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PT柔整なら知るべき腰痛の原因を4つに分ける考え方 4.仙腸関節編
今までのシリーズでは、『part1 椎間関節編』『part2 筋・筋膜性編』『part3 椎間板編』3つを解説させていただきました!
今回、腰痛シリーズ最後となるpart4では仙腸関節について解説していきます。
この記事を読むとこの様な知識が手に入ります!
・どこを痛めたか、なぜそこを痛めたかがわかる
・仙腸関節の特性を知ることがでできる
・仙腸関節性の腰痛を改善できる
・患者さんに自信を持って症状を説明できる
・腰痛治療が楽しくなる
それでは、始めていきましょう!
どこが痛むか?「仙腸関節」
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仙腸関節は仙骨と腸骨から構成される関節で、関節周囲が人体に囲まれているので可動性は少ないです。
関節前面には前仙腸靱帯、後面には後仙腸靱帯、骨間仙腸靱帯、仙結節靱帯、仙棘靱帯が仙腸関節の安定性を高めてくれています。
このように仙腸関節は強靭な靱帯によって守られており、ほとんど動かない関節なのですが、その理由は上半身の体重を全て支えなければならないからです。
そんな強靭な靭帯に囲まれた仙腸関節ですが、わずかに並進運動が起こることがわかっています。
仙腸関節の痛みの原因でとても大切なのが並進運動。これについてさらに分かりやすく説明して行きます!
立位時では上半身の重心が仙腸関節に加わり、仙腸関節にはニューテーション(前屈運動)が起こります。
反対に不良姿勢の座位では、カウンターニューテーション(後屈運動)が起こります。
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ニューテーションとは、上の図左のように仙骨は前傾し、腸骨は後傾する状態のことを言います。ニューテーションは仙腸関節を固定している靭帯の張力を増加させ安定性を高めます。
カウンターニューテーションとは、上の図右のように仙骨が後傾し、腸骨は前傾する状態のことを言います。カウンターニューテーションは仙腸関節の靭帯がゆるむ位置になるため仙腸関節の安定性は低下します。
一見、上の図を見るとカウンターニューテーションも靭帯の張力が増加しそうですが、靭帯は緩む状態になります。私見ですが実際には腸骨はそこまで前傾しないと考えています。仙骨座りをしてみるとわかりますが、腸骨は完全に後傾しています。どこの関節でも、人の体は立位で安定性を高めるようにできているのでしょう。
仙腸関節の疼痛誘発テスト
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