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マタアイマショウ【短編小説】

※この小説は3分で読めます。

『 あぁ、別れたんだ。』
隣にもういない彼女を思い出した。

あの時は何も考えてなかった。
いや、ずっと隣にいるものだと思っていた。

君も同じことを思っているのかな?
『そうであってほしい。 』
なんて言えない。


『マタアイマショウ 』
別れたあの日、最後に言った一言だ。

僕は、君の手をずっと握っていた。
君は今まで見たことない泣き顔をしていた。

そんな顔を、横目で見ていた。
目は合わせられなかった。

だから、手をずっと握っていた。
本当は笑顔で別れたかったから。


本当はもっと頼って欲しかった。
君はいつも抱え込むから。

だから、より一層思う。
頼られたかった。

好きな人にくらい頼ってほしかった。

情けない。

本当は最初から泣きそうだった。

しかし、僕は強がっていた。
最後の最後まで素直になれなかった。


いざ別れ話が始まると、
強がる僕は、君を励ます魔法をなげかける。

『君にはほんとに救われた。 』

僕の魔法に、あなたは泣いている。


こんな日は二度と来ないだろう。

この魔法は月日が経てば消える。

いい思い出となって。


君を傷つけることも多々あった。
だけど、謝ったからと言って
何かが変わるわけでもない。

一言だけ言うとするなら、
『ありがとう』
その一言だけ君に届ける。


君と共に歩いた道には目的地なんてなかった。

気がつけば、
"あなたの優しさ"
にたどり着いていた。


見れば分かる。
君が強くないことは知っている。

悲しみを我慢して笑っていることも。

最後くらい。

わがままを聞いて欲しい。

『泣いてもいいんだよ。』


思わず僕が泣いてしまった。

昔から男は泣くなってよく言うけど、

『今日だけは許してよ神様。』

前回は、Mr.ChildrenさんのHANABIでした!
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