していますし、周辺にある皮膚は脆弱です。人間の防御反応というのでしょうか?そこを体は何とかして守ろうとするため、その上に厚く固い皮膚が段々と出来てくるんです」

「それでは、なんで出来た分厚い皮膚を切っているんですか?」

「そうするとケガの治りが良いからです」

「そうなんですか~」

※ちなみに、常にお世話になる看護師さんは、チョキチョキはできないみたい。(メスを使えるのは医師のみだから?)

※分厚い皮膚?というのは、爪と同じで皮膚が新陳代謝を繰り返した結果の産物みたい。

(こんな感じで定期的にチョキチョキしてもらえば、もうすぐ完治だろうな~)

そんな余裕に満ち溢れた僕だったんだけど、現実はそんなにうまくはいかないみたいで…


🎯その10 ポケット

2021年 (令和3年) 44歳 7月下旬 

前回受診した2週間後、状態が悪化傾向のため訪問看護師さんに再び女医先生の診察を勧められた僕は、急遽仕事を休んで病院を受診することにした。

「辛島さん、中へどうぞ!」

しばらく待合室でボーとしていると名前を呼ばれたので診察室へ。

「あっ、ポケットが出来ている…」

「えっ…(なにそれ?)ついに完治したってことですか~?」

ポケットってこれの事?
ポケットってこれの事?
いや、こっちかな?
いや、こっちかな?

その意味が全くわからない僕は、てっきり良くなっている意味かと思ってそう言ったところ…

「いえ、その逆です…」

「(なに~!ここにきて悪化なのか…)そうですか…前回は改善傾向って言われたばかりだったので残念です。出来た原因は何でしょうか…」

「除圧(プッシュアップ)が足りないところもありますが、これは引きずるような動きをしたことが大きいようです」

「引きずるような動きってことは…ズレや摩擦ってことですか?」

「そうです!」

(そうならないよう生活してきたつもりだったのにな…)

ポケットっていうのは隙間の事なのかな…

お尻にケガをするのは、日々の何気ない生活動作の中に問題があるからだろうとは思っていて、何となく気を付けていたつもりだったからとても残念で落ち込んでしまう。

そんな僕を見た女医先生は・・・

「そこまでひどいポケットではではありません。メスで切れるだけ切っておきましたので今はほとんどわからないくらいです。注意して生活していただければ再び良い方向へ行きますよ!」

「わかりました、頑張ります!」

女医先生は、僕の今に最適な薬を処方してくれている。

僕は、それに応える意味でも「生活のどこにズレ(摩擦)が生じているのか?」を早く見つけないと!

そうしなければ、一生治らないぞ!


🎯その11 ようこそ~ミリの世界へ!

2021年 (令和3年) 44歳 8月上旬

前回受診した2週間後、今度は状態が再び改善傾向とのことで一度女医先生の診察を勧められた僕は、後日仕事を休んで病院を受診することにした。

「辛島さん、中へどうぞ!」

しばらく待合室でボーとしていると名前を呼ばれたので診察室へ。

「あっ…良い感じですよ~」

そう言われる女医先生。

「やった!今の大きさってどれくらいなんですか?」

「5ミリ程度かな」

やった!小さくなったぞ~
やった!小さくなったぞ~

ということは、最初の2~3分の1くらいだ!

これは、ポケットのピンチを何とか乗り越えたといってもいいのかもしれない。

(よしよし…良い兆候のは間違いないから、このペースを維持して今月中の完治を目標に頑張ろう!)

ま~そうはいっても生活動作中どこにズレが生じているのかいまだにわかっていないんだから油断は禁物…この勢いで急速に回復することもあるかもだけど、再び悪化する可能性だって十分ある!

あっ、そうだ~話しは少しそれるんだけど、お尻のケガは栄養が足りないことも原因になるみたい。

そこで、手っ取り早く?プロテインを飲んでみることにしたんよ!

プロテインというと、筋肉ムキムキのボディビルダーが飲むイメージが強いと思うんだけど、ダイエット目的の女性や高齢な方などが栄養摂取目的で利用するケースがあるみたいだから、僕でもイケるんじゃないかなと思ったのがきっかけ。

それが…最初にトライした商品はホエイ(乳製品)タイプで、お腹が緩くなって挫折…その後、ソイ(大豆)タイプに変更したんだけど相変わらずで結局断念してしまった。

あ~あ、料理はあまり得意じゃない僕が、手軽に栄養補給が出来て体に負担のないものって…なにかないのかな~

プロテインは大きく「ホエイ」と「ソイ」に分けられる
プロテインは大きく「ホエイ」と「ソイ」に分けられる

🎯その12 振出しへ戻っていく…

2021年 (令和3年) 44歳 8月下旬

前回受診した3週間後。

前回はポケットの危機から見事に生還したんだから今度こそ終診(完治)というお言葉が欲しいところ。

ところが…

「あらら…」

女医先生から想定外のお言葉…

「えっ、どうかしたんですか?」

「前より悪化しています、1センチちょっとかな…」

(がっぴょ~ん…前回は5ミリ程度だったはず…なんでそうなるわけよ~~~~~)

な、なんだと~~~
な、なんだと~~~

「そ、そうですか…悪化の原因って何かわかりますか?」

「前回も処置の際、ガーゼに血液が付いていましたから、その出所(小さな傷)がズレによって広がったのかもしれません」

「また…ズレですか…」

「治りかけのわずかな傷であっても、ズレによって周囲が出血し傷自体が悪化するケースはよくあることです。どの動作中にズレが生じているのかわからなければ、完治までは時間が必要かもしれません」

「そうですか…今の大きさは1センチ以上と言われていたので、最初(6月ごろ)に逆戻りですね…」

「そうですね。その方向に向かっています…」

(お~神よ…この3か月はいったい何だったんだ~ ここまで気を付けているのに…)

生活動作中のどこにズレが生じているのか?

それを早く突き止めなければ、完治は見えてこないのかも…

思いつくことは何でも対策をしていくしいなない!

(あっ!もしかして、トイレなのかも!)

僕は腹圧で排尿・排便ができにくいためお腹を叩くか押すんだけど、それがズレに繋がっているんじゃないかって思ったんよ~ま~それが正しいのかはわからないけど、何か対策を考えてみよう!

トイレ時に原因があるのかも?
トイレ時に原因があるのかも?

🎯その13 こうなったら軌道修正だ~~~(外じゃなくて内からなのかも)

2021年 (令和3年) 44歳 9月上旬

それからというもの、トイレ時にお腹を叩くか押すのを完全に止めることはできなかったけど、「叩くときに使う用具?」や「お腹と用具の間に挟むもの?」を変更してみた。

それと前後のズレを発生させないように意識したつもり。

改革?のおかげなのか、ズレに関してはさほど悪いわけではなかったみたいなんだけど…

ダメやったわ~

ある日の処置中。

「あらっ…またガーゼが濡れています。まさか、お風呂に入ったのですか?」

処置中の看護師さんからそう言われた僕。

「えっ…もちろん入っていませんけど!」

女医先生から訪問看護が来る日以外のシャワー浴は禁止されている状態で、まさかそんなことをするはずがないと少々不機嫌になる僕…

「そうですか~ではなぜ濡れるんでしょうね…」

「あっ…」

「どうしましたか?」

「ええ、もしかしてですが…汗でしょうか?防水テープを四六時中しているから蒸れたのかも!」

汗だ!
汗だ!

ガーゼが濡れる原因は、防水シートの外側から問題が起きている(シャワーの水などが通過したため)のではなくて、内側からの問題ではないかと軌道修正?してみた僕。

「う~ん…でも汗でここまで濡れる人を、私はまだ見たことがないです…」

看護師さんはそう言いながら処置を続けている…

「そうですか…」

「汗以外に何か思いつくことはありませんか?」

「いえ、今は汗しか思いつかないです。本当に汗が原因だったら防水テープを貼っていてもガーゼは今後も濡れるわけですから、いつまでたってもケガが治らないような気がしてきました…」

そんなことを言って困らせる僕に一応相づちを打ってくれる看護師さん…

「濡れていない日のほうが多そうなんですけど…汗だと大変そうですね~」

・・・

果たしてガーゼが濡れる本当の原因は?

濡れてるやないか~い!
濡れてるやないか~い!

