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アマゾンプライムに入っていた、 相米慎二監督「台風クラブ」を鑑賞。

何度目の鑑賞であろうか。最初は劇場で初日に観た。大学生の頃である。

事前情報では、台風で学校に閉じ込められた学生たちが、その閉鎖された空間で狂気に走る映画、と言うふうに聞いていて、これはきっと『逆噴射家族』の学校バージョンみたいな映画に違いないと思って見に行ったのだ。
しかも主演が『逆噴射家族』と同じ工藤夕貴

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なんだか工藤夕貴大西結花が目につくが、それはともすると、なんだかこの手の、特定の環境(例えば学校)や団体(例えば家族)において、人が非日常に走る物語って、このころの流行りだったのかもしれない。

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しかし正直言って、当時の私にはこの映画、あまりおもしろいと思えなかった。
相米慎二のねちっこい長回しに、舞台然としたクサい演出、全体的に暗くてベタベタしていて気が滅入るし、言いたいこともさっぱりわからず、ただ不快な映画としか思えなかった。

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しかし今になって改めて見直してみたら、これが結構おもしろかった。
当時の私の方がこの映画で描かれている少年少女たちと世代が近いのに、今の方がこの子たちの精神状態がよくわかるというのは、ある程度いまの私にもこの頃の気持ちが残っていて、尚且つ、ある程度は俯瞰した立場で見れるようにもなったってことがあるのかもしれない。

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それに、台風ってなんだかワクワクするのだ。
何もない田舎の学校で、若いエネルギーを持て余し、日々を悶々と生きている学生たちが、台風をきっかけにそのエネルギーを爆発させる。
台風という自然現象が、なんだか人を無性に興奮させるのはやはり人間も自然の産物だということだ。
その自然により近い若者が、内なる自然を意識し始め、そのエネルギーのやり場をどこに向けていいのかわからない十代前半の男女たちの中で、こんな出来事が起こるのも納得がいく。

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そして最後の男子生徒の死


Partir, sest mourir un peu(旅立ち。それは少し死に近づくこと)

というフランスの諺を思い出した。

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行き場のないエネルギーが向かうその先、その究極はであるし、死とはどういうものかを学ぶことによって、若者は大人になる、というのは宮沢賢治の小説をはじめ、様々な芸術で繰り返し表現されてきたモチーフのひとつである。
しかしそれを学生のひとりが悟って、それを身を以て表現する必要があったのかというと、それはどうかと疑問を感じる。
そう考えると、最後に死んでみせるべきだったのはやっぱりあの教師(三浦友和!)だったんじゃないかなあ、という気がしてならない。


地面から突き立った足、まさに仲間の成長のために己の生命を投げ出した人柱であった。
キャストでは真面目ちゃんからだんだん弾けてゆく大西結花がよかった。
大西結花は『スケバン刑事3』でも一番光ってたし、なかなかいい女優だ。
蹴られ続けるドアの裏で必死に抵抗するシーンはこの映画の圧巻である。


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#台風クラブ
#相米慎二

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挿入歌としてBARBEE BOYSの「暗闇でDANCE」と「翔んでみせろ」。P.J & COOL RUNNINGSの「CHILDREN OF THE WORLD」「FREE NO WAY」が使用されている。

BARBEE BOYS暗闇でDANCE

BARBEE BOYS翔んでみせろ

P.J & COOL RUNNINGSCHILDREN OF THE WORLD

P.J. & Cool Runnings Feel No Way

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そして、忘れてはいけないのが、この曲。


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ゆうもあ倶楽部
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