オリーブの木の下で
約束通り
オリーブの木の剪定をした
こんな時
十年ほど前なら
飛び出てきた君が
「ボクが切ってあげる!」と
すぐにハサミを奪い取ったな
なんて思っていると
君がのそりと出てきて
その姿はもう充分に大きくて
「ボクにも切らせてよ」と
落ち着いた口調で言った
じゃあ頼むよと
ハサミを手渡すと
「どんなにしたらいいの?」
適当に好きなようにしたらいいよ
と言いながら僕は
散らばってる枝を集めた
昔はもっと手取り足取り教えたな
なんて思ってると
君はやっぱり昔みたいに
すぐに飽きて
「後はよろしく」
と言って家に入って行った
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