🎯その14 突然やってきた終診

2021年 (令和3年) 44歳 9月中旬

「あっ!うん、良いです」

前回受診した3間後の病院受診時、分厚くなった皮膚をメスでチョキチョキ削りながら女医先生はそう言われた。

処置中に分厚くなった皮膚を削る
処置中に分厚くなった皮膚を削る

「えっ…ケガが完治したってことですか?」

「そうです」

数週間前に看護師さんから言われたことからすれば、こんな日がくるのはまだ先の事だと思っていた僕は疑心暗鬼・・・

「えっと…前回ガーゼが濡れていたと看護師さんから言われたのですが今回はどうなんでしょうか?」

「それほど濡れていませんよ」

「そうですか…」

ということは、ガーゼが濡れる原因がわからないのに、ケガが治ってしまったというわけか…

「それじゃ~受診の必要は?」

「ありません、今日で終診です」

「そうですか…では今回のケガって正式な病名はなんていうのですか?」

仙骨部(尾骨周辺)に出来た褥瘡と考えています。いわゆる難治性潰瘍と言ってもいいでしょう」

前回は表皮剥離だったと思うんですが・・・」

表皮剥離も褥瘡も、お尻のケガに変わりはないのですが、その発生原因や状態などからいくつもの病名があります。私たちは、それを診て適切な診断をして治療をしているんですよ」

「へ~そうなんですね」

というわけで…

ズレの問題やガーゼが濡れる問題など、未解決なことがいくつかある中での終診

素直には喜べなかったんだけど、6月から毎日処置をしてもらっていたから「100日越えのストレス」っていうのか…少しばかり疲れを感じていた僕は半ば放心状態でお礼を言った。

「では…長い間お世話になりました…あっ!」

「どうされました?」

「えっと、先日訪問看護の人に撮ってもらった画像を見たんですけど、厚くなった皮膚が被さっているみたいになっていて見た目も悪いし…これで完治したって考えるのもどうなのかなって…実際に今それをメスで削られていると思うんですが…」

治療の必要があるのは、血液や浸出液が出ている状態が主になります。(それが治った時点では基本医療行為は必要ない)

受診時には予防の意味合いもあってできる限り削るようにはしていますが、本来であればそれだけのために必ず受診しなければならないことではありません。

厚い皮膚が出来るのは人間の防御反応のようなものであり仕方がないことです。今後は痛みなどが出てくるのであれば受診してください。私が今しているように削らせてもらいます」

「は~…そうですか…」

「大事なことはこれまでと一緒です。定期的なプッシュアップ (除圧)や摩擦 (ズレ)に注意すること、そして栄養をしっかり取ることを忘れないでください。あと保湿した状態を保つことも大事ですので、保湿クリームを敵便塗ってくださいね」

「わかりました、失礼します」

治ったみたいなんだけど、治っていないような何とも言い難い気持ちもあるんだけど、(一応)今回のケガをクリアにできた!

めでたしめでたし?

みなさんのおかげでした…

🎯その15 甘くない現実が始まろうとしていた…

これまでの経験やネット検索で得た知識から、わかってきたことが2つある。

一つは女医先生が言われていたように、お尻のケガには変わりがなくても、その発生原因や状態・深刻度?などからいくつもの病名があること。

たとえば…

  • 表皮剥離(表皮裂傷・スキンテア・擦過傷・すりむき傷)

  • びらん

  • 潰瘍

  • 難治性潰瘍

  • 褥瘡

(今まで、お尻に出来るケガは全部褥瘡というのかと思っていたけど、良い勉強になったな~)

そしてもう一つ!

日々の何気ない動きのどこかに問題があるからお尻にケガを作ってしまうということ。

ただ、どこに問題があるのかがわからないけどね…

これでは、自身2回目の治療が済んだからといって「うかうかしてはいられない」わけで~

気が付かないうちに予防策を講じている時とそうでないときがあるから、いつの間にか再びケガをしてしまい今回のように状態が良くなったり悪くなったり二転三転するんだろう。

いくら有効な薬で治療を続けても、早期に完治するとは思えない。

(これからも厳しい戦いが始まりそうだな~)

そんな嫌な予感通り…

ケガのオンパレードが始まった。

甘くないケーキってあるの?
甘くないケーキってあるの?

ー 自身2回目は、ここでおしまい ー


🎯その16 お尻のケガ自身3回目:発見に至った経緯


2022年 (令和4年) 45歳 11月下旬

あれから1年が過ぎたころ。

「あらっ?え~~~~!」

朝起きてオムツを見ると米粒大の浸出液?血液?がついている…

またか~
またか~

(あれからもう1年は経過しているんだから僕が考えた予防法は間違いなかったんだ!お尻のケガなんてチョロいもんよ~)

自身2回目のような思いを再びするときが来るんじゃないかと最初は戦々恐々だったけど、1年という時間は弱気の僕に自信を与えてくれていた。

それが…

再びケガのサインを受け取った僕。

(仕方がない…落ち込んでいる暇なんかないぞ!)

正直がっかりしたんだけど、前回のように長引かせず早期に治そうと決心!

すぐに前回処置をお願いした病院を受診した。

「辛島さん、中へどうぞ!」

しばらく待合室でボーとしていると名前を呼ばれたので診察室へ。

女医先生に患部を診てもらったところ・・・

「今回は前回に比べたら軽度の状態ですよ」

「えっ本当ですか!」

「ですから、今回は訪問看護は利用しませんので毎日通院してください。ただし、治療が順調にいかず長引く場合は途中から導入も考えます。まずは、そうならないようが短期間で完治させましょう!」

「わかりました」

「あと、今回もプロスタンディン軟膏をガーゼに付けて患部に貼りつけた後、防水のテープを上から貼ります」

「わかりました」

というわけで、自身1回目と同じように仕事が終わった後に毎日通院治療をすることになった。

プロスタンディンは透明
プロスタンディンは透明

🎯その17 ズレに対する新たな対策

それから毎日欠かさず通院して処置を受けていたんだけど、生活動作のどこかでズレや摩擦を発生させているみたいで、順調には良くなっていかなかった。

処置中に厚い皮を削ってもらう
処置中に厚い皮を削ってもらう

前日の処置時には患部の中央にガーゼを貼っているのに、翌日の処置時には移動してしまっている

この問題は以前から続いているわけだけど、はっきりとした原因を未だにつかめていないわけで…

そこで、これまでしてこなかった新たな対策を女医先生をはじめ看護師さんと相談してやってみることにした。

・家用の車いすは足を乗せる台が跳ね上げ式なんだけど、足漕ぎしないで手漕ぎをする

・現状維持の意味合いで続けていた就寝前の横揺れストレッチ(ベッドへ横になって膝を立ててから左右に振り子のように動かす)はやらない

・おぼんを複数購入。車、洗濯機、玄関、居室に置き、それぞれ荷物を乗せ太ももに乗せて移動。(足漕ぎをしないで物を運ぶ)

・マジックハンドを使って・床下や上・手を伸ばしても届かない場所にあるものを取るようにする(無理な姿勢をとるのを防いでみる)

さ~どうなるのかな?

マジックハンドは自助具
マジックハンドは自助具

🎯その18 事態はまたも最悪?な展開へ…

2022年 (令和4年) 45歳 12月上旬

「うん、ずいぶん良くなってきましたよ~」

「えっ…そうなんですか!」

「これなら一度先生に診てもらったほうが良いと思います!」

「は~そうですか…」

処置が始まってまだ10日くらいしか経過していないころ、看護師さんがそんなことを言われる。

短い日数で回復傾向なのはもちろんうれしいんだけど、何が悪くてズレや摩擦が起きているのかがわからない今…素直に喜べない僕がいる。

現段階でも多少ズレによってガーゼの位置が変わっているみたいなんだけど、出血や浸出液はもう出ていないみたい。

(なぜそうなるのか教えてくれよ~~~これじゃ~今後に活かせないじゃないか!!!)

そんな思いを募らせながらも病院を受診する僕。

「辛島さん、中へどうぞ!」

しばらく待合室でボーとしていると名前を呼ばれたので診察室へ。

女医先生に患部を診てもらったところ…

「うん、もう良いでしょう!」

(やっぱりか…そんな予感がしてたんだよな~)

「えっと…これで終診(処置が必要ない)ということでしょうか…」

「ええ」

「そ、そうですか…」

(これじゃ~今後も堂々巡りの可能性が高いぞ!)

どうしたらいいのかわからず不安な表情を浮かべる僕に、更なる打撃?

「治療はこれで必要なくなったわけですが、患部の皮膚は脆弱でお猿さんのように赤みを帯びているのでしっかり保湿をしてくださいね」

「わかりました。ところで以前お世話になった訪問看護師さんに言われていた記憶があるのですが、お尻(の皮膚)が黒ずんでいるのって治るんですか?」

「それは難しいと思います。皮膚が黒ずんでしまう理由は、お尻に長い時間かけて圧がかかって蓄積されてしまったからです。そのためです長い時間生きてこられた高齢な方や、あなたのように長く車いす生活で除圧(プッシュアップ)が足りていない人に多く見られます。赤ちゃんにはないのはその証拠です。蓄積された結果なので改善は難しいです」

「そうですか…」

(黒ずみは老化現象の一つなのか…もっとプッシュアップしないとな~)

赤ちゃんに戻りたい…
赤ちゃんに戻りたい…

お尻にケガをしてしまう原因を突き止めたわけではないんだけど、プッシュアップをすれば現状(黒ずみに程度)の維持はできるかもしれない。

頑張らないと!

あっ、そうだ!

正式な病名を聞くのを忘れていたんよね…

たぶん、画像から見て「仙骨部(尾骨周辺)に出来た潰瘍」だったのかな?

ー (自身3回目は、ここでおしまい) ー


🎯その19 お尻のケガ自身4回目:発見に至った経緯

2023年 (令和5年) 46歳 3月下旬

「ぬわ…なんじゃこれは…!」

お昼ごろにトイレで何気に着けていたオムツを見ると、淡いピンク色の滲出液が数ミリ程度着いている…

びっくりした僕は思わず大声…

(あれからまだ3ヶ月くらいしか経っていないのに…)

自己流の対策は功を奏していないのか?

でもま~よくよく考えてみると「何が悪くてズレや摩擦が起きているのかがわかっていない」んだから、自己流の対策をしたっていつケガをしてもおかしくないわけで~

(仕方がないわい!それより…)

すぐに一度深呼吸をして用を足したのは我ながら立派!

