【邦画】ついに未DVD化の「市川崑」の東宝時代の傑作が安価でソフト化。大映以前の市川崑のコメディは凄いぞ!
■「足にさわった女」<東宝名作セレクション>
ぜんぜんナンセンス!
美人でお洒落で頓馬な女スリと美男刑事さんのモダン珍道中記!
休暇で東京へ向かう大阪の刑事・五平太(池部良)は急行列車に乗り合わせた小説家・坂々安古(山村聰)が、「女盗賊に美女はいない。それは伝説にすぎない」と話しているのを聞き、「泥棒にも美女はいる」と食ってかかった。
その列車には五平太が美女と認めるスリ・塩沢さや(越路吹雪)が乗り合わせていたのだ。
五平に見つかったさやは伊豆に法事へ行く途中なので、盗みをする気は無いと言う。
だが、列車がトンネルに入った一瞬の暗闇で、窃盗事件が発生する…。
市川崑監督は、この映画を観た人が二三日経ってから「アッそうか!」と気付いて始めてゲラゲラ笑いだすようなものが出来ればいいナと思います。これは僕の演出家としての遊び。と、語っている。
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■「プーサン」<東宝名作セレクション>
プーサンは何故人一倍安い賃金で働かされて馘になったのでしょうか――
そして私たちは何故苦労した末に死ななければならないのでしょうか―
ここに一人の男がおります。その名は野呂米吉(伊藤雄之助)、中年の独身者。職業は予備校の数学教師。先輩の友人、金森風吉(藤原釜足)宅に下宿しています。
風吉は妻(三好栄子)と銀行勤めの娘、カン子(越路吹雪)との三人暮らし。
こういうのを庶民階級というのでしょう。どこにでも見られる人々です。
野呂は学生に誘われて参加したデモで、警官隊と衝突。大暴れした姿が新聞に載ったことで予備校を馘になり、再就職が決まりません。一方、カン子は母に結婚を反対され、服毒自殺を図りますが…。
原作は横山泰三の風刺漫画「プーサン」と「ミス・ガンコ」。製作の藤本真澄は「混乱日本に生きる、金も力もない弱い庶民のたどたどしく生きる姿を愛情をもって描こうとする、市川崑と、私のささやかな自信作」と語っている。
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