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誰かの雨漏りライオン

関西演劇祭でキミノアオハルさんの舞台に心を奪われ、どのようにこの舞台が生まれたのかがどうしても知りたくて今回の初のワークショップに見学参加させて頂きました!!

キミノアオハルさんは、どこか懐かしくて、せつなくて、心臓を掴まれるというか、抉り取られるような感覚になる作品を作られています。

その舞台を見ると、苦しさや虚しさを感じるのに、希望の端っこを感じることができて、見終わった後に先に進む勇気のようなものをもらえる不思議な劇団さんです。

あ、でも私は見終わった後1分くらい惚けてなにもかんがえられなくなってました。没入感がすごいんです。一瞬なにが起こったかわからなくなる感覚ですね。

ぜひたくさんの人にこの感覚味わってもらいたい…

…ということで!その舞台がどのようにして生まれたのか初ワークショップを見学し体感したことを、キミノアオハル推しの私が皆さんにシェアしたいです!!♡


ワークショップ開始!

ワークショップが始まって、前半2時間程度で自己紹介、インプロ、台本の読み合わせと順番に行われていきました。

今回の参加者の中には私が見た演劇に出演されていた方もいて、舞台と客席というすごく近いのに絶対に触れられない距離感があった皆さんと言葉を交えることができて、感無量でした。。幸。♡

キミノアオハルさんの特徴をもう一個あげると、作品ももちろん素敵ですが、役者さんがすごく生き生きしていて、そして何よりも可愛いんです!!♡

優しさに溢れているというか…
今回初めてと言っていた参加者の皆さんも含め、本当に素敵な方ばかりなんですよ…
どうやって引き寄せてるんですか?
…本当に好き!!♡ なんてなんて…

それでもやっぱり今回の参加者5人も自己紹介の時はどこか緊張した面持ちでした。
でも、すぐにその緊張は消えていきました。

実は二回自己紹介をしたんですよね。

一回目が終わった時にナカベさんが、

「自己紹介の時に、未来の話、自分の想い、ここにきた目的も伝えられたら、聞いた人の中で同じ想いを持っている人の話しかけるきっかけにもなるし、お互いがどんな想いを持っているのか知っているだけで印象にも残るし、一緒に過ごす時間の質も変わっていくと想うよ」

と言っていて、雷に打たれた感覚になりました!
確かにそうだよなと想って。

そのあともう一度自己紹介をしたんですけど、やっぱり想いを誰かに向けて言葉にするって緊張するんですよね。

だから、少し不安な表情が生まれたりもするんですけど、このワークショップの最初に、

「誰かが話したときに、遠慮せずに拍手をしたり反応をしていけるといいよね。そうやって反応をすること自体が1つのコミュニケーションになるんだよ!」

と言われていたので、想いや目的を話した後に反応があってすぐに不安な気持ちが拭えるというか…

私が舞台を見て感じた役者の皆さんの優しさや暖かさってこういうところから生まれたのかなって感じました!

こうやって初めて会った人でも、こんなにすぐに打ち解けられるのか…と正直驚きが隠せませんでした。

楽しそうで、羨ましい…。

…はい。私の素直な感想です。

インプロが始まってから役者さんたちが皆本当に楽しそうにしていて、ほんのちょっとジェラシーを感じていました。。

外から見ていると遊んでいるように見えるんですけど、実際、本当に遊んでいたんじゃないかなと想います。
遊んでいる感覚で、目に見えないものを表現していました。
実際にはボールなんてないのにお互いがボールを感じて投げ合っていたり…

私は外から見ていたので、本当はボールなんかないんだってわかっていたはずなのに、だんだん「お、今おっきいボール投げたな」とか「あれは重そうだな」とか、段々と見えてくるし、気がついたら引き込まれていて、自然と笑ったり、焦ったりしていました。

こんなに自然に自分が笑ってしまうなんて想っていませんでしたが、そこにある役者の皆さんの楽し気な「没入感」に私はまた心を奪われていたみたいです。


今回の短編戯曲「雨漏りライオン」

今回ワークショップが始まる数日前に、事前に台本が配られました。

演劇を舞台で見るときには、稽古によって役者や劇団が積み上げて生まれる「演劇の中の人生」があると想うんです。

でも、ワークショップ前にいただいたこの物語は、まだ誰からも解釈されてなくて、まさに「生まれたばかりの物語」なんですよね。

一回目に読んだ時、心が震えるくらい感動しました!!♡
感動というか心が動かされたというか…。

登場人物の名前のイントネーションがどうなのかとか、どんな感情でこのセリフを言うのかなとか、まだ誰も知らないからこそ、自分の想像の世界で物語を感じることができるんですよね。読んでいる人の数だけ世界が広がっていくのがとても素敵だなって感じました!!♡

何よりもキミノアオハルさんの作品はその名の通り「青春」が一つのキーワードになっているので、無限に広がるそれぞれの世界の中に1つの共通した「青春」を想像していくことができるのがすごいなと…。

キミノアオハルさんの舞台に没入できるポイントって、こう言うところにあるのかもしれません!

だから、すごく不思議な感覚になるんでしょうか…?

これが所謂、誰かの雨漏りライオンになるのかなと想いました!

作品の世界観を作っているのは…

…誰なんでしょうか。

インプロの後に「雨漏りライオン」を一人二回ずつ全部の役を演じられるように回して読み合わせを行いました。

役者の皆さんは
各々で自分の武器になるものを持っていて、

・自分がイメージした声色にかえる技術を持っている人
・優しい中に意志をしっかりと孕んだ雰囲気の演技が得意な人
・世界観を広げつつ自身の中のイメージをもつことが得意な人
・自分が与えられた役に演技を的確にはめるのが得意な人
・セリフの言葉1つ1つを丁寧に大切に紡いでいくことが得意な人

全部、私が外側から観て聴いて感じた印象だったんですけど、皆さんすごく素敵だなぁと想って聴いていました。

私がこの読み合わせの時間で驚いたのは、初めから最後まで、作者のナカベさんから「こうやって読んで欲しい」という具体的な指示がなかったことです。

私は勝手に、世界観を作るのは作者や、演出家だと想っていたので、軸になるイメージだけ伝えて後は参加者に委ねていく事がすごく意外だったんです。

そうするとだんだん、役者さん自身が持っている個性やイメージがかけ合わさり、言葉の交わりが、会話になって、対話になっていったのが目に見えてわかりました。

作品自体の世界観の軸をもとに、まず、演者自身が感じている世界を生きる。その舞台を観たお客さんは、さらに自分の人生を掛け合わせて観ることができる…

だから、見終わった後にそれぞれが自分の中に想いを持つことができてしまう。

これが没入感を生むことにつながっているんですね…♡

こうやって一つの作品が作られていく過程にもたくさん新しい感覚との出会いがあって、それを沢山間近で体感できて本当によかったなって想いました!

つづく⭐︎

2021.03.01 「誰かの雨漏りライオン」

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