それからは電光石火!

一目散にベッドへ行ってゴロリと寝転がり、タブレットでなんとか写真を撮って確認。うまく撮れていなくて見づらいんだけど、予想通りこれまで3回治療を受けた場所からっぽい…

そこは直径2~3センチくらいだと思うんだけど、お猿さんのお尻みたいそに薄赤い状態。かれこれ20年くらいのお付き合いなのかな?

(もしかしたら…数ミリ程度の滲出液は氷山の一角なんじゃないかな?)

この一帯はどこも脆弱だから、本当はもっと広範囲に処置が必要になっていてもおかしくない…

もう次は起こさないぞ!と気合を入れていた僕には残酷な現実だけど…

(残念だけど…これは診てもらうべきやろう!)

これまでの経験上、ケガをしている可能性が高いと判断した僕は、翌日お世話になっている病院を受診することにした。

ー つづく ー


🎯その20 思った通り…

「辛島さん、中へどうぞ!」

受付を済ませてからしばらく待合室でボーとしていると名前を呼ばれたので診察室へ。

あっ!今までは意識せず書いてきたんだけど、毎回診察室に呼んでくれるのは先生ではなくて看護師さん。

そして僕が診察室と言っているのは厳密に言うと隣にある処置室。

そこには処置するための寝台が2つあるんだけど、女医先生はいつもそこにいるわけじゃなくて(本家の?)診察室にいるんだよ~ん

じゃ~僕は何をするのか?

診に来てくれるまでに女医先生が診やすいような体制づくり?をする

それはこんな流れ!

  • 処置台に乗り移る

  • そうしたら看護師さんが周りのカーテンをシャ~~~と閉める

  • 車いすから移乗してゴロリと寝転がる

  • 看護師さんのサポートを受けながら、オムツを外すなど患部が目視できような体制になる(ちょっと恥ずかしい体制?)

  • 後は女医先生が来るまで(診てくれるのを)ひたすら待つ

ま~カーテンがしてあるから誰かに見られることはないんだけど、その向こうには人が行き来していて気になる…

女医先生が診てくれるまではかなり時間がかかるから、お尻丸出し状態のままハラハラドキドキな時間を過ごさないといけない。

(この憂鬱な時間、看護師さんがもう少し呼ぶのを遅くしてくれたら短縮できないのかな?)

「シャッ!」

そんなことを思っていたら、カーテンを少し開けて女医先生が入ってきた。

「あらら…ちゃんとプッシュアップしていましたか?」

患部を診てすぐにそう言われてしまう僕…

「ええ、していたんですが…いや、足らなかったのかもしれません…」

「クッションには、きちんと空気を入れていますか?」

「ええ、それはもちろん!」

車いすに座るときは、直に座ることなく必ずクッションを敷く僕。

それはお尻にケガをしないための最低限やるべきこと!

そのクッションは空気を定期的に補充する必要があるんだけど、きちんとした空気圧なら耐圧分散効果(ケガの予防)は高い。逆に言うときちんと空気を補充していないと、効果は薄れてしまってケガを誘発してしまう。

女医先生はそれをご存じなわけだ。

「今回もしばらく処置が必要です。また毎日通って来られますか?」

「ええ、もちろん!」
          
思った通り…オムツに付いた浸出液はケガのサインだった…

というわけで…

前回からわずか3か月ではあるけれど、早期完治を目指して毎日の処置通いが始まる。

プッシュアップは20分に1回…
プッシュアップは20分に1回…

🎯その21 「ぶら~ん」をやめる!

処置初日のこと

「へ~今回はアクトシンっていう名前なんですね!確か、前回はプロスタンディンっていう名前だったような…ってことは前回とは状態が異なっているんでしょうか?…ね~どう思います?…って(前回のことを知らない)看護師さんに質問してもわかるはずがないか…」

そんなことを処置中の看護師さんに質問をして邪魔をする僕…

アクトシン
アクトシン

       
そこへ、前回の処置時のことを知っている看護師さんがやってきてこう言われた。

「あらっ?ひさしぶりですね!しばらくは良かったのに…」

「いや~しばらくってまだ3ヶ月ですよ…前回の処置時に言われたことを守っていたんですが…」

「ケガの原因は、何もそれらだけではないですから…」

「そうなんでしょうけどね…何が悪いのかがわからないのは辛いですよ~」

「そうですね…早く分かると良いですね」

「あっ!そういえば…」

「どうされました?」

「質問なんですけど、これってやっぱり良くないんですかね~?」

そう言いながら、足を乗せる台を上げて足が床に付いた状態を見てもらう。

「それがどうしたんですか?」

「えっとですね…この状態から手漕ぎをしているんですよ~」

そう言いながらハンドリムに手をかけるジェスチャーをする僕。

「う~ん…停車中は床に足がついているからズレは生じないと思うのですが、その状態で移動すると足が宙に浮くから前後左右にズレが生じやすいし、全ての体重がお尻に集中することになるのでリスクはより高まると思います」

「そうですか…何となくそう思っていました…」

足漕ぎというのは、フットサポートを上げ足で床を蹴って車いすを動かすこと。

立位や歩行が可能なら、車いすを椅子代わりにして休憩のために座ったり、手漕ぎせずに足漕ぎする人はいる。

でも僕のように、実生活に活かせなくても若干足が動く人の中には、足を乗せる台を跳ね上げて床に足をつけ、その状態(足を置く台を下ろして足を乗せることなくブラ~ンと足が宙に浮いた状態)で手漕ぎをするという「変則的な手漕ぎ?」をしちゃう人がいるんよね…

お尻のお肉がどれくらいついているのかなど、ケガをしやすい程度っていうのは個人差があるんだけど、僕は骨と皮しかないような貧弱なお尻…

脆弱なわけ…

(やっぱり、僕にとってはリスクが高いのかな~~)

今さらながら、移動するときのルール作りをすることにした!

①車いすを動かす時は、必ず足を乗せる台に足を乗せているのを確認し手漕ぎをする(台を跳ね上げて足を床に付けた状態で足漕ぎ・手漕ぎはしない)

②どうしても床に足をつけたいなら、車いすを止めた状態に限定する
例えば…
・テレビを見る時
・パソコンや事務作業をする時
・食事をする時
・キッチンでの作業時
・トイレやお風呂やベッドへの移乗時

僕は、お尻に肉が少なくて骨が突出しているわけだから、それだけでもケガをする可能性は高い。少しでもそのリスクを減らすことは大切なこと!

何度も何度も書くけど脆弱なんだから…


🎯その22 新たなルーティーン作りへ!

「あらら…(昨日軟膏を塗りこんで患部に貼ってあった)ガーゼの位置がズレています…」

翌日の処置時、看護師さんからそう言われてしまう僕。

「えっ…(またか…)どれくらいズレているんですか?」

「明らかにズレているわけじゃなくて、半分くらいは当たっていますが…良くはないと思います」

「そうですか…」

これまで何度もガーゼのズレを指摘されたことがある僕は、おそらくそのの発生原因は移乗時にあるんだろうと予測していた。(左右のズレ)

それが正しければ看護師さんの回答が思うような言葉のはず…

「それじゃ~方向は?」

(どうなのか?)

「えっと~上(上半身側)です…」

(うっそ~~~~~~!)

ズレない動き…
ズレない動き…

「えっ…上?…上下のズレ(前後のズレ)ってことですか?」

予測していたのと違う展開で思わず2度聞きをしてしまった…

「そうですね」

(上下のズレって、いったい何の動作が問題なんだろう?)

入院していたら、ベッド上で食事をするときに上下のズレが生じやすいのは聞いたことがあるけど僕は入院しているわけじゃないし…あっそうだ!

「あの~もしかしてなんですけど…ベッド上で腹筋をするのってあんまり良くないのかなって…」

僕はムキムキマンになりたいわけじゃないんだけど、健康や体力維持の必要性は感じていて、就寝前に腹筋をすることがルーティーンだったんよね。

「う~ん…実際の動きを見ていないから確かではありませんが、おそらく前後のズレが生じやすいんじゃないかなと思います」

「やっぱり…ですよね…」

ようやく最近になって習慣化してきたところだったから残念でへこんでしまう僕。

「ズレの原因は一つではないため、腹筋が原因なのかはわかりません。ただ今はケガの処置中ですから腹筋を中断してみては?処置後どうするのかは、その後にじっくりと考えてみてください」

「そうですか…わかりました…」

ルーティーンのようになっていることを変えてしまうのは、調子が狂ってしまうような気がするし、相当の決心や勇気が必要であったりする。

でも今はケガをしっかり治して今後は作らない体制づくりをするほうが大事。(意地を張って改めずに、ケガを悪化させてしまえば本末転倒!)

(処置中の今を準備期間として、ケガを作らない動きを新たなルーティーンにしていこう!)

僕はそう思い、就寝前の腹筋を中止した。

ルーティーン
ルーティーン

🎯その23 わかっちゃいるけどやめられない…

「そろそろ一度女医先生に診てもらってください」

処置中に看護師さんから女医先生の診察を勧めらてしまう僕。

「えっ…まだ始まって1週間足らずですけど…」

「私見たのは初めてですが、もう処置は必要ないかもしれませんよ」

「そ、そうですか…」

これじゃ~流れ的に前回とほぼ同じだのような気がしてくる…。

ガーゼのズレを指摘されてあれこれ悩んでいる間に終診。

短い日数で回復傾向なのはもちろんうれしい。

でもね~

何が悪くてズレや摩擦が起きているのかがわかっていない!

