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まち歩き写真教室(テキスト)
1.はじめに
スマホでも、デジカメでも、今はオート機能が発達しているので、キレイな写真は簡単に撮れます。また、様々なアプリを使えば、撮影後にも加工が出来ます。
なので、いい写真を撮りたいと思ったとき、切り取り方、着眼点、見せ方を意識することが重要だと考えています。
この教室では、写真の技術や理論のようなむずかしい話しではなく、写真撮影に当たっての考え方や見せ方を以下の点を意識しながらお伝えしていきます。
自分がどんな物が好きか?
どんな物に興味があるか?
どんな風に見せたいのか?
ということを意識してみてください。
☆撮影をはじめる前に知っておいてほしいことをお話しします。
①☆カメラの構え方
ア.脇を締めて、カメラ(スマホを構えましょう)
せっかく撮ってもブレたり、ピント位置がずれてしまっては台無しです。
室内での撮影で暗くてブレそうな場合は、壁や柱を利用して体を支え
たり、カメラを机や椅子に置いたりするとブレを防げます。
持っていれば、三脚や一脚の利用も効果的です。
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イ.シャッターボタンはチカラを入れずに優しく押しましょう。
脇を締めていても、シャッターボタンを押し込むときに力むとブレの原因になります。力を入れずに優しく押しましょう。スマホの場合、画面上のシャッターをタップする以外に本体脇のボリュームボタンなどを押すとシャッターが切れる場合があるので、活用しましょう。
どうしてもブレるときは、セルフタイマー機能を活用しました。セルフタイマーにも10秒以外に、5秒や2秒の設定が選べる場合があります。
②★写真は目で見たとおりには写らない!
ア.ダイナミックレンジ(明暗差の許容範囲)
画面内の一番明るいところと一番暗いところの再現可能な幅のことです。人間の視覚は非常に優れていて、日中の明るい白い雲も日陰の建物の壁の細かい質感も同時に認識できます。
一方、デジタルカメラの場合撮影センサーの性能にもよりますが、この明暗差の再現許容範囲が限られているため、画面内にとても明るいところととても暗い場所があると、白トビや黒つぶれが起きてしまいます。
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肉眼では、窓枠も壁紙の模様も見ることが出来ますが、写真では空に露出(写真の明るさ)を合わせると、室内は真っ黒(黒つぶれ)になってしまいます。
また、室内に露出を合わせると今度は空が真っ白(白トビ)になってしまいます。
このように写真に再現できる、明暗差の許容範囲の広さを、ダイナミックレンジといいます。
※黒つぶれや白トビしたところは、色などのデータが無いので、後からアプリ等でも修正できません。
イ.視覚と知覚(錯覚と注視点)
人間は見たままを見ているようで、実はいろいろな経験や感覚による錯覚の影響を受けています。
例えば、すっきりと晴れた日に見る山は大きく見えたります。それは、人間の脳は、輪郭がはっきりした物を近くにあるように認識するために起きる錯覚です。
また、白や暖色系は大きく膨らんで見え、逆に黒や寒色系は小さく細く見えます。
人間は通常2つの目立体的に物を捉えていますが、写真は通常1つのレンズで撮っています。
写真は四角い画面で切り取りますが、人間の視界は四角ではありません。
人間の視野角(見える範囲)は左右に約200°と言われていますが、注視点と言ってしっかりと文字など細かい情報を認識できる範囲は約20°くらいと言われます。見えている範囲としっかり見ている範囲には大きな差がありますし、見る物や見る物との距離も様々でその状況によって見方を無意識に変えているのです。
写真の写る範囲は、レンズの画角によって決まります。撮りたい物や見せ方によってレンズを選ぶことが理想的ですが、すべての状況に対応するのは大変なので、自分の持っているカメラやレンズについて知っておくことは大切です。
*レンズの画角(焦点距離)による特徴を作例を見ながら説明します。
作例はカメラを三脚に固定して、同じ位置、同じ角度、同じ絞り値(F2.8)で撮影しています。
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広角(28mm)は、スマホのカメラが、大体このくらいの画角です。広い範囲が撮影でき、ピントの合う範囲が広く、遠近感が強調されるのが特徴です。
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標準(50mm)は、一般的に人間が注目して見る範囲に近い画角とされています。遠近感も自然です。
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中望遠(85mm)は、良くポートレート撮影に使われる画角です。ボケも出易く適度に遠近感の圧縮効果(遠くの物と近くの物が近く見える様な効果)が得られます。
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望遠(135mm)は、遠くの物を大きく写せます。ボケも大きくなります。圧縮効果も強くなります。望遠になるほど、ピント合わせも難しく、ブレ易くなります。
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