津波防災カード「flago」で、那覇市の新たな課題発見へ -Think!防災 vol03 イベントレポート-
この夏、関西地方での台風21号、また北海道で地震が発生するなど、どの地域においてもいつ何時災害に見舞われるのか、先が読めない時代となりました。
2018年をふまえて、沖縄に住むひとでも防災を考えておくことは重要といえるのではないでしょうか。
9月24日に、ファシリテーターの當銘大樹さんとの共催で開催した「Think!防災 vol03」では、「海と共に生きよう。」をコンセプトに作られた津波防災カード「flago」で遊びながら、那覇市での身近な課題とは何かを考えるきっかけとなりました。
おきなわダイアログがある那覇市の防災を事例に挙げながら、どんなことを考えればいいのか、当日の様子をふまえてお伝えします。
津波防災カード「flago」に込められた思い
いつも変わらない日常を過ごしていた、ある日。
あなたに、立つことができないほどの揺れが襲います。
そのとき、ふだんは聞こえないはずの街のスピーカーから、今まで聞いたことがないぐらいの大音量で、「地震に伴い津波の危険性があります。お気をつけください」と鳴り響きます。
あなたは、津波から逃げることができるのでしょうか。
公式URL:海と共に生きる未来のため、たのしみながら津波防災が学べるカードゲームを届けたい!
2018年7月に、一般社団法人「防災ガール」によってflagoは開発され、全国に広めるためクラウドファンディングを実施されました。
その支援を行なった當銘さんにflagoが届き、当日、カードゲームの説明を行います。とてもシンプルなルールで、フィールドと呼ばれる私たちの現在地から横に4枚、縦に5枚カードを並べます。
並べたカードには、ハプニングカードとアクシデントカードがあり、プレイヤーへ事前に配られるアイテムカードを使いながら問題解決していき、ゴールとなる「*オレンジフラッグ」もしくは「避難ビル」に到着したひとが勝ち。
*海から見てもっとも視認性の高い色・オレンジを使った「オレンジフラッグ」を掲げることで、「津波がきたぞ!海からあがって早く逃げろ!」という警告を海辺にいる人たちに伝えるプロジェクト。
當銘大樹(以後、當銘):ハプニングカードをみてください。例えば、このカードなら「頭上から危険物が落ちてくる」と書いていますよね。そのとき、手元に配ったアイテムカードのなかに「ヘルメット」を使って回避していきます。
日常のなかで、もし津波が起きたなら? flagoをきっかけに、どういう対策すれば良いのか、考えるきっかけになるんです。
「手元に防げるアイテムがない!」そんなときにいきるアイデア
flagoでの学びといえば、津波で生じるであろうハプニングやアクシデントを解決することですが、公式ルールとしてもう1つ「どうしても前へ進めない。そんなとき、自分なりのアイデアを他のプレイヤーにプレゼンして、その場のメンバーが承認したら前に進める」ことだと當銘さんは言います。
実際に、プレイヤー自身も自分なりのアイデアを対戦相手が納得するよう意見を加えながら、津波というシチュエーションから逃げることを学んでいきます。
「雨が降って来た…手元に「レインコート」カードがないからアイテム「防災グッズ」内のシートをかぶるのはどうかな?」「それ、いいね!」
「折りたたみ傘ならどう?」「それは、なしでしょ笑」
それぞれがマニュアルといえるアイテムカード以外の策を伝えながら、何度もゲームを繰り返して、からだに覚えさせていきました。
「観光できた人への防災は?」 flagoを見つけた、新たな課題発見
カードゲームを終えて、それぞれの参加者から感想や質問をもらいました。
Q:このゲームが想定した時間帯は、例えば、地震が発生したどのくらいか。
當銘:地震が起きて、直後のタイミングですね。一般的に、沿岸部なら約1時間で津波が到着するため、こうした時間制限を決めてゲームを行なってもいいですね。
Q:沖縄に住んでいる人なら、避難ビルまではいかなくても、小学校や中学校、高い建物についてイメージができるが、観光客に対してはどう知らせているのか。
當銘:土地勘がないと、正直対応は厳しい。市町村によって、ハザードマップを作るのは努力義務になっていますが、観光客向けのハザードマップがないと思う。
Q:北海道地震でもそうで、たくさんの被災者はスマホで情報収集をしていたとニュースでみました。こうした、スマホで情報発信するのも手ではないでしょうか。
當銘:例えば、北海道地震で、沖縄県内にある企業「Payke(ペイク)」さんが、海外からの観光客向けにアプリを通して防災情報を伝えたとニュースとなりましたよね。こうした企業との連携がより必要になってくると思います。
これまでに、自分なりに市町村へとヒアリングをしてきて。那覇市には、防災課を整備されつつはありますが、他の町村では予算の関係上、防災のソフトにお金をかけることができない実情があります。
課題は多いけど、それを解決をする手段はまだまだあると思う。だから、Think!防災の活動は意味があると考えているんです。
おきなわダイアログを発信拠点として県内で行う防災活動をお知らせします
おきなわダイアログでは、Think!防災の協力団体として防災について発信していきます。
「こんなテーマを取り上げてほしい」
「他の地域でも開催してほしい」
などありましたら、以下の連絡先までお知らせください。「Think!防災」を合言葉に大事なこととしてお伝えしていきます。
From Okinawa Dialog