このまま終診になったら、今後どうしたらいいのか全く自信がない。

(仕方がない、考えても無駄。まずは受診だ!)

苦虫を嚙みつぶしたような表情で病院を受診することに…

「辛島さん、中へどうぞ!」

しばらく待合室でボーとしていると名前を呼ばれたので診察室へ。

「うん…処置終了で良いでしょう!」

女医先生は分厚くなった皮膚をメスか何かで削りながら以下のように言われる。

(やっぱりそうきたか…)

「もう滲出液も出ていないので終診ですが、これからが大事ですよ!辛島さっは痩せていらっしゃるからケガしやすい場所は骨が突出していますし、非常に皮膚が脆弱です。今後も注意を怠ることなく!」

これからが大事!
これからが大事!

「はい…(そんなことは承知の上なんだけどな~)」

「大事なのはプッシュアップ(除圧)です」

「2時間に1回ですよね?」

「違います、20分に1回です!2時間に1回は寝たきりの人が体位を変換する場合です」

「あっ、そうでしったっけ…(そういえば、そうやったな…)」

「それと油性クリームなどを患部に塗って保湿をするのも効果がありますよ」

「わかりました、あと…そこにしばらくしたら厚い皮膚?皮?ができるのはどうしてですか?(これも聞いたことがあるかもだけど)」

「高い圧力が長い時間かかってしまうからです」

(人間の防御反応の一種なのかな?)

「ただ、その状態だけでは受診(処置)の必要はありません。またオムツに浸出液が着くなど気になったら受診してください」

「わかりました、ありがとうございます」

厚い皮というのは、おそらく「カヌーだこ」と同じ原理なんだろう…だから見栄えが気になれば削ってもらうなりすればいいけど、気にならなければ放置しても問題はないのかな?

カヌーだこ:親指付け根内側の皮膚
カヌーだこ:親指付け根内側の皮膚

以上、こんな感じで…

ここ数年で調べたり、言われてことをほとんど忘れている僕。

これじゃ~ケガをしない方がおかしいのかもしれない…

・車いすを動かすときは、必ず手漕ぎ(足は台の上に乗せた状態で)
・20分に1回のプッシュアップ
・座った時の姿勢(仙骨座りはNG!)

どの動きが発生原因かはわからないけど、最低でも上記したことは徹底しないと!

※あっ、そうだ!

また、正式な病名聞くのを忘れていたんよね…

たぶん、仙骨部(尾骨周辺)に出来た褥瘡だったと思うな~

ー 自身4回目は、ここでおしまい ー


🎯その24 なんともヘンテコな?状況になってきた…

それから1年くらいは、なんともヘンテコな状況になっていた。

というのも、これまでと同じでオムツに血液?浸出液?が付着したから急いで病院を受診しても、「今回は治療の必要はない」と言われる

女医先生は「治療の必要があるのは、血液や浸出液が出ている状態」と以前言われていたはず!

(それなのに…どうしてなんだよ~~~~)

加えて、オムツに血液?浸出液?が付着していない状態で痛みに耐えきれないで受診するケースも出てきた

その理由を僕なりの解釈で説明すると~

僕は病的な?痩せ型で、仙骨部の骨が突出しているし、その周辺にある皮膚は脆弱でお猿さんのお尻みたいに発赤しているでしょ?

そんなヨワヨワマンのお尻は、少しの衝撃でダメージを受けやすい状態!

そこにケガをしないように分厚い皮膚(タコ)がどうしても出来てしまうんだけど、それが悪さをするみたい。

えっと…車いすに座ると~

弱々しい皮膚から高い圧を受け継いだタコが、クッションによって跳ね返ってナイフのように突き刺さってしまう…

例えるなら~(例えられていないかもだけど…)

砂場で裸足になって土遊びをしていたら、たまたま尖った小石が紛れているのに気が付かずに、足の裏でぎゅ〜〜〜と強くふんずけちゃったのに、誰かが背中に乗ってきてしばらくそのままだったって感じかな…

その結果、弱々しい皮膚を傷つけてしまって痛くなり、その程度がひどくなると出血…

それで出血した場合、褥瘡のような大ケガをしているわけではなく軽い切り傷のようなもの。

突き刺さるもの(分厚くなった皮膚)を排除すれば(削れば)治療をすることなく自然に良くなっていく。

※もちろん、通常通りプッシュアップや保湿に気を付けることが前提だけど

どう?なんとなく分かった~?

弱々しい皮膚を下にした状態
弱々しい皮膚を下にした状態

女医先生が分厚くなる皮膚は基本的には削らなければならないわけではないと以前言われていたけど、こんなふうに僕は生活に支障が出るくらい痛みを感じたり出血してしまうんだから定期的に削ってもらうしかない

そうそう

爪が延びたら定期的に切るでしょ?

髪が延びたら定期的に切るでしょ?

あんな感じ!

あっそうだ!

こんなケースが出てきたのはここ数年の事。

その原因は40代に入ってお尻にケガをするようになったのと同じなのかも?(お尻にケガをするようになった原因だと確定しているわけじゃないんだけど…)

痩せが進行してお尻の肉がどんどん薄くなっている

厚くなった皮膚の刺激で苦痛を感じない人は多分お尻にお肉がたくさんついているからなのかも?

その逆である僕はケガもしやすければ苦痛も感じやすい…

どうなんだろう?


🎯その25 終われないみたい…

基本的には治療?(削る?)の必要がない分厚くなる皮膚(タコ)…

このタコじゃない…

分厚くなっても痛んだり傷ついたりするのに個人差があるからなんだろうけど、日常生活に支障が出る僕は定期的に削ってもらう必要がある!

通院なんて大して苦にはならないんだけど、数か月のうちに皮膚が分厚くなってしまうから、その都度っていうのはネックかな…

(何とか自分で取る方法はないのかな?)

そう思った僕は、「弱々しい皮膚周辺に、ワセリンをこまめに塗って、厚くなった皮膚(タコ)をふやかかし浮いた状態を作る作戦」を考案した!

それが功を奏したのかはわからないんだけど、自分で軽く引っ張って取れたことが2回ある…んだけど、後日女医先生に聞いたら絶対にやっちゃいけないNG行為らしい。

ワセリンが分厚くなった皮膚をふやかす有効な手段というわけではないし脆弱の皮膚にへばりついているようなものを無理に引っ張ったら逆にケガをしてしまうと…

今後は絶対やらない…

ということで、自身4回目以降のまとめを以下に書いてみるよ~

厚い皮膚(タコ)は人間の防御反応のようなものでありどうしても出来てしまう

・それを医療機関で削るのは痛みや出血で生活に支障が出る場合のみで、絶対的ではなく放置する人もいる

・僕の場合は生活に支障が出てくるため、そうなったら削ってもらうか、そうなる前に削ってもらうべき

厚い皮膚(タコ)による損傷は治療の対象にはならない。(削ってしまえばいずれ良くなるから)

無理に自分で引っ張って厚い皮膚を取ろうとするのはNG

ワセリンはあくまで保湿のために塗るべし!

ケガをするのに比べたら小まめに削ってもらうほうが良い!
ケガをするのに比べたら小まめに削ってもらうほうが良い!

あっ、そうそうそう…

そんな治療の必要がないケースって医学的に病名が付くのかなんだけど、女医先生にしっかりと聞いていないんよね…

だから推測になるんだけど…

おそらく、表皮剥離や(難治性じゃない)潰瘍なのかあ?

あっ!スキンテア?
(表皮剥離と似たようなものか…)

わからん…

というわけで~

よく分からない状況なんだけど治療する必要がないことばっかりになってきたから本作を続ける意味がないっていうのか?この時点で区切りをつけたいなと思うんですよ~

ではでは

あれっ?

そういうわけにはいかなくなってきたので😭


🎯その26 お尻のケガ自身5回目:発見に至った経緯

2024年 (令和6年) 47歳 5月下旬

治療が必要のないケースは、これまで(自身4回目の治療後から)5~6回。

毎回トイレに行って便座に移乗してから車いす上のオムツを見ると、滲出液?血液?が付いているから病院を受診するのに…

ここまで続くと治療が必要かそうでないかの線引き?(どの段階で女医先生に診てもらえば良いのか?)が難しくなっていく。

そして今回もその時が来た…

トイレに行って便座に移乗してから車いす上のオムツを見ると、これまでよりも広範囲で人差し指の爪くらいかな?薄赤い滲出液?血液?が付いている。

(またかよ~)

もううんざりだ~
もううんざりだ~

病院を受診すべきなのか悩む僕。

(ま~…どうせ今回も治療が必要のないケースなんだろうけどな…)

やっぱり僕はヨワヨワマン!

頭では今回もいつものケースに違いないと思うんだけど、それを見過ごす勇気などない…

(ど、どうせ暇だし女医先生のお姿でも見に行くかな…)

「辛島さん、中へどうぞ!」

受付をしてからしばらく待合室でボーとしていると名前を呼ばれたので診察室へ。

「先生、また浸出液か何かがオムツについてしまって…小指の爪くらいなので範囲は広めです」

僕がそう言うと女医先生は患部を確認。

「う~ん…今回は褥瘡の潰瘍(難治性潰瘍)ですね…治療が必要です」

「えっ、いつものケース(タコが悪さをしたから)じゃないんですか?」

女医先生が言われるには、脆弱な皮膚のところに何かの拍子で小さな傷が出来てしまい、それが僕の生活動作(ズレや摩擦)で拡大した状態みたい?

ま~これまでのケガ(治療が必要だったケース)と原因は似たようなものなんだろう…

「今回は以前利用したことがある訪間看護を毎日利用してください。一気に治します」

勤務終了後に毎日通院して処置を受けるのではなくて訪間看護が入る理由は何なのか?

はっきりとした理由は分からないんだけど、僕の動き(移乗などによるズレや摩擦)を減らす目的もあったのかもしれない。

あっ、訪問看護っていうのは基本毎日利用することはできないんだよ~ん。

医療保険で訪問看護を利用するには、医師が書く訪問看護指示書で週3回まで!

僕のように褥瘡など毎日の訪問が必要な場合は、特別訪問看護指示書を書いてくれることで可能になりみたい。(介護保険の場合はわからないです)

処置に使う薬は、何度か使ってきたことがある「アクトシン」と、「スクロードパスタ」

これをミックスして一つの容器に入れると茶色っぽいオレンジ色というのかな?ミルクキャラメルのような色合いをしていて、バンに塗るピーナツバターのようにねっとりとしている。

さて、訪問看護事業所は数年前利用したところと同じ。

久しぶりだな~
久しぶりだな~

「辛島さん、お久しぶりです。あれから今回までケガすることなく頑張っていたんですね?」

「いえいえ、年に1回くらいの間隔でやらかしていまして…」

「でしたら遠慮せず利用されてくださいね!ところで、今回も私たちが訪問するまでにシャワーを浴びることは可能ですか?」

自身1回目のころを覚えている人はもうわかっているかもだけど、処置直前にシャワー浴を勧められるのには理由があるんよ~

・患部を良く洗うことは大切

・ただ濡れたままにしておくと患部が段々とふやけてしまうのでNG

・そこでシャワー浴は薬を塗った後に患部をガーゼで保護する前が良い

・(自身1回目のときは・・・)
単身生活で家屋と同居していないため、シャワー浴が通院治療後になっていた。それでは翌日の処置までガーゼが濡れたままになってしまうから訪問看護の利用開始。それによってガーゼが濡れるのを気にせず訪問前にシャワー浴ができるようになる。

こんな感じで、処置する前にシャワーを浴びるのが大事なんよ~

そこで前回と同じようにできるか聞いてきたわけ!

「いや~退勤時間が以前と変わりましたから、来てくれる前にシャワーを浴びることは難しいです。残念ですが今回は完治するまで清拭で我慢するつもりです」

「そうですか…わかりました」

ま~それでも運転が苦手な僕にとって、病院への往復が必要なく自宅で処置を受けることが出来るだけでも大きなメリットがあって本当に助けられていた。それに先ほど書いたように何が悪くてズレや摩擦が起きているのかがわかっていない僕にとって、その原因になりそうな動きが一つでも減るということはありがたいこと!

今の僕は完治させるのに時間を要す可能性がある。
逆にすぐ治ってしまう可能性も同じくらいある。

さて、今回はどうなるのかな?


🎯その27 僕が仙骨座り常習犯?まっさか~~~そんなわけないやろ…

2024年 (令和6年) 47歳 6月上旬

連日の訪問による処置が始まって1週間が経過していた。

「どうです、良くなってきていますか?」

「う~ん…ほとんど変化がないです」

「そうですか…まだかかりそうですね」

「皮膚が脆弱なのもあって治りが遅いですが、先生は今の治療は間違ってはいないので継続していこうと言われています。このままもう少し頑張っていきましょうね!」

「そうですか…わかりました」

そう言いながらベッドから車いすに乗り移った僕を見た看護師さんが一言…

「前から気になていましたが、それは仙骨座りですよ~」

「えっ!これがですか?まっさか~」

処置後に何げなく車いすに移乗した姿勢は普段と全く変わらない。

それが仙骨座りというのなら、僕って四六時中そうなっているってことになっちゃう…

もちろん仙骨座りのことは知っているし、それがいけないことは十分承知している。

「えっと…これっていつもの座り方なんですけど、これが仙骨座りなんですか?」

「ええ」

(ぬ、ぬわぁんだと~~~!)

「仙骨部分が上半身よりも前に出ているような座り方は気を付けて治しましょうね!」

僕が今までにイメージしていた仙骨座りは、テレビなどでよく見る偉い人が高級な椅子にどっしりと座って煙草を吸っているような、いわゆる「社長座り」のような大げさにもの?だと思っていた。

(そこまでひどくないのはセーフじゃなかったのかよ…)

今回の件は完全に僕の認識が甘かった証拠…

ミスは切腹で…
ミスは切腹で…

それなら、これまで何度もあった「ガーゼが上下(前後)にズレてしまう原因」はここにあったのかもしれない…

この仙骨座りっていうのはとても楽な姿勢とも言えそうな気がするんだけど、お尻にケガをしたくなかったら楽な方楽な方へ行ったらダメということなんだろう…

今後車いすに乗車するときは、お尻から車いす側面に入り込むようなイメージで座るよう意識しよう。

ただ、きちんと座ってもリラックスすると段々と猫背になって背筋が曲がってしまい仙骨座りの状態になることから、気がついた時点で背筋を伸ばして正しい姿勢へ座り直しを心掛けたいな!

あっそうだ、これはプッシュアップ後も同じで意識するようにお尻から…

更に、考えてみれば車に乗る時の姿勢もだ。

これまでの姿勢は、まさに仙骨のほうが上半身より前に出ていたはず…

そうではなくて、背中のシートを直角にするなりして、これまでに比べたら窮屈な姿勢で運転するよう心がけたいと思う。

そんなことを看護師さんに話したところ…

「運転に関してはある程度仕方がないと私は思いますよ。無理にそうすると疲れや体のいたるところに痛みが出て安産運転できなくなりそうな気がします。それは事故を起こす可能性が高くなるということでもあると思います」

ということは、いけないのはわかっているけど…ってやつか~

やっぱりお尻にケガをする原因は僕の生活スタイルに大きく関係しているような気がするんだよな~

背筋を車いす背面に付ける感じで!
背筋を車いす背面に付ける感じで!

🎯その28 市販されていないの?医師が処方する医薬品としての栄養ドリンク

2024年 (令和6年) 47歳 6月中旬

このころ、褥瘡の大きさは縦横共に1センチ前後を行ったり来たりしているようだった。

「辛島さんは働いているし車も運転しているでしょ?それに単身生活だから動きが多いんです。そのどこかでズレや摩擦が生じているから良くなったり悪化したり…毎日変化があります」

「ということは僕がずっと寝ていたらすぐ良くなるとか?」

「今よりずっと早いと思います。ただそうすると他の場所をケガしたりADLが低下してしまいます」

「そうですか…それじゃ~栄養が足らないというのは考えられますか?」

「もちろん!亜鉛などはケガの予防に良いと言われていますよ」

「医師の処方で栄養ドリンクのようなものがあると聞いたのですが…」

「ありますが、辛島さんは固形物を摂取可能ですので医師が処方箋を書くかはわからないです」

「そうなんですか~医師が必要だと認めた患者のみが飲めるんですね…」

「たとえ処方されたとしても味がとても甘くて口に合わないという人もいらっしゃいます。それに栄養価が高いので普段食べれていたものが入らなくなる可能性もありますから、まずはそういうものに頼らないで頑張ってみてほしいと私は思います」

「わかりました(甘すぎるのは苦手かも…)」

医師が処方する医薬品としての栄養ドリンクのようなものは、固形物を噛めなかったり飲み込めないような人のためにあって今の僕に処方してくれるのかは疑問…

市販されていないエンシュアなど
市販されていないエンシュアなど

「それじゃ~今回の入院が良い機会かもしれませんね?」

※このころ、皮膚癌が見つかって入院(手術)することが決まっていました。 詳しくは 「僕と皮膚癌」 を参照ください。

「私もそう思います。単身生活で必要なこと(洗濯、掃除、ごみ出しなど)はしなくて良いし、栄養満点の食事と休息が出来ますからね!入院中はずっと横になっていたらどうですか?おそらくそれで完治すると思いますよ」

「えっ、予定は3日間で長くても1週間ですよ?」

「褥瘡自体は浅いですから、それだけあれば十分だと思います」

「そうですか…」

「入院するまでは今の生活を止めてくださいとは言いませんが、できる限りプッシュアップをしたり、横になるなど工夫してくださいね」

「わかりました」

入院までは残すところ1週間くらい

入院中は安静にしておくのを提案されて、一時はそうしておこうかと思ったん四六時中ベッドに寝ておくのだけども暇だしな~と思ってしまう僕。

本当に治す気があるんかい!!!


🎯その29 プッシュアップを極める!

2024年 (令和6年) 47歳 6月下旬

「仰向けで寝ていても尾骨あたりに出来ている褥瘡は当たらないですね~」

入院先の病院で看護師さんからそう言われる僕。

「ということは、今回の褥瘡は車いすに乗っているから?」

「そう考えて良いと思います」

「ということは、ベッドへ横になっている時間を増やせばれば良くなるとか?」

「そう考えて良いと思います」

ということは、訪問看護師さんが言われていたように「僕の考える自立した生活(単身生活をしながら車を運転して仕事をすること)」が生憎僕を苦しめていることになっているのは間違いないだろう…

原因は僕の考える自立した生活なの?
原因は僕の考える自立した生活なの?

(入院中は横になる時間を増やしたり、車いすを漕いで動き回る時間を減らした方が良さそうだ!よ~し頑張ってみるか~)

以前は半ば投げやりだった僕だけど、実際に入院してみると完治へ向けて頑張ろうという意欲がわいてきた!

ただ問題はあった。

それは退院後どうするのか?

入院中は日々の動きに制限をかけやすいけど、退院したらそうはいかなくなる…

それなのにズレや摩擦の原因は今もわかっていない。

これは退院までにある程度良くなっていないと完治させるのは厳しいのか?

そこで基礎的な予防策を見直してみる。

・日に何度か油性クリームを塗って保湿

・患部を清潔に保つ(小まめに入浴し、失禁や失便などをそのままにしない)

・そして…20分に1回のプッシュアップ

(プッシュアップは改善策がありそうな気が…)

これまでの僕は行う時間間隔がきちんと20分の時もあれば、ハッと気が付けばすでに1時間を過ぎていた時もあったりと…すごく曖昧だった。

そうじゃなくて最低でも20分に1回は必ずプッシュアップをする!

(そのためにはどうすればいいのか?)

考えて考えて出した答えは、手の平半分ほどの機械だった。


🎯その30 ピカピカしたらロボットのように繰り返す!

まず本題?に入る前に…

入院期間はわずか3日間だった。

それだけ、皮膚癌の手術経過が良かったからで自身4回目もここまでは順調だということ!

※詳しくは「僕と皮膚癌」を参照ください

では本題?に戻って…

お尻の処置も訪問看護さんがうまく連携を取ってくれていたから滞りなく継続されていて、その間にずいぶん良くなっていったみたい。

後はこの状態を何とか保ってゆくゆくは完治へつなげられるかだ!

その可能性というのか?入院中に考えていた秘策として「手の平半分ほどの機械」を早速購入した僕。

あっ…それはね~「無音で光って教えてくれるアラーム」のこと!

・まずは、これを20分にセットしてスタート

・0になった時点でピカピカと青く点滅するから、僕はプッシュアップ!

・そして再び20分にセットしてスタート

・0になった時点でピカピカと青く点滅するから、僕はプッシュアップ!

・そして再び20分にセットしてスタート

・0になった時点でピカピカと青く点滅するから、僕はプッシュアップ!

この流れを延々と繰り返せば、正確なプッシュアップができてケガをする可能性は低くなるはず!

このアラームを3台購入。

・職場用で自分のデスクに置く1台
・自宅用で食事などをするデスクとパソコン台にそれぞれ1台

これである程度僕の行動範囲内でじっとしている場面をカバーできる。

光って教えてくれるタイプにしたのは、そうしないと難聴の僕は気が付かない可能性が高いから!

無音のタイプにしたのは…職場で音が鳴るのは迷惑になるでしょ?

この作戦で曖昧じゃない機械のような不規則じゃない正確なプッシュアップを目指すぞ~

無音で光って教えてくれるタイマー
無音で光って教えてくれるタイマー

🎯その31 ありがたや~訪問看護師さん!

退院後は病院の看護師さんから再び訪問看護師さんに処置が引き継がれていた。

入院期間はわずか3日足らずだったけど言われたように極力動きを制限(横になっていたり)していたところケガの状態は劇的に改善している様子。

「わ~ずいぶん良いと思います。これなら今月末に受診して女医先生に診てもらうと治療はもう必要ないと言われるかもしれません。」

「そんなに経過が良いんですか?」

「ほぼ完治だと思います。やっぱり私が思った通りでしたね~」

とういうことは、普段何気なくしている動作のどこかでケガの治りを遅くしていたのは確実…

「あっそうだ。これを入院先の病院で処置に使っていたのですが~CMC軟膏って書いていますけど…初めて聞くんですがこれってどんな薬ですか?」

「う~ん、私も初めて見ました。おそらくそこの病院独自で調合したのかもしれません」

「調合…ですか?」

「色合いや匂いからワセリンやアズノール軟膏をミックスしているような気がします」

「残りがずいぶんあるのですが…捨てちゃいましょうか?」

「せっかくそれを塗って治ってきたのですから、なくなるまで使い切ってはどうでしょう?」

「わかりました、お願いします」

ということで月末に女医先生診てもらうことになった僕。

訪問看護師さんに処置をお願いするのも残り数日なのかもな~

あっそうだ!

訪間看護師は誰でも簡単に利用するわけではないよ~以前も書いたように訪問看護を利用するには医師が書く訪問看護指示書が必要。

言い換えたら訪間看護師さんはそれがないと訪問したくても出来ないというわけ!

そんでもって医師が指示すること(点滴や採血や処置など)を一番に動くのは間違いないんだけど、だからといって「それしかしません」というわけではないみたい。

僕も足の爪を切ってもらったことがある…いや…切ってもらったというより削ってもらったと言った方が良いかも?

それは右足の人差し指

この指は爪が前ではなくて、とぐろを巻くというのかな?上にもっさりと重なるように伸びちゃう…

そのことを相談したら、電動爪研ぎ機(医療用グライダー?)を持ってきてくれて、ヤスリがけのような感じで上から綺麗しにしてくれた。

電動爪研ぎ機
電動爪研ぎ機

あと家政婦さんやヘルバーさんと同じようなことは無理みたいだけど、医療に関すること以外でもOKだとか?(レンジで食材を温めたりすることはあるんだって)

僕はそれを必要としていないけど、自宅にいながら医療行為が受けられるのは魅力だし助かるな~

ありがたや~訪問看護師さん!

助かるな~
助かるな~

🎯その32 根くらべ!

2024年 (令和6年) 47歳 6月下旬

いよいよ女医先生の外来を受診する日が来た!

「辛島さん、中へどうぞ!」

しばらく待合室でボーとしていると名前を呼ばれたので診察室へ。

患部を診てもらったところ・・・

「よし、終診で良いでしょう!」

「やった!」

「ですが今後も注意は必要ですよ。今後も脆弱な皮膚の上には分厚い皮が出来ますから痛みや傷が出る可能性は高いです」

「わかりました」

「ただ、辛島さんは何かあったらすぐ受診していますから治りが早いです。それを今後も忘れず…またんで、何もなくても分厚い皮を定期的に削って内側に新たなケガをしていないかチェックすることもお勧めします」

「わかりました」

(先月からから翌1ヶ月か~)

お尻のケガとは、今後も一生向き合っていかないといけないけれど、ひとまず今回は良くなって良かった!

問題はこれからどうするか…

年齢を重ねるほど、その傾度?が増すのは目に見えている…

だけど、年齢を重ねたくないというのも無茶な話だし、車いすマンを引退することなどできない。

ま~向き合うしかない!

これは頭部の皮膚癌と同じで、僕の根気が試されているのかも?

目を光らせる根気があるうちは、早期にケガを発見して治療に繋げられるでしょ!

でも根気がなくなったとき…

それは僕が終わる時なのかもしれない。

そうそう

今後どう転ぶかは僕次第

自分に負けるなよ!
自分に負けるなよ!

今の僕はお尻のケガの知識が全くなかった当時の僕ではないんよね!

知識もあるし向き合い方も違う。

そんな僕なら絶対に終わるときは訪れない…


🎯その33 やるしかないのら~

お尻にケガをして治療を余儀なくされたのは現時点で5回。

その必要がなくても女医先生に診てもらったのを合わせると40代に入って10回以上トラブルを起こしていることになる。

・きちんとした栄養・十分な睡眠

・油性クリームで保湿

・清潔(失禁や失便をそのままにしない)

・クッションに適正な圧の空気を補充する(ペシャンコなら意味なし・入れすぎは逆効果)

・今考えられえるや摩擦を起こすであろう動作は慎む

・車いすを足漕ぎしない。(足を置く台を跳ね上げて足を床に付け手を使うことなく床を足で蹴って動かす)

・変則的な?手漕ぎで車いすを動かそうとしない(足を置く台を跳ね上げて足を床に付けている状態から足を宙に浮かせハンドリムを手で回して動かす)

・光で教えてくれるタイマーを使っての正確なメンシユアツプ(20分に1回)

以上に書いたように、これまでの経験から得た予防策はいくつもあって忠実に守ってきたつもり!

なんだけど…

それでも繰り返しているわけでしょ?

だから負け惜しみじゃないんだけど、「生活動作のどこでズレや摩擦を起こしているのか(ケガをする原因)がわかっていない」んだから、いくら予防策を徹底したって今後もケガをする可能性が高いと思うんよ~

(どうすれば…)

そこで閃いたのが、皮膚癌の対策と同じ「タブレット作戦」!

これまでも何度かヘルパーさんにお尻の写真を撮ってもらったことはあるけど、今後は定期的に記録として残していって少しでも気になったら女医先生に診てもらおうと思う。

そうそう

悪くなってから慌てて診てもらうのではなく、現状を知って気になったら診てもらう(長期間の治療を受けることがないような)体制を作っていく

そのためには毎週お世話になっているヘルパーさんの力が必要になる!

そして…

いつまでも肝に銘じていきたいな!

僕はガリガリに痩せていて仙骨部の骨が突出しているし、その周辺の皮膚は脆弱でお猿さんのお尻みたいに発赤しているんだからいつケガをしてもおかしくないんだって!

その心がけで気を緩めないでいく…

あっそうだ!

今度こそ…

一区切りついている今を本作のゴールにしますよ~ん!!

ま~6回目7回目と続いていくかもだけど…

その時はその時だ~

ではでは

さよ~なら~

― 僕とお尻のケガおしまい ―(この後に病歴などが続きます)


🎯本作のまとめ①

お尻にケガをしてしまうのは同じ場所に高い圧をかけ続けたり生活動作の中でズレや摩擦が生じてしまうというのが多いみたい。

だから…

・同じ場所に高い圧をかけ続けない

・ズレや摩擦を生じさせない

この2つをクリアすればほぼお尻にケガはしないと思う。

と言っても今の僕は生活動作のどこでズレや摩擦を生じさているのかがわかっていない

そこでまずは以下のような予防策を徹底してやっていく!

・きちんとした栄養

・十分な睡眠

・油性クリームで保湿

・清潔(失禁や失便をそのままにしない)

・クッションにはこまめに空気を補充して適正な圧を保つ

・今考えられえるズレや摩擦を起こすであろう動作は慎む

・車いすを足漕ぎしない。(足を置く台を跳ね上げて足を床に付け手を使うことなく床を足で蹴って動かす)

・変則的な?手漕ぎで車いすを動かそうとしない(足を置く台を跳ね上げて足を床に付けている状態から足を宙に浮かせハンドリムを手で回して動かす)

・光で教えてくれるタイマーを使っての正確なプッシュアップ(20分に1回)

それでも僕はガリガリに痩せていて仙骨部の骨が突出しているし、その周辺の皮膚は脆弱でお猿さんのお尻みたいに発赤していることから、今後もケガをするリスクが高いと思う。

そこで今後は、悪くなってから慌てて病院を受診するのではなく、ヘルパーさんに毎週タブレットで写真を撮ってもらい、それを確認することで少しでも気になったら女医先生に診てもらう(タブレット作戦)

そうそう

長期間治療が必要になるケガをしないような体制作りをしていくんだよ~ん!

今後はこの方針で行ってみます!
今後はこの方針で行ってみます!

🎯本作のまとめ②

※お尻のケガはその程度や状態などからいくつもの病名(呼び方)がある。

一例

📙びらん

📘発赤

📙表皮剥離

📘スキンテア

📙潰瘍

📘難治性潰瘍(※なかなか治療しても治らない潰瘍のこと)

📙褥瘡

※お尻のケガに使う薬は多種多様で皮膚科医は状態を診ながら使い分けてく

―例

📙ゲーベンクリーム

📘アクトシン軟膏

📙プロスタンディン軟膏

📘デュオアクティブ

📙カデックス軟膏

📘スクロードパスタ

※お尻にケガをして治療が必要になるのは(分厚くなった皮膚が突き刺さったこと以外の)脆弱な皮膚自体が圧やズレなどで損傷を受けて出血や滲出液が出ている状態?


僕はガリガリに痩せていて仙骨部の骨が突出しているし、その周辺の皮膚は脆弱でお猿さんのお尻みたいに発赤している。

人間の防御反応なのか?その上に硬い皮膚(いわゆるタコ)が覆い被さるように出来てきて次第に分厚くなっていくんだけど、それが時にナイフのように脆弱な皮膚に突き刺さってしまう。

この分厚い皮膚によって出血する・痛みを伴う場合は治療対象外みたいだ。(分厚くなった皮膚を削って通常の予防策を続けていれば症状が治まるから)


🎯豆知識 (ネット検索等で調べた主に褥瘡の知識)

※本作で書いてきたことと重複するところが多々あります

得意のネット検索で…
得意のネット検索で…

1 褥瘡とは

①一般的に「床ずれ」と呼ばれ、一定の場所(特に骨が出っ張っているところ)への血行が悪くなることで皮膚がだんだん壊れていくこと

初期症状は、皮膚が赤くなる(発赤)などであるが、段々と皮膚がただれて剥がれてしまうい、ひどくなると傷ができて、どんどん深くなっていく。※深さや状態?で4段階に分けられている(分け方は他にもあるみたい)

4段階に分けられている
4段階に分けられている

②発生原因
寝たきりや車いす生活で、一か所の皮膚を圧迫し続けることや、ズレや摩擦といった物理的要因・加齢、基礎疾患の持続・低栄養など

③寝たきりの人や車いす生活の人は褥瘡が出来やすいが、発生原因を満たせば、若く健康な人であってもできる(例=酔っぱらっていた・突然意識を失ってしまった・山で遭難して瓦礫に閉じ込められた・災害に見舞われ思うように動けなかったなど)

2 発生原因をより詳しく!

持続的圧迫
一定の場所へ2時間以上、上(垂直)から高い圧力がかかり続けると、血行が悪くなって皮膚がだんだん壊れていく。

ズレ
一定の場所へ前後左右(平行)から圧力がかかると、血行が悪くなって皮膚がだんだん壊れていく。

摩擦
体を移動させるときに、皮膚の表面が寝具などにこすれる現象のことで、皮膚がだんだん壊れていく。

湿潤
汗をかいたまま・尿や便を漏らしてしまったまましておくと、皮膚損傷や感染につながり褥瘡が出来やすい環境になる。また、すでに褥瘡がある場合は悪化や治癒を遅らせる

3 好発部位

寝たきりの人で、50%以上は仙骨周辺にできる。
あとは、足関節部・腸骨陵部・胸・腰椎部・肩甲骨部・下肢部・膝・肘・下腿部・大転子部などに出来やすい。

車いす生活の人は、同一体位で長時間座っていることが多いため、坐骨結節部に出来やすい。ただし、身体に変形や拘縮がある場合は、座位が安定せずに前方にずれるため、尾骨周辺に出来やすい。

4 出来やすい人?条件?

基本的動作能力が低下している
ベッドの上で自力体位変換ができるか
車いすや椅子に座ったときに座位姿勢を保持できるか

病的に骨突出している
仙骨・尾骨などが突出していないか?

関節が拘縮している
四肢関節の可動域制限や股関節・膝関節の屈曲拘縮が起きていないか?

栄養状態が低下している
低栄養状態となっていないか
偏りのない規則正しい食生活をしているか?
亜鉛や鉄・ビタミンCなどが効果的みたいですが、まずは上記したことを意識したほうが良いと思います。

皮膚湿潤
汗をかいたまま、尿や便を漏らしてしまったままにしていないか?

皮膚が脆弱である
栄養状態の低下や発赤・スキンテアなどの褥瘡予備軍を保有していないか?

肥満の人

知覚麻痺や運動麻痺・骨折や意識障がいのある人
(多くは体動がない為、一定の場所に長時間圧力がかかってしまうから)

5 予防方法

除圧

・寝たきりなどで体位変換する場合は2時間に1回。

・車いす生活の人は、プッシュアップ(上体を浮かせる動作)を20分に1回。

ズレや摩擦を起こさない

・車いすからベッドやトイレなどへ移乗するとき、スライドさせないで真上から降りる感覚で!

・仙骨座りはしない

マッサージをしない円座は使用しない

・ナイロンの垢すりタオルなど、皮膚を刺激するものは使わない

皮膚を乾燥させない(油性クリームなどを定期的に塗り込む)

湿潤対策
・汗や便・尿失禁はこまめに洗浄する(その後は油性クリームなどを塗り込む)
・オムツ、パットの枚数は最小限にする。

体圧分散(寝具・クッション)

・主に骨が出っ張っているところの体圧(体の表面へ加わる圧のこと)を分散させる方法は体位変換もあるが、体圧分散寝具・クッションも有効

・体圧分散寝具は、いろんなタイプがある。

使用者の動ける能力を妨げてしまう場合があるため、適切なものを選ぶ

自力でできる場合はマットレス底面の安定感を優先・自力でできない場合は体圧分散を優先


🎯調べてみた豆知識から…僕が注意すべきエトセトラ

※本作で書いてきたことと重複するところが多々あります

🥺重要視すべき項目

・低栄養に気を付ける(ケガをしやすく、治りが遅くなる)

・水分補給を小まめに行って脱水を防ぐ

・自分が食べやすいものでもよいので、しっかり食事をして痩せに気を付ける

・車いす乗車中は、20分に一回のプッシュアップ

・ベッド上では2時間に1回の体位変換

・仙骨部に一日数回ワセリンやヘパリン油性クリームなどを塗って湿潤・保湿

・仙骨座りに気が付いたら正しい姿勢で座り直す

・移乗時、ズレや摩擦のない方法を心掛ける

・足漕ぎはしない(フットサポートに必ず足を乗せた状態で手漕ぎ)

・定期的なタブレットでの疑似?目視

・便や尿失禁で汚染した時はすぐ清潔にする

😌僕にとっての好発部位

1.これまで5回治療歴のある仙骨部(尾骨周辺)
理由:これまで書いてきた通り
対策:これまで書いてきた通り

2.前腕の底部(手首から肘まで)や肘など

理由:
仕事中にパソコン作業をするとき、肘や前腕がずっとデスクやアームバーに密着しているため、Yシャツのボタン(手首近くや前腕にあるボタン)を、長時間サンドイッチ状態にしてしまうから(そのため発赤=褥瘡予備軍)

対策:
ボタンをマジックテープに変更する

要注意!長時間の密着
要注意!長時間の密着

3.足首の関節あたりの突出した骨部分(くるぶし?左右ともに内側と外側両方)

理由:
寝ている時や窮屈な靴を履くと、たまに発赤してしまうから

対策:
裸足にならず必ず靴下を履く。余裕のある靴を履く。タオルなどで保護する

4.膝関節の突出した骨部分(左右ともに内側と外側両方)

理由:
車いす乗車中は両膝関節の突出した骨を長時間密着させてしまっているから(そのため発赤→褥瘡予備軍)

対策:
下半身は肌を出さず必ず服を着る。間にタオルやスポンジなどのクッション素材を挟む

5.腕の付け根の関節あたりの突出した骨部分(肩甲骨?左右とも)

理由:
主に右側が、車いすの背もたれにある硬いフレームに当たってしまっているから(そのため発赤=褥瘡予備軍)
※これは僕自身が車いす乗車中に右へ傾いていることから起きていると思う

対策:
車いすとの間にタオルやスポンジなどのクッション素材を挟む。右に傾いていたらきちんと座り直す

6.右太もも外側側面(大転子部?)

理由:
車いすのフレームに当たるから?(そのため発赤=褥瘡予備軍)
※発赤は右側しかつかないことから、やはり僕自身のの姿勢が右に傾いているんだと思う

対策:
車いすとの間にタオルやスポンジなどのクッション素材を挟む。右に傾いているのに気が付いたらきちんと座り直す

😂じゃ~気が休まる時がないやん…

ま~こんな感じで、僕が注意しないといけないのは、何もお尻(特に仙骨部)だけじゃないんよね…

骨が突出していて、周囲にお肉(筋肉や脂肪)があまりなくて、長い時間圧を変え続ける可能性がある場所なら、体中どこでも注意が必要!

📢僕が長い時間同じ場所に圧を掛け続ける機会と言えば…

  • 「ベッドに寝ているとき」

  • 「車いすに乗っているとき」

  • 「トイレに行って便座に座っているとき」

  • 「入浴中に座った状態で体を洗うとき」

  • 「車の運転中ずっと座っている時」

ま~ほぼ全ての時間になる…😭

🧐体圧分散方法

・ベッドへ横になる・就寝時は高機能エアーマットレスではなく底面の安定感を優先したい。一番は僕自身の力で体位変換ができるところ!

高機能エアーマットを以前使っていた経験があるけど、フワフワしすぎるからベッド上で身動きができなかった(ポヨンポヨンして気持ち悪い)

あれは介護などサポートする誰かがいたら有効かもだけど、単身で暮らす僕には勝手が悪く残存機能が減っていくのは間違いないと思う。

・車いす乗車中は、お尻に敷くクッションを体圧分散効果の高いクッションを使う。(ウレタン素材のほうが安定するが…)


🎯病歴

※病歴については、本作終了時点以降に進展があった場合、続編を作成できなかったとしても更新していきます。

📙自身1回目

・2020年 (令和2年) 7月中旬 43歳
トイレ時、付けていたオムツに米粒大の薄赤いシミ?が付いているを発見する(のちに、それが浸出液だと知る)

・2020年 (令和2年) 7月中旬 43歳
「別府中村病院 皮膚科」 外来受診
処置が土日祝日含め毎日必要だと言われる。単身生活であり自分でできそうにないため、仕事終わりに病院を受診して処置をお願いすることになる

・2020年 (令和2年) 7月下旬 43歳
「別府中村病院」 受診
毎日通院して処置を受ける

・2020年 (令和2年) 7月下旬 43歳
「別府中村病院 皮膚科」 外来受診
わずか1週間ほどで処置終了を告げられる。(終診)
※今回の病名は、「仙骨部(尾骨周辺)に出来た表皮剥離」?

📘自身2回目

・2021年 (令和3年) 6月上旬 44歳 
トイレ時、付けていたオムツに米粒大の薄赤いシミ?が付いているのを発見する

・2021年(令和3年) 6月上旬 44歳 
「別府中村病院 皮膚科」 外来受診
処置が土日祝日含め毎日必要だと言われる。単身生活であり自分でできそうにないため、仕事終わりに病院を受診して処置をお願いすることになる

・2021年(令和3年) 6月下旬 44歳 
処置が通院と訪問看護(別府中村病院訪問看護)を併用することになる
週5回→別府中村病院(通院での処置)
週2回→訪問看護(自宅での処置)

・2021年(令和3年) 9月中旬 44歳  
「別府中村病院 皮膚科」 外来受診
ようやく傷が塞がったので処置終了を告げられる。(終診)
※今回の病名は、「仙骨部(尾骨周辺)に出来た褥瘡」

📒自身3回目

・2022年(令和4年) 11月下旬 45歳
トイレ時、付けていたオムツに米粒大の薄赤いシミ?が付いているのを発見する

・2022年(令和4年) 11月下旬 45歳
「別府中村病院 皮膚科」 外来受診
処置が土日祝日含め毎日必要だと言われる。単身生活であり自分でできそうにないため、仕事終わりに病院を受診して処置をお願いすることになる

・2022年(令和4年) 12月上旬 45歳
「別府中村病院 皮膚科」 外来受診
20日間ほどで処置終了を告げられる。(終診)
※今回の病名は、「仙骨部(尾骨周辺)に出来た潰瘍」?

📗自身4回目

・2023年(令和5年) 3月下旬 46歳 
トイレ時、付けていたオムツに米粒大の薄赤いシミ?が付いているのを発見する

・2023年(令和5年) 3月下旬 46歳 
「別府中村病院 皮膚科」 外来受診
処置が土日祝日含め毎日必要だと言われる。単身生活であり自分でできそうにないため、仕事終わりに病院を受診して処置をお願いすることになる

・2023年(令和5年) 3月下旬 46歳 
「別府中村病院 皮膚科」 外来受診
わずか10日ほどで処置終了を告げられる。(終診)
※今回の病名は、「仙骨部(尾骨周辺)に出来た褥瘡?潰瘍?」

🐢治療に至らなかったケース

・2023年 (令和5年) 7月中旬 46歳 
「別府中村病院 皮膚科」 外来受診
いつものように滲出液などがオムツに付いたわけではないのに、最近お尻が痛いことが気になるため相談→分厚くなった皮膚の接触による痛みだろうとのことで削ってもらう

・2023年 (令和5年) 9月末 46歳  
「別府中村病院 皮膚科」 外来受診
トイレ時、付けていたオムツに米粒大の薄赤いシミ?が付いているのを発見したため受診するも治療が必要なケガではないとのことで分厚くなった皮膚を削ってもらう(手持ちのプロスタンディンは分厚くなった皮膚を削らなければ損傷している脆弱な皮膚まで届かない)

・2023年 (令和5年) 10月末 46歳 
「別府中村病院 皮膚科」 外来受診
トイレ時、付けていたオムツに米粒大の薄赤いシミ?が付いているのを発見したため受診するも治療が必要なケガではないとのことで分厚くなった皮膚を削ってもらう(手持ちのプロスタンディンは分厚くなった皮膚を削らなければ損傷している脆弱な皮膚まで届かない)

・2023年  (令和5年) 12月初旬 46歳
「別府中村病院 皮膚科」 外来受診
トイレ時、付けていたオムツに米粒大の薄赤いシミ?が付いているのを発見したため受診するも治療が必要なケガではないとのことで分厚くなった皮膚を削ってもらう。

・2024年  (令和6年) 4月下旬 47歳
「別府中村病院 皮膚科」 外来受診
トイレ時、付けていたオムツに米粒大の薄赤いシミ?が付いているのを発見したため受診するも治療が必要なケガではないとのことで分厚くなった皮膚を削ってもらう。

📓自身5回

・2024年 (令和6年) 5月下旬 47歳 
トイレ時、付けていたオムツに米粒大の薄赤いシミ?が付いているのを発見する

・2024年 (令和6年) 5月下旬 47歳  
「別府中村病院 皮膚科」 外来受診
処置が土日祝日含め毎日必要だと言われる。
今回は毎日訪問看護(別府中村病院訪問看護)を利用することになる。

・2024年 (令和6年) 6月中旬 47歳
「別府医療センター 皮膚科」 入院
訪問看護(別府中村病院訪問看護)の連携により処置は引き継がれ入院中も問題なく受けることができた。

・2024年 (令和6年) 6月下旬 47歳 
「別府中村病院 皮膚科」 外来受診
約1か月ほどかかったが、ようやく処置終了を告げられる。(終診)
※今回の病名は、「仙骨部(尾骨周辺)に出来た褥瘡・難治性潰瘍」

※今後はまず考えられるだけの予防策を徹底してやっていくが、皮膚が脆弱なことなどがあり再びケガをするリスクが高いと思う。

そこでヘルパーさんにお願いして定期的にタブレットに写真を残していって疑似目視をしていく(タブレット作戦)

悪くなってから慌てて病院を受診するのではなく、治療を受ける必要がないような体制を作っていく

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ヨワヨワマン辛島
僕が書くすべての記事(手紙)は、長い時間かけて継続して書いてきた記録や、そうでなかれば得られないであろう考え方や貴重な体験を基にしています。いただいたサポートは、その評価だと捉えさせていただき、それを糧に今後も多くの記事を書いていきますので、どうかよろしくお願いします。